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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:緑黒エルフ(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:緑黒エルフ(スタンダード)
by 岩SHOW
「青緑覚醒」に続き、今回もプロツアー地域予選(RPTQ)参加デッキから面白そうなものをピックアップ!「バント中隊」「4色ラリー」「赤黒ドラゴン」といった多数のプレイヤーをTOP8に送り出すデッキもあれば、使用者が全世界でも1名だったんじゃないかと思うようなデッキも勝ち名乗りを上げている。これぞマジックの魅力だ。そして今日紹介する1枚は......一言で表すなら「殺傷本能」。獲物を牙にかけることを突き詰めた結果たどり着いた、そんな殺意に溢れたデッキがこれだ。
9 《沼》 8 《森》 4 《ラノワールの荒原》 -土地(21)- 4 《節くれ根の罠師》 4 《茨弓の射手》 4 《獣呼びの学者》 4 《ドゥイネンの精鋭》 4 《エルフの幻想家》 4 《群れのシャーマン》 3 《光り葉の将帥、ドゥイネン》 2 《森の伝書使》 1 《光り葉の選別者》 -クリーチャー(30)- |
4 《忌呪の金切り声》 4 《集合した中隊》 1 《残忍な切断》 -呪文(9)- |
4 《強迫》 3 《進化の飛躍》 3 《自傷疵》 2 《究極の価格》 3 《眼腐りの虐殺》 -サイドボード(15)- |
イギリスはシェフィールドで行われたRPTQでLian Pizzeyが使用し、スイスラウンドを6位で突破した「緑黒エルフ」。
対戦相手のライフを削ることにのみ特化した構成・戦術を日本のマジックプレイヤーたちは「殺意」と表現することがある。「今日のデッキは殺意が足りなかった、《僧院の導師》よりも《カマキリの乗り手》を使うべきだった」とか、こんな具合に用いる。その殺意が爆発しているのがこの「緑黒エルフ」で、目指すことはマナ・コストの軽い順にエルフを展開し、ライフを削る、以上ッ!......と一口に言ってしまえるが、このデッキが目指すライフの削り方には実は2種類のアプローチがある。
1つ目は、殴る。1ターン目《茨弓の射手》、2ターン目《ドゥイネンの精鋭》と、早いターンからエルフを複数展開して、真っすぐに攻めて行く。このエルフたちのパワーを《光り葉の将帥、ドゥイネン》で上昇させて押し切れれば理想的。
この手のデッキは息切れが最大のネックだったりするが、エルフの頭数を増やしつつ後続のために手札を補充してくれる《エルフの幻想家》《森の伝書使》がそれを解決。《節くれ根の罠師》が「接死」を与えてくれるため、小粒のエルフでも殴りに行きやすいのは大きい。
ただ、対戦相手がクリーチャーを複数展開してきた場合、ピタっと攻撃の手が止まってしまうことも。というか現在のスタンダードは「4色ラリー」「バント中隊」と、このエルフよりもサイズで勝るクリーチャーを複数展開してくるデッキが多いため、殴りに行けるゲームの方が少ないことだろう。そこでもう1つの殺意の表現方法「クリーチャーの数だけライフを失わせる呪文&能力」が重要になってくる。
モダンのエルフデッキにも採用され、ポンと飛び出てドカンとライフを奪う《群れのシャーマン》があるからこのデッキが成立している、と言っても過言ではない。このエルフの数だけ相手のライフを削るシャーマンは、《集合した中隊》から2体同時に現れて突然死を演出したりする。
このシャーマン4枚では殺意が足りないと見たか、Lianは攻撃クリーチャーの数だけ相手のライフを失わせる《忌呪の金切り声》も4枚デッキに投入。一見有象無象のエルフ達が殴ってきたので適当にブロック指定したら、予想もしなかったこのカードでライフを大幅に減らされて敗北......というシーンが多々見られたことだろう。シェフィールドのRPTQ会場で最も「何ですかそのカード?」「テキスト見てもいいですか?」と対戦相手に言わせたカードはこれに違いない。
紹介するにあたって、まずはこのデッキをコピーして一人回しを複数回行ってみたが......このカードは安定して5点以上のライフを失わせることができる。これ1枚でゲームが決まるわけではないが、《群れのシャーマン》と併せて8枚あればゲーム中に2枚は引くことができるだろう。他のデッキでは味わえない飛び道具の爽快感が味わいたければ、このデッキがオススメだ。
エルフが1体も収録されていない『タルキール覇王譚』『運命再編』がスタンダード環境から去っても何も失うものがないのは良い。良いのだが......イニストラードにも、エルフは生息していないんだよなぁ......全世界のエルフフリークよ、この恨みを殺意に変えて、今こそ叩き付けろ!
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