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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ジャンド・スマッシャー(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ジャンド・スマッシャー(スタンダード)
by 岩SHOW
現スタンダードで最も強いクリーチャーは? う~ん、難しい質問だ。強さ、という概念は割と曖昧なものだ。何が強いのか、それは人それぞれの価値観により異なる。
純粋なサイズ・除去耐性・盤面干渉と3拍子揃った《絶え間ない飢餓、ウラモグ》か? いやいやそんな大艦巨砲主義を嘲笑うかのように1ターン目から戦場に出てライフを削る《模範的な造り手》か。環境最強コンボパーツの《守護フェリダー》。1枚完結アドバンテージエンジンにしてフィニッシャー《不屈の追跡者》、いやいや同じアドバンテージ&フィニッシャーなら《奔流の機械巨人》を忘れるな。《サヒーリ・ライ》に睨みを利かせる《歩行バリスタ》、それに弾をチャージする《新緑の機械巨人》......
みんなちがってみんないいとかいうありきたりな結論に達してしまいそうだが......個人的に最も「武闘派」なヤツは《現実を砕くもの》だと思っている。
コイツはヤバい、闘志の塊、殴るという行為を形にした走り回る暴力!5マナ5/5速攻トランプルなんてスペックはマジックの長い歴史でも稀有(他には《稲妻の金切り魔》と《概念の群れ》、どっちもクセが強い!)。その打点に加えて、対戦相手の呪文1枚では死なないという鉄の意志の除去耐性(エルドラージに意志があるかは置いといて)。いつドローしても頼りになる、切り札的な1枚だ。
《現実を砕くもの》は{C}を要求することだけが唯一の難点ではあるが、最近のセットはこの弱点を完全に補っている。《霊気拠点》および《産業の塔》、5色土地であり無色マナも生み出せるこの土地のおかげで、以前よりもはるかに2色以上のカラーリングのデッキでの運用が簡単になった。
今日紹介するデッキはジャンド、黒赤緑の3色デッキだ。その名も「ジャンド・スマッシャー」、強そうなデッキ名に惹かれたでしょう? 全容を見てみよう!
4 《森》 2 《沼》 1 《山》 4 《花盛りの湿地》 1 《風切る泥沼》 1 《獲物道》 1 《燻る湿地》 4 《霊気拠点》 3 《産業の塔》 1 《進化する未開地》 -土地(22)- 4 《屑鉄場のたかり屋》 3 《巻きつき蛇》 3 《地下墓地の選別者》 2 《ピーマの改革派、リシュカー》 2 《不屈の追跡者》 3 《現実を砕くもの》 1 《新緑の機械巨人》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(22)- |
4 《致命的な一押し》 3 《霊気との調和》 1 《ニッサの誓い》 4 《無許可の分解》 3 《キランの真意号》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 -呪文(16)- |
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 1 《害悪の機械巨人》 1 《膨らんだ意識曲げ》 3 《精神背信》 2 《蓄霊稲妻》 2 《自然廃退》 1 《グレムリン解放》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 1 《生命の力、ニッサ》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
「黒緑巻きつき蛇」の亜種と言えるこのデッキは、グランプリ・静岡2017春にてTOP8という好成績を収めたのも記憶に新しい。「マルドゥ・バリスタ」が大勝ちした中、黒緑の魂ここにありと存在感を示したデッキだ。
少し前から、《巻きつき蛇》を軸とした黒緑のビートダウンに、「コピーキャット」耐性を高めるための《無許可の分解》を足したデッキはチラホラ見られた。
ただ、3色になることはやはりそれ相応のリスクを背負うということで、純正2色ほど流行ることはなかった。しかしこの「ジャンド・スマッシャー」は、3色デッキに無色のカードを追加するという逆転のアプローチで、事故を回避しつつデッキの攻撃性を大幅に増している。う~むその考えがあったか。
デッキ自体は、まさしく専用機。《巻きつき蛇》3枚、《ピーマの改革派、リシュカー》2枚あたりから漂う、実戦で調整した感。コントロール全般に勝つために《屑鉄場のたかり屋》、「コピーキャット」を撃ち抜く《歩行バリスタ》はそれぞれ4枚なのも仮想敵を見定めてきての選択だろう。
また、デッキ名にもなっているキーカード《現実を砕くもの》が3枚、《新緑の機械巨人》1枚となっているのも注目ポイント。これこそやり込んだうえでのチョイスなのだろうなと、リストを見ただけでは思ってしまうが......実際、どのようにして採用枚数を決定したのかは気になるところだ。
呪文のチョイスも同じく《霊気との調和》3枚、《ニッサの誓い》1枚という散らし方がシブい。トップ勝負になった時の《ニッサの誓い》は何かしらの回答にアクセスしてくれる......という期待感がたまらないね。
除去は《致命的な一押し》に赤を足す理由《無許可の分解》。分解で確実にダメージを与えるため、しっかりと機体も採用してアーティファクトカウントもバッチリ。《地下墓地の選別者》《不屈の追跡者》と1枚で《キランの真意号》《領事の旗艦、スカイソブリン》を動かせる乗組員もしっかりとスタンバイ。機体デッキのような動きをする黒緑feat.エルドラージ、なんとまあ贅沢で貪欲なデッキであることよ。
二度目となるが、専用機であるとは思う。まんまコピーして思い通りに動かすということは、サイド込みでなかなか難しいだろう。これを参考にそれぞれ自分に合った《現実を砕くもの》運用法を考えるのが良いかもね。同じジャンドカラーでも良いし、黒緑2色に絞ったり(瀧村和幸が同グランプリで使用したのがその形だ)、マルドゥ(白黒赤)カラーで考えてみるなど......いろいろチャレンジしてみてほしいね。Let's smash!!!!
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