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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ギフツ・デリリウム(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ギフツ・デリリウム(モダン)

by 岩SHOW

 このコラムが掲載される頃には2016年も無事に(?)ハロウィンを経て、11月に入っていることだろう。日本で無理やりハロウィンを流行らせようとする風潮がどうこうについては長くなるだろうから置いといて......僕にとってはこの季節はやはりホラー映画!「ハロウィン」一作目を観た時の衝撃は忘れられない。昔はロードショウでもちゃんとホラー映画をやってくれていて、ビビりながらも惹きつけられて見入っていたものだ。2年前に本場アメリカで「ハロウィン」再現お化け屋敷に入ったのだが......神出鬼没な殺人鬼に大の大人が震え上がったものだ。全く予想していないタイミングでババーーンという演出、心臓に悪いけど大好き。

 そんな思想をマジックに持ち込んだかどうかは定かではないが、対戦相手に驚きをプレゼントするデッキを見つけたので紹介しよう。「ギフツ・デリリウム」だ!

Ferdinand Kaplan - 「ギフツ・デリリウム」
Pforzheim goes Modern! Vol. IX トップ8 / モダン (2016年10月23日)[MO] [ARENA]
2 《
1 《冠雪の島
1 《平地
1 《冠雪の平地
1 《
1 《冠雪の森
1 《
1 《神聖なる泉
1 《繁殖池
1 《湿った墓
1 《寺院の庭
3 《溢れかえる岸辺
2 《霧深い雨林
1 《吹きさらしの荒野
2 《天界の列柱
1 《秘教の門
1 《溢れかえる果樹園
1 《活発な野生林
1 《幽霊街
1 《地盤の際

-土地(25)-

2 《瞬唱の魔道士
1 《永遠の証人
1 《ヴェンディリオン三人衆
1 《神秘の蛇
1 《スラーグ牙
1 《黄金牙、タシグル
1 《大修道士、エリシュ・ノーン
1 《エメリアの盾、イオナ

-クリーチャー(9)-
4 《流刑への道
4 《ウルヴェンワルド横断
3 《差し戻し
2 《突然の衰微
1 《壌土からの生命
2 《未練ある魂
1 《スゥルタイの魔除け
3 《けちな贈り物
2 《謎めいた命令
1 《審判の日
1 《至高の評決
1 《神の怒り
1 《堀葬の儀式

-呪文(26)-
1 《ヴェンディリオン三人衆
2 《ヴィズコーパの血男爵
1 《ザルファーの魔道士、テフェリー
2 《外科的摘出
3 《儀礼的拒否
2 《神聖な協力
1 《天界の粛清
2 《機を見た援軍
1 《未練ある魂

-サイドボード(15)-
mtgtop8.com より引用)

 赤以外の4色を用いた、モダンのコントロールデッキである。とりあえず、デッキリストが長い!ひたすらに1枚挿しのカードが多く......特に土地がここまで散っているデッキもそうそうない。

 デッキ名のギフツとはGifts、《けちな贈り物》のことを指す。

 このインスタントをアドバンテージの肝として据えたコントロールデッキは、日本では昔から「けちコントロール」と呼ばれ、登場時から愛され続けていた。デリリウムは昂揚のことで、このデッキは即ち「けち昂揚」。まあ昂揚と言っても、その能力を持ったカードは《ウルヴェンワルド横断》しか入ってはいないが......デッキ名はカッコよさ重視ってことで!「けち横断」もなんか愛嬌あるけどね。

 コントロールデッキなので、序盤の動きは静かなものだ。淡々と土地を置いて、対戦相手が展開してきたパーマネントを除去したり、呪文を打ち消したりしてやりたいことをさせない。《けちな贈り物》を用いて危機を脱するカードを手に入れても良い。そのために《神の怒り》《審判の日》《至高の評決》と同じ役割のカードが散らして採用されている。土地の1枚挿し祭りもこれが理由で、《平地》《冠雪の平地》と同じ役目で名が異なるというカードを複数枚採用するのがけち系コントロールデッキの基本だ。

 また、けちと相性抜群なカードが《壌土からの生命》だ。土地に依存したコンボデッキ相手には特に強力で、これと《幽霊街》《地盤の際》を持ってくると「トロン」や5色型の「ヴァラクート」は悶絶すること間違いなし。

 相手の攻めを捌きながらも、隙を見せたその刹那。このデッキは牙を剥く。対戦相手のターンエンドに《けちな贈り物》を唱える。サーチしてくるカードは《堀葬の儀式》+対戦相手に合わせたクリーチャー。「親和」や「感染」、《秘密を掘り下げる者》などのクリーチャーを用いるデッキ相手には《大修道士、エリシュ・ノーン》、「バーン」のような単色に近い構成のデッキや特定のキーカードを封じることで機能不全に陥るコンボデッキ相手に《エメリアの盾、イオナ》をそれぞれサーチする。

 《けちな贈り物》は「最大」4枚のカードをサーチし、そこから対戦相手が選んだ2枚が墓地に置かれ、残りが手札に入る。ここで2枚だけカードを持ってくると、対戦相手はその2枚を選ぶしかなく、確実に墓地に落ちるというわけ。上記のように2枚サーチしたら、続くターンで《堀葬の儀式》をフラッシュバックし、特定のデッキを完封するクリーチャーを釣り上げてゲームを終わらせる、というわけだ。もちろん、ライフがピンチなら《スラーグ牙》を持ってきたりとそのあたりは臨機応変に。

 このけちリアニメイトコンボ自体は以前よりモダンにて存在していた。これと《ウルヴェンワルド横断》を併せることで、序盤にけちを使ってしまっても1枚挿しのフィニッシャーにアクセスしやすくなる。イオナはさすがに重いが、エリシュ・ノーンならまだ素出しすることも可能だし、それを狙う場面もあることだろう。《けちな贈り物》というカードの特性上、墓地は肥やしやすく昂揚の達成も容易なはずだ。

 こういうオールスターデッキは、回すたびにさまざまな顔を見せてくれるのが面白いところだ。即ち、デッキの動きが安定していないということでもあるんだけども......もっとギミックを搭載して、対戦相手を翻弄する構成にするのも面白いだろう。《約束された終末、エムラクール》を試してみるのもアリ。

 《けちな贈り物》はぜひ一度は唱えてほしいカードだ。日本をはじめ、世界中のプレイヤーに愛されたこのカードを知らずにマジック人生を送るのはただただ損!

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