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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
副陽が照らすは真の英雄ぞ(バント副陽)(スタンダード)
《ドミナリアの英雄、テフェリー》はその名に恥じない素晴らしいカードである。
そのカードパワーで、スタンダードはおろかモダンでもデッキの大黒柱となっている。これのみをフィニッシャーとした「青白コントロール」も出てくるのだから驚いた。ゲームに勝つという記述はどこにもないのだが、紋章を得るところまで行ってゲームを支配したら、あとは自身の[-3]能力でテフェリーそのものを自分のライブラリーに戻してライブラリーアウトを防ぎ、相手がライブラリーアウト切れで負けるのを待つのだ。まあ、基本的にはここまで行く前に心が折れて終了となるが……とにかく、アドバンテージエンジンから除去、そしてフィニッシャーまで兼ねるスーパーパワーカードである。
これに関してはアメリカの強豪中の強豪ブラッド・ネルソン/Brad Nelsonが語っているインタビュー記事を読むと良いだろう。同記事内でネルソンは、環境から《否認》が減ったこと、青白同型に有効なことから、一度デッキから抜けた《副陽の接近》をテフェリーとともにフィニッシャーに用いることの有用性を主張している。確かに、打ち消しがキーになる青白同型戦で、通すわけにはいかない呪文が増えるというのは脅威だろう。
テフェリーと副陽、これらは青白のインスタントを構えるタイプのコントロールデッキのカードであるというイメージが強いが、何もそれだけがこれらを扱えるデッキじゃない。そんなわけで、今日のリストを見てみよう!
2 《森》 3 《平地》 1 《島》 4 《まばらな木立ち》 4 《陽花弁の木立ち》 2 《植物の聖域》 1 《灌漑農地》 2 《ハシェプのオアシス》 1 《不屈の砂漠》 4 《イプヌの細流》 1 《シェフェトの砂丘》 1 《屍肉あさりの地》 1 《オラーズカの拱門》 -土地(27)- -クリーチャー(0)- |
4 《封じ込め》 1 《アズカンタの探索》 1 《魔学コンパス》 4 《楽園の贈り物》 3 《排斥》 3 《残骸の漂着》 4 《約束の刻》 3 《燻蒸》 4 《副陽の接近》 3 《開拓 // 精神》 3 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 -呪文(33)- |
3 《領事の権限》 4 《否認》 2 《ジェイスの敗北》 1 《試練に臨むギデオン》 4 《威厳あるカラカル》 1 《黎明をもたらす者ライラ》 -サイドボード(15)- |
このコラムでも、環境が変わるたびに白青緑のバントカラーの副陽デッキについて紹介してきた。今回はそれの最新型、テフェリー入りの「バント副陽」だ。
どんなデッキ?
緑のマナ加速を用いて、速やかに7マナ揃えて《副陽の接近》を唱えられる状態を目指す。《楽園の贈り物》《開拓 // 精神》により3マナから5マナへジャンプし、そのマナで《約束の刻》へと繋げて、副陽連打体制へと持っていく。
相手がこの動きを黙って見ていることはないので、デッキの他の大部分は白い除去呪文が務める。《封じ込め》のようなピンポイントから全体除去《残骸の漂着》《燻蒸》まで用いて、とにかく副陽を唱えても安全な状況づくりに全力を注ぐ。《約束の刻》はマナ加速だけでなく、砂漠を揃えることでゾンビ・トークンを生成し、大きく時間を稼いでくれる。
ここまでなら前環境にも存在したデッキと同じだが、ここに《ドミナリアの英雄、テフェリー》が加わった。カードを引く[+1]能力は2度目の副陽を近づけ、土地をアンタップもするので他のアクションも行える。[-3]能力で破壊不能持ちのクリーチャーや、プレインズウォーカーなどにも対処可能なのも頼もしい。他のデッキと違って、テフェリーが殴られてしまうのもそれほど痛手じゃない。自分のライフを護るための盾となってくれればそれで良いのだ。
テクニック!
《ドミナリアの英雄、テフェリー》+《イプヌの細流》:テフェリーで一時的に処理するだけでなく、もう絶対に引かれたくない!というパーマネントがあれば《イプヌの細流》の起動型能力でライブラリーを削って対処可能だ。
《イプヌの細流》は他にも、自分に対して起動してライブラリーの上から7枚目に眠る《副陽の接近》を上へと手繰り寄せる使い方もできる。《精神》や《水没遺跡、アズカンタ》と組み合わせて、2度目を唱えるまでのタイムラグを極力なくそう。
注目のカード:《領事の権限》《黎明をもたらす者ライラ》《威厳あるカラカル》
盤面を固め、ライフを回復することができるカードのためにサイドボードの多くを割いている。これ即ち、ブンブンで攻めてくる赤単は苦手ってことだ。これらのカードでしっかりと生き延び、7点回復とその向こうの勝利へと繋げたい。
元々はややもっさりしたところのあるデッキだったが、テフェリーというトップクラスのカードパワーを持つプレインズウォーカーの参入でデッキは引き締まった。後はネルソンも言うように《失われた遺産》だけは苦手とするデッキなので、対戦相手がそれをサイドボードに採用しているか否かが勝負の分かれ目になりそうだ。中途半端な速度のデッキや、クリーチャー除去たっぷりのコントロールデッキなんかは踏み潰すことができるだろう。
つまりは、自分が臨むトーナメントのメタゲームを読むことが重要になってくる……んだけども、まずは気軽にプレイしてみてほしいね。マナを伸ばしてゴールへ向かう、シンプルなデッキの強さを体感しよう!
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