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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Omni-Sneak(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Omni-Sneak(レガシー)
by 岩SHOW
《時を越えた探索》はその名の通り、過去へと遡るほど強力に作用する1枚だった。スタンダードではカードプール(使用可能なカードの範囲)が狭いため、十分強力ではあったが唱えれば勝ちというようなカードでもなかった。即ちカードプールが広がれば、その危険度が増すわけで。墓地を肥やしやすいモダン、そして特定のカードを発見できれば勝負アリなレガシーにおいてのこのカードの強さといったら......
特にレガシーでは、これが通ると即決着、というゲームが行われていた時期があった。「Omnitell」の時代だ。《実物提示教育》から《全知》を戦場に出し、そしてマナの支払いが不要になった《時を越えた探索》を唱える。コンボパーツが見つかればゲームオーバー、見つからなくても次の探索なり各種ドローなりでガンガンにライブラリーを掘っていけばまあまず見つかるのでゲームオーバー。本当に恐ろしいデッキだった。
今では《時を越えた探索》を用いることはできなくなり、相対的に「Omni-Tell」のデッキパワーは下がることとなったが......下がった分は何かしら他のもので上げることできるのがレガシー。「Omni-Tell」に《実物提示教育》を使用するもう1つのデッキを掛け合わせた、「Omni-Sneak」の降臨だ。
3 《島》 1 《山》 3 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 2 《汚染された三角州》 1 《溢れかえる岸辺》 3 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(19)- 3 《グリセルブランド》 3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(6)- |
3 《水蓮の花びら》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《定業》 2 《呪文貫き》 1 《狼狽の嵐》 1 《衝動》 4 《実物提示教育》 3 《狡猾な願い》 1 《直観》 3 《騙し討ち》 4 《意志の力》 3 《全知》 -呪文(35)- |
1 《狼狽の嵐》 1 《外科的摘出》 1 《紅蓮地獄》 1 《蟻の解き放ち》 1 《突然のショック》 1 《計略縛り》 3 《血染めの月》 1 《直観》 1 《コジレックの帰還》 1 《拭い捨て》 1 《裂け目の突破》 1 《火想者の予見》 1 《すべてを護るもの、母聖樹》 -サイドボード(15)- |
《実物提示教育》があれば何でもできる。8マナ以上のパーマネントが9枚なんて正気の沙汰ではないが、パーマネントを手札から直接戦場に送り出すこのソーサリーがあれば、こんな構築も可能なのだ。2つの《実物提示教育》デッキのハイブリッドということなので、まずは「Omni」要素から見ていこう。
「Omnitell」というデッキは、まず《全知》を実物提示する。なんでもマナを払わずに唱えられるようになったので、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を唱えて追加ターンを得つつ、滅殺6パワー15で殴って勝ち。これがわかりやすいルートではあるが、《罠の橋》などで攻撃を防がれるとこれでは勝てない。なので別の勝ち筋で......というよりもこっちを決めている姿をよく見るのだが、《狡猾の願い》を絡めてインスタントを連打して勝とうというもの。以下に動きを簡単に記すと......
- 《狡猾な願い》→サイドボードの《火想者の予見》を手札に
- 《火想者の予見》→デッキ内の《狡猾な願い》《渦まく知識》(おまけで《衝動》)をサーチ
- 《渦まく知識》→《全知》なりエムラクールなりをライブラリーの一番上に置く
- 《狡猾な願い》→《蟻の解き放ち》をサイドボードから手札に加える
- 《蟻の解き放ち》→対戦相手に1点のダメージを与え、ライブラリーの一番上のカードを公開。激突にまず勝利するはずなので、手札に戻った《蟻の解き放ち》を対戦相手のライフ分連打し勝利
フィニッシュが《蟻の解き放ち》という絵面は面白いが、相手にしているプレイヤーからするとタチが悪いにもほどがある。重いカードが手札にない場合は、ライブラリーからサーチするのを《エラダムリーの呼び声》にしてエムラクールを手札に加えると問題解決。対戦相手の妨害が厄介な場合も、それぞれクリーチャー・打ち消し呪文・パーマネント対策を持ってきて立ち向かえるという、臨機応変に動けるのもポイント。
続いて「Sneak」要素。こちらは「Sneak Show」と呼ばれるデッキで、《実物提示教育》にてお約束のエムラクールor《グリセルブランド》を展開して勝利するデッキだ。これらの怪獣を戦場に出す方法として《騙し討ち》を併用しているのが特徴だ。
速攻を持ったこれらのクリーチャーがどれだけ強力か、議論するまでもない。1マナでポンと出てきた《グリセルブランド》が7枚の手札を呼び込み、エムラクールと赤マナ源を見つければそれで対戦相手を葬り去れる。いとも容易く勝利を呼び込むこのコンボは、しばらくの間レガシーの最強デッキの座に君臨していた(後にOmniが主流に)。
《時を越えた探索》連打で勝利することが不可能となった現レガシー環境で、「Omnitell」ユーザーは、ドローソースとして・そして《騙し討ち》から別の勝ち筋となる《グリセルブランド》を用いることを選択した。こうして、両者の良いとこどりな「Omni Sneak」という禍々しいデッキが誕生したのだ。
勝ち手段が太く、そして複数あるコンボデッキというものは良いものだ。使用していると、どっちのコンボも決めることができるオーバーキル気味な手札になることも少なからずあるだろう。それぐらいわがままなデッキがあっても良いじゃないか。対戦相手の手札及び盤面によってプレイングの変化する「Omnitell」に、グリセルブランドさえ出せばなんとかなるという一本道「Sneak Show」の要素が加わったことで、プレイングの難易度は下がっている。パワーとパワーを絡めてねじ伏せる、レガシーの覇道を突き進むデッキ、グランプリ・千葉2016での活躍や如何に!?
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