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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:セレズニア対立 & Greater Gift(過去のスタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:セレズニア対立 & Greater Gift(過去のスタンダード)
by 岩SHOW
何度も述べているが、『イニストラードを覆う影』発売後のスタンダード環境は「緑白トークン」がその頭から最後まで駆け抜けた。昔からマジックをやっているプレイヤーからすると、この緑と白という色はマジックの黎明期から今日まで、定期的に活躍する2色の組み合わせである。
「アーニーゲドン」から始まるその系譜、僕の中で最も印象に残っているのは......やはりこのデッキかな。世界選手権2005で森勝洋が日本人初の世界王者に輝いたデッキだ。
5 《森》 1 《平地》 4 《寺院の庭》 4 《低木林地》 4 《セレズニアの聖域》 1 《先祖の院、翁神社》 4 《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー》 -土地(23)- 3 《ラノワールのエルフ》 1 《極楽鳥》 4 《セレズニアのギルド魔道士》 4 《ウッド・エルフ》 4 《ロクソドンの教主》 3 《空を引き裂くもの、閼螺示》 3 《北の樹の木霊》 2 《明けの星、陽星》 -クリーチャー(24)- |
3 《真髄の針》 3 《梅澤の十手》 2 《夜明けの集会》 3 《制圧の輝き》 2 《火花の結実》 -呪文(13)- |
2 《木彫りの女人像》 3 《塵を飲み込むもの、放粉痢》 1 《北の樹の木霊》 1 《種子生まれの詩神》 2 《明けの星、陽星》 2 《帰化》 1 《木霊の手の内》 2 《よりよい品物》 1 《神の怒り》 -サイドボード(15)- |
英語圏では「ガジーグレア」とも呼ばれた、「セレズニア対立」デッキだ。《ラノワールのエルフ》《ウッド・エルフ》でマナを伸ばし、《ロクソドンの教主》《北の樹の木霊》のような中型クリーチャーで殴るビートダウンデッキではあるが、そのデッキ名にもあるように《対立》を中核としていたデッキを彷彿とさせる《制圧の輝き》によるロック要素を備えている。
《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー》と《セレズニアのギルド魔道士》らは、マナはかかるが1/1の苗木トークンを生み出してくれる。これらのトークンは非力だが、これを《制圧の輝き》の起動コストに用いることで、どんなサイズのクリーチャーでも封じてしまうことが出来る。そうやって縛り上げてしまえば、後は上述のクリーチャーで殴って勝つ。当時のビートダウンの嗜み、《梅澤の十手》があれば小さなエルフや苗木でも十分にデッドリー。
これらのカードや、他のエンチャントなどにも対抗するためにメインから《火花の結実》が投入されている。これにより生まれる苗木トークンもまた、輝きや十手と相性がいいね。
また、同じくサイドカードっぽい《空を引き裂くもの、閼螺示》も目を引く1枚だろう。これは、当時マナクリーチャー経由で2ターン目に登場し猛威を振るっていた《惑乱の死霊》や、このカード1枚で戦況を捲り返すフィニッシャーの象徴《曇り鏡のメロク》などに対処できるカードとしてこのデッキでは重用されていた。魂力という起動型能力にはなかなか対処しづらいし、戦場に出ても5/5とデカいのもナイス。
このデッキのポイントは、《制圧の輝き》ロックが効かない相手・即ちコントロールに対してはサイドボードにそれらと丸ごと交換するパッケージがある点。《明けの星、陽星》の追加分と《よりよい品物》がそれだ。
《よりよい品物》を置いて陽星をこれの生け贄に捧げると、カードを5枚引いて3枚捨て、対戦相手のパーマネントを5つタップしたうえで次のアンタップ・ステップを飛ばしてしまうことができる。これでコントロールデッキのマナを縛り上げて、行動不能状態のうちにこっちは好き放題やっちゃおうというわけだ。これと《塵を飲み込むもの、放粉痢》などにも対処しなければならないのだから、コントロール側からすれば地獄である。また、対戦相手がこのロックコンボを狙ってきても無事にパーマネントをアンタップするために《種子生まれの詩神》が搭載されているのもニクい。
この《明けの星、陽星》+《よりよい品物》のロックコンボを軸に据えたデッキも存在していた。これら緑白中心のデッキは「Greater Good」と呼ばれていたが、これと《けちな贈り物》によるサーチ戦略がウリの「けちコントロール」をハイブリッドさせたものが、この世界選手権2005で森勝洋と「セレズニア対立」の前に立ちふさがった。後のプロツアー殿堂顕彰者であるフランク・カーステン/Frank Karstenの操る「Greater Gift」だ。
4 《森》 3 《平地》 3 《沼》 1 《島》 2 《寺院の庭》 2 《低木林地》 2 《草むした墓》 1 《湿った墓》 1 《先祖の院、翁神社》 1 《死の溜まる地、死蔵》 2 《氷の橋、天戸》 1 《嘆きの井戸、未練》 -土地(23)- 4 《桜族の長老》 1 《初めて苦しんだもの、影麻呂》 4 《明けの星、陽星》 2 《夜の星、黒瘴》 -クリーチャー(11)- |
3 《師範の占い独楽》 1 《回収》 3 《御霊の復讐》 2 《遥か見》 1 《最後の喘ぎ》 4 《木霊の手の内》 1 《化膿》 1 《喚起》 4 《神の怒り》 3 《けちな贈り物》 3 《よりよい品物》 -呪文(26)- |
1 《花の神》 1 《落葉の道三》 1 《ロクソドンの教主》 1 《曇り鏡のメロク》 1 《鬼の下僕、墨目》 4 《防御の光網》 1 《最後の喘ぎ》 1 《魂無き蘇生》 1 《死の否定》 1 《引き裂く蔦》 1 《頭蓋の摘出》 1 《忌まわしい笑い》 -サイドボード(15)- |
よりよい陽星ロックコンボを決めたら、それを相手が泣くまで辞めないという意志があふれるカードチョイス。《回収》《喚起》で拾ってよし、《御霊の復讐》で釣り上げてよし。陽星だけでなく《夜の星、黒瘴》をグルングルンさせることで相手のライフを一瞬で吸い尽くすこともできる。これらのパーツを《けちな贈り物》でサーチしてくる、テクニカルなデッキだ。
《よりよい品物》と《明けの星、陽星》の組み合わせは現在のモダンでも用いることが可能だ。今のところそれを押し出したデッキは出てきてはいないが、使ってみると案外強いのかも? 《よりよい品物》以外にもマナを使わない生け贄手段は増えたので、何かデッキが作れそうな予感はするんよなぁ......後は皆に任せた!
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