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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:鐘突きのズルゴ(デュエルコマンダー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:鐘突きのズルゴ(デュエルコマンダー)
by 岩SHOW
盛者必衰。マジックプレイヤーはこの四字熟語を身をもって体感している。どんなに強力な、それこそ支配的になってしまったデッキも、スタンダードのローテーションには抗えない。この4月にも、《包囲サイ》《カマキリの乗り手》や各種フェッチランドにより成立していた環境の2大巨頭「アブザン・アグロ」「ダーク・ジェスカイ」がスタンダードを去っていった。
この良い意味の無常さこそがスタンダードの魅力でもある。例えば、キーカード《アタルカの命令》を有しながらも衰退した「アタルカ・レッド」。《僧院の速槍》《軍族童の突発》《乱撃斬》などを失ったのは手痛く......《強大化》《ティムールの激闘》コンボももうそこにはなく......無念なり。一人残された《鐘突きのズルゴ》、以前は1ターン目に出てくるクリーチャーの代名詞だったのに、仲間が去った今は......。
ここで彼の所属する氏族の龍王・コラガンに発破をかけられたのかはわからないが、ズルゴは次なる戦場を求めることにした。スタンダード以外にも、自分が輝ける場所はある。1マナ2/2で伝説のクリーチャー。この特性を最も活かせるのは......統率者戦だ。新旧様々なカードが飛び交うなんでもアリの戦場だが、デッキに同名カードは1枚までという縛りがある。ゆえに速攻系のデッキは組みにくいのだが......いつでも手札にあるかのように唱えられる統率者にズルゴを指定してしまえば、1ターン目のアクションは確約されているし、後半引いて弱い1マナクリーチャーをデッキに採用せずに済む。素晴らしいッ!
ズルゴはこのフォーマットの元、サルカンにより変更された歴史ではたどり着けなかった玉座・カンの地位を目指して、ここに軍を立ち上げた!
37 《山》 -土地(37)- 1 《ゴブリンの先達》 1 《ケラル砦の修道院長》 1 《灰の盲信者》 1 《大歓楽の幻霊》 1 《燃えさし運び》 1 《ゴブリンの戦煽り》 1 《流血の家の鎖歩き》 1 《激憤の巫師》 1 《ケルドの匪賊》 1 《マルドゥの斥候》 1 《泥騒ぎの群勢》 1 《ファイレクシアの破棄者》 1 《無謀な歓楽者》 1 《炎歩スリス》 1 《斑点の殴打者》 1 《嵐血の狂戦士》 1 《松明の悪鬼》 1 《谷を駆ける者》 1 《戦名を望む者》 1 《ボール・ライトニング》 1 《チャンドラのフェニックス》 1 《炎跡のフェニックス》 1 《ゴブリンの熟練扇動者》 1 《地獄の雷》 1 《精神灼き》 1 《ミノタウルスの頭蓋断ち》 1 《瘡蓋族の狂戦士》 1 《罰する者、ゾーズー》 1 《焦熱の火猫》 1 《火炎舌のカヴー》 1 《地獄乗り》 1 《オキシド峠の英雄》 1 《ケルドのチャンピオン》 1 《溶岩の猟犬》 1 《雷破の執政》 -クリーチャー(35)- |
1 《稲妻の連鎖》 1 《骨断ちの矛槍》 1 《粗暴な力》 1 《噴出の稲妻》 1 《尖塔の源獣》 1 《稲妻》 1 《タイタンの力》 1 《ミシュラのアンク》 1 《火葬》 1 《稲妻の一撃》 1 《発展の代価》 1 《紅蓮光電の柱》 1 《灼熱の槍》 1 《火山の鎚》 1 《硫黄の流弾》 1 《黒焦げ》 1 《極上の炎技》 1 《裂け目の稲妻》 1 《呪文ショック》 1 《よろめきショック》 1 《硫黄の渦》 1 《からみつく鉄線》 1 《焦熱の合流点》 1 《槌のコス》 1 《魔力のとげ》 1 《火炎破》 1 《炎の投げ槍》 -呪文(27)- |
というわけで統率者戦・デュエルコマンダーで使用可能な《鐘突きのズルゴ》デッキを紹介しよう。サンプルとしてご覧いただいているのはフランスのデュエルコマンダーのトーナメントで上位入賞したデッキリストだ。デュエルコマンダーとは1対1で戦う統率者の派生フォーマットで、使用を禁止されているカードにも若干の差がある。そもそもライフ30点を削ればOKというデュエルコマンダーだからこそ赤単速攻が組めるのであって、40点の相手を3人倒さなければならない統率者戦ではまた少し形が変わってくる部分はあるかと思うが......
その辺りの改造案はまた後ほど話すとして、このデッキの解説を......って必要かな?1ターン目ズルゴ、2ターン目3ターン目とクリーチャーを出して殴る・焼く・殴る!以上......ですなぁ。統率者系のフォーマット特有の、アーティファクト破壊に関するカードはクリーチャーのみに抑えられ、呪文はすべて火力およびそれに準ずるダメージソースにまとめ上げられ、純粋に速度を追求した形となっている。
統率者系のフォーマットと言えばコンボだ。ハイランダー・1枚挿しのみでデッキを作るというルールの下では、それを妨害するよりもサーチ系の呪文・能力を使用してコンボパーツをかき集める方が手っ取り早く確実性も高く、決まれば勝利できる。やりたいことを押し付けたもん勝ちの環境において、このデッキは真面目にダメージでライフを削ろうとする気概が美しい。そして、クリーチャーたちがダメージソースでありながらそれらのコンボデッキに対する阻害役を担っているのが好いたらしく。《ファイレクシアの破棄者》《斑点の殴打者》《灰の盲信者》《大歓楽の幻霊》《瘡蓋族の狂戦士》などのクリーチャーが、対戦相手のライフとアクションの両方を締め付けていく!
こういう攻防一体クリーチャーは増やそうと思えば他にも見つかりそうなので、中途半端な打点のクリーチャーは入れ替えてしまっても良いだろう。《月の大魔術師》とかね。《放浪の吟遊詩人、イーサーン》が統率者指定禁止カードとなったことで、多色のデッキも増えてきた今ならそこそこ活躍するのでは。
また、せっかくの1マナ統率者であるので、3マナ以下のカードのみが使用できる統率者の亜種「タイニーリーダーズ」仕様のデッキを作っても良いかもしれない。軽いカードしかないのであれば、赤のクリーチャーがサイズ負けすることも減ってグッと戦いやすくなることだろう。
統率者系の戦場で今後活躍しそうなズルゴ、スタンダードで良いデッキが組めなかったら、いっそ彼を主役にしたデッキで遊んでみるのも良いかもね!
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