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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青赤コントロール(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青赤コントロール(スタンダード)
by 岩SHOW
プロツアー『霊気紛争』はTOP8に「マルドゥ機体」を使用したプレイヤーが6名並ぶという、なかなかにインパクトのある結果となった。これを見て、「機体デッキ強すぎる、ヤバい!」と思うのは......実はまだ少し早い。
今回のプロツアーは「Copycat」が開幕前に目立ちまくった結果、過剰なまでに対策され......その結果、機体デッキへのガードが下がっていた、という少し偏りのある環境であった。使用率第2位の「Copycat」に、デッキを変形させずともナチュラルに強い機体デッキが最大勢力となったのだ。
使用者が多いということは、その中に強い、それはもう強~いプレイヤーも多数含まれるというわけで。マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalhoやパウロ・ヴィタ―・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaなど、世界でも指折りの実力者がこれを用いれば、それはもうTOP8に勝ち残るのも納得かなと。
何が言いたいかというと、「マルドゥ機体」はプロツアーではベストデッキだったが、スタンダードを支配する完全無欠デッキではない、ということだ。これからは機体デッキにナチュラルに強いデッキ、さらにそのデッキに対して強力なデッキ......というようにメタゲームは変化し続けることだろう。プロツアー明けから続くスタンダードのグランプリや大型イベントが楽しみだ!もちろん、グランプリ・静岡2017春にも注目ね。
今回のプロツアーでコントロールデッキがあまり活躍しなかったことを残念に思うプレイヤーも少なくないとは思うが、安心してほしい。巡り巡って、その時が来たらチャンスを逃すな!それに、今回のプロツアーでもスタンダード・ラウンドを7勝3敗の好成績で終えたコントロールデッキがちゃんとある。それも、構成はとてもよく似たものだ。まとめて紹介しよう。「青赤コントロール」だ!
10 《島》 4 《山》 4 《尖塔断の運河》 4 《さまよう噴気孔》 4 《霊気拠点》 -土地(26)- 4 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー(4)- |
4 《流電砲撃》 4 《蓄霊稲妻》 4 《予期》 2 《否認》 2 《革命的拒絶》 4 《不許可》 4 《天才の片鱗》 1 《炎の鞭打ち》 2 《電招の塔》 1 《置き去り》 1 《疑惑の裏付け》 1 《秘密の解明者、ジェイス》 -呪文(30)- |
3 《竜使いののけ者》 3 《氷の中の存在》 2 《払拭》 1 《儀礼的拒否》 2 《否認》 3 《コジレックの帰還》 1 《即時却下》 -サイドボード(15)- |
前回のプロツアー『カラデシュ』にてピエール・ダジャン/Pierre Dagenが披露した「青赤電招」の進化形だ。
現在青が用いることのできるカードの中でも文句なく最強の《奔流の機械巨人》をフィニッシャーに据えて、これ4枚と恒常的な除去兼サブフィニッシャーである《電招の塔》を2枚、アドバンテージエンジンとしての《秘密の解明者、ジェイス》1枚、そして26枚の土地を除いたデッキの残りの27枚はインスタントという、徹底した構築がオールドファンにはなんだかありがたく見える。
ひたすらに構えて、相手の展開を妨害。相手が何もしてこなかったら《天才の片鱗》で手札を貯める。これを繰り返して頃合いを見計らって機械巨人。5/6がボコスカ殴ってゲーム終了!というのが理想的。従来のコントロールではフィニッシャーを展開+打ち消しを構えるために大量のマナがなければ攻勢に出られなかったものだが、この青い機械巨人は瞬速と呪文の使いまわしによりとても安全に・隙無く、その気になれば6ターン目の終了時からゲームを終わらせにかかることができる。これがある限りは青いコントロールは死なない!と断言できるレベルだ。
このリストは《疑惑の裏付け》と《置き去り》が特徴的だ。どちらも重めだが、機械巨人でお代わりすることができれば莫大なアドバンテージをもたらしてくれることだろう。された側はたまったもんじゃない、手札次第では心が折れて投了も全然あるな。《置き去り》は自身の機械巨人に撃ち込んで除去を回避しつつさらなるアドバンテージに繋げる、なんていう荒業も可能。これは一度決めてみたいね。
10 《島》 4 《山》 4 《尖塔断の運河》 4 《さまよう噴気孔》 4 《霊気拠点》 -土地(26)- 4 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー(4)- |
4 《ショック》 4 《蓄霊稲妻》 4 《予期》 3 《否認》 2 《革命的拒絶》 4 《不許可》 1 《虚空の粉砕》 2 《電招の塔》 4 《天才の片鱗》 1 《粗暴な排除》 1 《疑惑の裏付け》 -呪文(30)- |
3 《竜使いののけ者》 4 《氷の中の存在》 3 《払拭》 1 《否認》 1 《光輝の炎》 1 《粗暴な排除》 2 《グレムリン解放》 -サイドボード(15)- |
続いては日本のシルバーレベル・プロプレイヤー井上徹のリストを見てみよう。Charles Wongのものとその内容に大差はない。こちらはより打ち消しの枚数を増やし、除去の枠には《ショック》を採用している。
プレイヤーにも撃ち込めるこのカードを使うことで、ダラダラせずにライフを削り切るプランや戦場に出てしまったプレインズウォーカーへの最低限の対処手段として用いるなど、純粋な除去として見た時に上回る《流電砲撃》に出来ない小回りが利くところが魅力である。
井上のリストでは《粗暴な排除》が輝いている。疑似打ち消しでありバウンスでもあり、クリーチャーとプレインズウォーカーに対する除去でもある。『戦乱のゼンディカー』発売からしばらくはその使い方がはっきりしないカードではあったが、この青赤のコントロールにてクリーチャーかプレインズウォーカーにダメージを与えながら《奔流の機械巨人》を手札に戻すという、まさしくブルータル(粗暴)な必殺技へと昇華された。これを機械巨人でガシガシ使いまわせば......勝ち負け関係なく気持ちいいヤツだ。
どちらのリストもそれぞれに呪文のチョイスに工夫が見られ、それぞれの気持ち良さがある。やっぱりコントロールは、捌ききった後にご褒美として与えられる爽快感がなきゃね。《奔流の機械巨人》がいるうちは、この頼れる巨人に甘えまくるのが吉!
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