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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Depth Reanimator(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Depth Reanimator(レガシー)
by 岩SHOW
「レガシーで強い色って何?」 こう聞かれるとなかなか難しい。
《渦まく知識》《意志の力》があるから青!と答える方も少なくないだろう。事実そういった青いカードを採用したデッキはレガシーでも使用率は常に上位を占めており、支配者であるとも言える。ただ、最強の色と名乗るには単色デッキがあってこそ、だとも思うわけで。そうなると、青単色のデッキというものは大変マイナーなものが多く、それゆえ最強色から遠ざかってしまうのでは?と思うのだ。根強い使用者がいる「マーフォーク」くらいか? それも軽量除去の嵐である現レガシーでは活躍できていないのが現実だ。
それ以外の色は、大きな存在感を示す単色のデッキを持っているのだ。赤は「バーン」、白は「Death & Taxes」、緑は「エルフ」......では黒は?
黒は一口でこれ、と言えるわけではなく、いくつかのコンセプトとその複合系のデッキが多い。単色デッキのバリエーションで言えば、ダントツではないだろうか。では黒が最強?かと問われればそれもまた議論の余地があるが、単色で最強クラスのコンボデッキが組めるという点は黒単が他の色に勝っている点だと個人的には思う。
今日のデッキはその象徴的存在だ。見よ!欲望の二段構え!
8 《沼》 4 《暗黒の深部》 4 《演劇の舞台》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《Lake of the Dead》 -土地(21)- 4 《吸血鬼の呪詛術士》 2 《墓所のタイタン》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 2 《グリセルブランド》 -クリーチャー(9)- |
4 《水蓮の花びら》 4 《暗黒の儀式》 4 《納墓》 4 《再活性》 4 《思考囲い》 1 《真髄の針》 4 《死体発掘》 3 《集団的蛮行》 2 《女王への懇願》 -呪文(30)- |
1 《潮吹きの暴君》 1 《エメリアの盾、イオナ》 3 《真髄の針》 3 《外科的摘出》 1 《集団的蛮行》 1 《毒の濁流》 3 《暴露》 2 《虐殺》 -サイドボード(15)- |
《暗黒の深部》+《演劇の舞台》or《吸血鬼の呪詛術士》=20/20破壊不能・飛行!《暗黒の深部》からとって通称デプスコンボと呼ばれる、カード2枚でお手軽一撃必殺コンボ。
このセットを、《納墓》で巨大なクリーチャーを埋めて蘇らせる「リアニメイト」デッキに取り込んだのが、「デプス・リアニメイト」だ。どこまでコンボで、巨大クリーチャーで勝ちたいのかと問いただしたくなるくらいの欲望の溢れっぷりが、実に清々しくあっぱれ。スイスの草の根大会に持ち込まれたデッキなのだが、日本でもレガシーの大会にこの手の黒単デッキを持ち込むマニアは確実に存在する。こういうデッキが作りたくなる、というのは世界共通の感覚のようだ。
黒が単色では最強クラスのコンボデッキを作ることができる理由は、コンボに必要なものが一通り揃っているためだ。このデッキでも
- コンボは早く決めてナンボ!→《暗黒の儀式》《Lake of the Dead》
- 相手の妨害が嫌なもの→《思考囲い》《集団的蛮行》《真髄の針》
- パーツを揃えるためのサーチがね→《女王への懇願》(《納墓》)
これらナイスなスタッフたちがコンボの達成をしっかりとサポート。単色なので色事故なくこれらを運用できる、というのも素晴らしい。
手札破壊などで前方確認しつつ、コンボを決めよう。今さら《暗黒の深部》コンボの挙動については書くまでもないとは思うが(このコラムでも一体何度目の登場だろうか)、初見の方もいらっしゃるかもしれないので改めて。
《暗黒の深部》は、当初置かれている10個の氷カウンターがなくなると生け贄に捧げて「マリット・レイジ」という暗黒神のトークンを生成することができる。この氷カウンター、真面目に能力で取り除いてちゃどれだけ時間があっても足りないので、パーマネントからカウンターをすべて取り除くことができる《吸血鬼の呪詛術士》を使って一気に0個にしたり、《演劇の舞台》をこれのコピーに変身させ、もともとカウンターが置かれていない《暗黒の深部》を作り出してしまったりと、そういうズルい方法で使ってやろうというのだ。《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》があれば《暗黒の深部》から黒マナが出るようになるので、最速2ターン目にこのコンボを決めることが出来る。何度見ても恐ろしいもんだ。
リアニメイト要素についても散々説明してきた。《納墓》《集団的蛮行》で墓地にクリーチャーを落として《再活性》《死体発掘》で釣る!
以上。なので、今回はどのような理由でリアニメイト用クリーチャーが採用されているのかを改めて説明しよう。
《グリセルブランド》:とにかく強い。7/7というサイズに飛行でフィニッシャーとして十分。カードを7枚引く能力で、たとえこれ自身が対処されてしまっても二の矢三の矢を補充して絶え間ない攻めが可能。絆魂能力により回復できるのもありがたく、ダメージレースを仕掛けてくるデッキにも強い。
《墓所のタイタン》:対処されてしまっても2/2ゾンビが2体残り、対処されなかった際には2回の攻撃で20点削りきる&さらにゾンビを追加するパワフルさがウリ。6マナというマナ・コストは《暗黒の儀式》《水蓮の花びら》《Lake of the Dead》らマナブーストを用いれば唱えることも容易いため、墓地対策の上から勝つことも可能なのもポイント高し。
《大修道士、エリシュ・ノーン》:レガシーの主要クリーチャーというものはマナ・コストが軽く、それに伴ってタフネス2以下のものばかり。《死儀礼のシャーマン》《秘密を掘り下げる者》各種人間やエルフなどなど、それらをまとめて1枚で全滅させ、今後も戦場に生きては出させないノーンは、《グリセルブランド》に並ぶリアニメイト系の必須パーツである。
《エメリアの盾、イオナ》:単色の相手に叩きつけて、即投了させてやろう。かつてほどの支配力はなくなったが、それでもこれ1枚で決着がつくマッチアップは今でもあるのでサイドボードの定番となっている。
《潮吹きの暴君》:すべての呪文に《ブーメラン》を付与。《思考囲い》とのプチコンボで相手は嫌な顔に。不要になりがちな《暗黒の儀式》などを唱えて土地を戻しまくって完封してやろう。
これらに加えて、デプスプランのパーツである《吸血鬼の呪詛術士》を蘇らせることもあるだろう。それぞれのコンボが絶妙にシナジーしているってのは良いね。
それぞれ単独でも十分にデッキになるコンボを贅沢に抱き合わせた至高の単色デッキ。実に美しいではないか。単色限定レガシーとかいう企画をすれば、必ずや暴れ回ることだろう。
レガシーは手に入りにくいデュアルランド(2色土地)がなければ門前払い、なんてことは全然ない。基本土地を中心とした単色デッキでも強いものはたくさんあるので、参入を考えている人は安心していいよ!
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