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市川ユウキの「プロツアー参戦記」
市川ユウキの「プロツアー参戦記」 プロツアー『破滅の刻』 前編
市川ユウキの「プロツアー参戦記」 プロツアー『破滅の刻』 前編
こんにちは! チーム「武蔵」の市川です。
今回も前回のプロツアー『アモンケット』(前編、後編)に引き続き、プロツアー『破滅の刻』への調整記/大会レポートを綴っていこうと思います。よろしくお願いします。
前回のプロツアー『アモンケット』では10勝6敗と平々凡々な成績で、その後のグランプリ連戦も、
- グランプリ・神戸2017(モダン) 11勝4敗 プロポイント2点
- グランプリ・マニラ2017(スタンダード) 10勝5敗 プロポイント1点(※キャップ制により加点なし)
- グランプリ・シドニー2017(チームリミテッド) 9勝3敗1分 プロポイント0点
どれも突出した結果は残せず、加点は2点止まり。
プロツアー『アモンケット』後の所持プロポイントは38点。
グランプリ・神戸で得た2点を含めると40点となりますが、目標はプラチナレベル到達となる52点。
プロツアーでのプロポイントの配分を見てみますと、
- マッチポイント36点(12勝4敗) プロポイント15点
- マッチポイント33点(11勝5敗) プロポイント10点
詰まるところ38点でも40点でも、求められるプロツアーでのボーダーは12勝4敗。
グランプリであと2点加点して42点にしておけばプロツアーでのボーダーがひとつ(11勝5敗)下がりますが、そこにはグランプリキャップが立ちはだかります。
- グランプリ・京都2016(チームリミテッド) 優勝 プロポイント6点
- グランプリ・クアラルンプール2016(スタンダード) トップ4 プロポイント5点
- グランプリ・広州2016(モダン) 12勝3敗 プロポイント3点
- グランプリ・静岡2017春(スタンダード) 12勝3敗 プロポイント3点
- グランプリ・千葉2016(レガシー) 11勝4敗 プロポイント2点
- グランプリ・神戸2017(モダン) 11勝4敗 プロポイント2点
下限を2点で、上限の6つを埋めているグランプリキャップ。
この状態でプロポイント2点の追加をグランプリで行おうとすると、下限の2点を追い出しつつということになりますから、プロポイント4点=トップ8が必要になります。
グランプリでのトップ8となると、例えば日本のグランプリであれば13勝2敗が求められます。
どれだけ高い勝率を誇るプロプレイヤーであったとしても60%代後半であるこのゲームで、それを期待してトーナメントに臨むのは、いささかしんどさもあります。
実際トップ8を求めて神戸、マニラ、シドニーとグランプリを3連戦しましたが、とかく成果も出ず。
結局前回のプロツアー後からボーダーが変わらずプロツアーで12勝4敗がプラチナレベル到達には求められますが、それはプロツアーではほぼほぼトップ8級のライン。
目標設定としては高すぎるため、今回は「ベストを尽くす」を自分の胸に秘め、プロツアーへの調整を開始しました。
0.発売前
いつも通り、発売前に全カードが公開されたところから調整が始まります。
まずは私がカードリストを見た雑感から。
《ギデオンの敗北》では《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は敗北しません。
九割九分の場面で《次元の浄化》。
6 《島》 6 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 2 《アゾリウスのギルド門》 1 《天啓の神殿》 1 《凱旋の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(26)- -クリーチャー(0)- |
4 《急かし》 1 《不死の霊薬》 4 《アゾリウスの魔除け》 2 《今わの際》 2 《中略》 4 《解消》 3 《予言》 4 《至高の評決》 3 《次元の浄化》 4 《スフィンクスの啓示》 3 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(34)- |
4 《ニクス毛の雄羊》 2 《テューンの大天使》 2 《払拭》 2 《反論》 2 《今わの際》 1 《神討ち》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
プロツアー『マジック2015』を制した「青白コントロール」のような重コントロールが組めるかも?
平成生まれの《台所の嫌がらせ屋》。
唱えて3マナ、永遠が4マナと、除去されてもテンポ良く永遠できるのが素晴らしい。
通常プレイで2ドロー・2ディスカード。
永遠で戦場に出すと4ドロー・2ディスカードとアドバンテージの獣。
ドレッジ・デッキが強化?
ほう......(大体)《反論》ですか。
対青系コントロールにおいては各種打ち消し、《天才の片鱗》に加えて《奔流の機械巨人》も対処できるためバランスが良い。
戦場に出た時にも《もみ消し》してくれ~(強すぎ)
カウンター特有の「構えたら相手が察して動いてこなかった」などのラグりを解消してくれる良い呪文。《奔流の機械巨人》で適当に対象に取ってもまぁまぁな働きをするのもGood。
なぜ伝説なのか。
《ジュワー島の報復者》と組み合わせると1マナで3/3飛行のボディと《嘘か真か》が唱えられますよ。(テキストを読む)
いっぱいクリーチャータイプと能力が付いたクリーチャー。
相手に呪文1回は唱えられるとして、大体4/4くらいでブロックしづらい能力が付いているという印象。
日本語では「アムムト」と訳されていますが、英語では「Ammit」。正しい発音が気になる!
今回レアでサイクル化されている「超督励」を持つ全体除去。
全体除去の返しにクリーチャーを展開されると土地が起きないためまさに手も足も出ない状態なのが気になる。けど多分構築級。
手札破壊モードとエディクト(《悪魔の布告》)モードを持った呪文。
どちらも追放なのが安心設計。《ゴブリンの闇住まい》で連打したい!
機体をTier1から引き下げる!との噂のカード。
除去を構えていたら《キランの真意号》を出されて一手損した!という事態を防げて素晴らしい。これで2マナなんてお買い得!
プレインズウォーカーにも当たる全体除去。
これでにっくき《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》もイチコロ!
基本土地に制限されないマナ加速カード。
これで《見捨てられた神々の神殿》を2枚持ってくる→土地を置いて10マナ→《絶え間ない飢餓、ウラモグ》→Winの方程式。
2枚目も砂漠土地を持って来てトークンを呼んで腐りづらく、ランプデッキを成立させる1枚。
私、こういうアドバンテージを生み得る緑のクリーチャーが......大好きなんですよねぇ......。
青赤コントロールにタッチするとか巷で言われていますが、《奔流の機械巨人》だけで十分だろうと思っていました。
能力は強力だが、サイド後《否認》や《ジェイスの敗北》などに引っ掛かりやすく、評価が難しい1枚。
《二股の稲妻》。
最大0マナ4/4! 可能性は無限大!
使うには下準備が必要だが、プレイできたらマナ効率が良く、強力なミシュラランド。
ざっくりとこんな感じ。
全体的に『破滅の刻』はスタンダードで可能性のあるカードが多く、環境をガラリと変えそうだなといった印象。
特に《至高の意志》、《削剥》、《破滅の刻》を得た青赤コントロールは、大幅強化されました。
1.発売週
白青モニュメント
9 《平地》 4 《島》 4 《大草原の川》 4 《港町》 1 《灌漑農地》 3 《ウェストヴェイルの修道院》 -土地(25)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《ハンウィアーの民兵隊長》 4 《無私の霊魂》 4 《往時の主教》 4 《呪文捕らえ》 4 《雲先案内人》 -クリーチャー(24)- |
4 《オケチラの碑》 2 《金属の叱責》 2 《停滞の罠》 3 《黄昏 // 払暁》 -呪文(11)- |
2 《敏捷な妨害術師》 3 《賞罰の天使》 2 《断片化》 3 《否認》 2 《停滞の罠》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
《霊気池の驚異》禁止後の前環境スタンダードにおいて、環境の覇者であった「白青モニュメント」。
恒例の新環境一発目の大会となるSCGオープンにてトップ8に2人送り出す活躍ぶり。
《オケチラの碑》を軸にクリーチャー中心に構成されたミッドレンジデッキで、《往時の主教》、《呪文捕らえ》などのマスト除去クリーチャーや、《雲先案内人》、《スレイベンの検査官》などのアドバンテージクリーチャーなど、白を絡めた優秀なクリーチャーで固めています。
アドバンテージ勝負では右に出るデッキは存在せず、古の「ソウルシスターズ」のようなタフさを持っています。
その他、《ハンウィアーの民兵隊長》や《ウェストヴェイルの修道院》などで急戦を仕掛けることもでき、ミッドレンジデッキらしく、柔軟でバランスの良いデッキと言えます。
『破滅の刻』からの新カードはサイドボードに入っている《敏捷な妨害術師》だけ。
白青モニュメントは基本的にはロングレンジのゲームをする(ミッドレンジデッキなのに)デッキなので、《コジレックの帰還》や、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》などの誘発型能力はまくられる要因となります。
そこを《敏捷な妨害術師》でしっかりカバー。もちろん普通にクリーチャーとして唱えることも可能なので、勝ちに行ける場面では積極的に出していけるのも良いですね。
青赤コントロール
9 《島》 5 《山》 4 《尖塔断の運河》 4 《さまよう噴気孔》 4 《霊気拠点》 -土地(26)- 4 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー(4)- |
1 《マグマのしぶき》 4 《検閲》 4 《蓄霊稲妻》 3 《削剥》 2 《予期》 2 《本質の散乱》 2 《否認》 4 《至高の意志》 2 《焼けつく双陽》 1 《不許可》 4 《天才の片鱗》 1 《破滅の刻》 -呪文(30)- |
4 《氷の中の存在》 1 《周到の神ケフネト》 2 《マグマのしぶき》 3 《ジェイスの敗北》 2 《否認》 1 《本質の散乱》 1 《焼けつく双陽》 1 《破滅の刻》 -サイドボード(15)- |
知る人ぞ知るMagic Onlineグラインダー(MOで有名な人)、Jaberwockiは新環境一発目のMOPTQ(SCGオープンと同日開催でした)では「青赤コントロール」を使用していました。
前述した《至高の意志》、《削剥》を投入した形で、《ヒエログリフの輝き》を入れていない古典的な形をアップデートしています。
サイドボードに《ジェイスの敗北》を3枚取るなど、同型戦を強く意識した構成と言えます。
ただ、『破滅の刻』の目玉カード(というかエキスパンション名そのもの)である《破滅の刻》より《焼けつく双陽》を優先して採用している点がポイントでしょう。
青赤コントロールは、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》などのプレインズウォーカーが着地してからでは対処しづらいデッキなので、自分都合で考えれば、《破滅の刻》が優先して採用されているのが自然です。
ここには、次に紹介するデッキがMOで爆発的に流行っていたことが起因します。
赤単アグロ
13 《山》 4 《ラムナプの遺跡》 4 《陽焼けした砂漠》 -土地(21)- 4 《ボーマットの急使》 4 《ファルケンラスの過食者》 4 《村の伝書士》 4 《地揺すりのケンラ》 3 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》 4 《アン一門の壊し屋》 2 《エルドラージの寸借者》 2 《熱烈の神ハゾレト》 -クリーチャー(27)- |
3 《激情のカルトーシュ》 2 《ショック》 4 《焼夷流》 3 《激情の試練》 -呪文(12)- |
1 《アクームの火の鳥》 2 《栄光をもたらすもの》 2 《マグマのしぶき》 3 《削剥》 2 《カーリ・ゼヴの巧技》 3 《反逆の先導者、チャンドラ》 1 《海門の残骸》 1 《山》 -サイドボード(15)- |
《地揺すりのケンラ》や《アン一門の壊し屋》などの与しづらい速攻クリーチャーを中心に攻め立てる赤単アグロ。
特に『破滅の刻』で加入した《地揺すりのケンラ》は強力で、序盤はブロック不可能力でライフを詰めるクリーチャーとなり得ますし、後半は墓地から永遠で戻って来てフィニッシャーと変貌します。
また、1ターン目に展開しておくと、絶大なアドバンテージを生む可能性がある《ボーマットの急使》、ポテンシャルは十分だったがイマイチ使われていなかった《熱烈の神ハゾレト》など、クリーチャー陣も充実。
また、これがこのデッキを成立させている根幹だと思われる《ラムナプの遺跡》。
序盤はクリーチャーでライフを詰め、終盤は火力で詰めるのが赤単アグロの基本ですが、それを土地が行ってくれるとは。
《陽焼けした砂漠》も。《ラムナプの遺跡》と組み合わせると《溶岩の撃ち込み》相当と、土地が与えるダメージ量とは思えません。
《ラムナプの遺跡》があれば残りライフ6点前後は十分に射程圏内であり、また呪文ではないため、妨害手段もほとんど存在しません。
これらの大幅強化により、トップ8には1人ではありましたが、トップ32まで見渡すとなんと10人も入っている躍進ぶりで、MOPTQでは台風の目となりました。
ここまでをまとめると、
- 前環境覇者、白青モニュメント健在。
- 順当強化、青赤コントロール。
- 環境最速、赤単アグロ。
といった様子で、これらのデッキを念頭に置いて調整がスタートされました。
2.調整
今回は前回と同じくチーム「武蔵」を中心に調整メンバーを結成。
チーム「武蔵」は2位と大差を付け首位を走っている状態ですが、前回渡辺さんと行弘さんを軸に大量加点した我がチームを考えると、それと同じことが他のチームで起きてもなんら不思議ではありません。
「絶対に1位で終わろう」を合言葉に、チーム「武蔵」全員で奮起します。
特に私と同じスポンサードプレイヤーである山本賢太郎さん、覚前輝也さんはともに11勝5敗でプラチナ、ゴールド・レベルに到達できるラインで、彼らの活躍が期待されます。
また、前回も参加してもらった原根健太さんにも今回も参加していただくことに。
彼は苦難を経てシルバー・レベルに到達した後で(筆者も自分のことのように応援していました)、どっしりと構えて調整できるでしょう。
調整メンバーとしても申し分なく、特にデッキをプレイしてのフィードバックが正確な印象。チーム「武蔵」メンバーからの評価(特に山本さん)も高く、調整に向けてのチーム「武蔵」での会議でも『とりあえず原根君は呼ぶか』みたいな感じで、「7人目の武蔵」の呼び声も高いです。(出処は不明です)
また今回から、高尾翔太さんと加茂里樹さんも調整に参加。
3 《平地》 1 《沼》 4 《神無き祭殿》 4 《神聖なる泉》 4 《湿った墓》 4 《静寂の神殿》 3 《欺瞞の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《万神殿の兵士》 3 《果敢なスカイジェク》 2 《威圧する君主》 1 《カルテルの貴種》 4 《リーヴの空騎士》 4 《ザスリッドの屍術師》 3 《冒涜の悪魔》 3 《幽霊議員オブゼダート》 -クリーチャー(24)- |
1 《破滅の刃》 1 《究極の価格》 4 《拘留の宝球》 2 《至高の評決》 2 《エレボスの鞭》 1 《遠隔 // 不在》 -呪文(11)- |
1 《ヴィズコーパの血男爵》 3 《思考囲い》 1 《無視》 3 《破滅の刃》 2 《否認》 1 《異端の輝き》 2 《地下世界の人脈》 1 《至高の評決》 1 《遠隔 // 不在》 -サイドボード(15)- |
12 《平地》 4 《戦場の鍛冶場》 4 《鋭い突端》 -土地(20)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《町のゴシップ屋》 3 《ドラゴンを狩る者》 3 《アクロスの英雄、キテオン》 2 《探検隊の特使》 4 《白蘭の騎士》 4 《サリアの副官》 3 《ケラル砦の修道院長》 2 《無謀な奇襲隊》 -クリーチャー(29)- |
3 《グリフの加護》 4 《石の宣告》 4 《永遠の見守り》 -呪文(11)- |
3 《ハンウィアーの民兵隊長》 2 《族樹の精霊、アナフェンザ》 1 《グリフの加護》 2 《絹包み》 2 《停滞の罠》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《平地》 -サイドボード(15)- |
高尾さんは構築グランプリで3回トップ8に入ったことがある強豪で、独創的なオリジナルデッキを構築することに定評があります。
特に環境トップメタまで躍進した「エスパー人間」、タッチ赤がこれ以降主流となる「白赤人間」は素晴らしいデッキで、高尾さんを発信源として、これらのデッキは世界に広まりました。
加茂さんはプロツアー『アモンケット』の前に行われたグランプリ・北京2017でトップ8に入賞、今大会の権利を得ました。
当初はテストプレイ時のスパーリングパートナー役を務めるとのことで加入しましたが、加入後も前述した赤単アグロに近い形のデッキを早くから構築したり、独創的な《王神の贈り物》デッキを構築して来たりと、デッキビルドの面でもチームの助けとなることになります。
高尾さんと加茂さんは元々チーム「武蔵」のメンバーと交流もあり、また行弘さんと同郷で旧知の仲とのことで、コミュニケーションの面でも問題ないでしょう。
またチーム「武蔵」には少ないアグロデッキ好きという面もあり、チーム「武蔵」では覚前さんと共同での調整が期待されます。
新メンバー2人を擁した調整チーム「武蔵」で調整がスタートされました。
3.試行錯誤
今回も集まって練習できる人は八十岡さんのお家、通称「ヤソルーム」に集合して練習。
僕のような平日都合がつかないプレイヤーや、山本さんのようにMagic Onlineの方が性に合うプレイヤーは、Magic Onlineで調整した感想をみんなに共有していきます。
既存の「青赤コントロール」、「赤単アグロ」、「白青モニュメント」、「マルドゥ機体」などはもちろん抑えながら、
20 土地
-土地(20)- 4 《光袖会の収集者》 4 《牙長獣の仔》 4 《歩行バリスタ》 4 《巻きつき蛇》 3 《立て直しのケンラ》 3 《ピーマの改革派、リシュカー》 2 《新緑の機械巨人》 -クリーチャー(24)- |
4 《霊気との調和》 3 《致命的な一押し》 2 《闇の掌握》 3 《立身 // 出世》 2 《悪戦 // 苦闘》 1 《木端 // 微塵》 1 不明 -呪文(16)- |
高尾さん作、《立身 // 出世》、《悪戦 // 苦闘》と新しい2枚の余波カードをフィーチャーした「ジャンド・エネルギー」だったり、
23 土地
-土地(23)- 4 《不屈の追跡者》 3 《ラムナプの採掘者》 1 《野生生まれのミーナとデーン》 2 《ギトラグの怪物》 1 《ゴブリンの闇住まい》 1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 1 《ムラーサの緑守り》 1 《害悪の機械巨人》 -クリーチャー(14)- |
4 《ウルヴェンワルド横断》 2 《致命的な一押し》 2 《マグマのしぶき》 4 《過去との取り組み》 2 《削剥》 2 《心臓露呈》 1 《餌食》 2 《破滅の刻》 2 《木端 // 微塵》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(23)- |
行弘さん作、《ラムナプの採掘者》と《ギトラグの怪物》で無限のアドバンテージ!な「ジャンド・ミッドレンジ」だったり、
24 土地
-土地(24)- 4 《ボーマットの急使》 4 《地揺すりのケンラ》 4 《屑鉄場のたかり屋》 2 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》 3 《アムムトの永遠衆》 3 《ピア・ナラー》 4 《熱烈の神ハゾレト》 -クリーチャー(24)- |
4 《ショック》 4 《焼夷流》 4 《無許可の分解》 -呪文(12)- |
覚前さん作、機体と赤単アグロの中間のようなデッキ、「赤黒アグロ」だったり、
8 《沼》 5 《山》 4 《泥濘の峡谷》 4 《凶兆の廃墟》 4 《燻る湿地》 1 《荒廃した湿原》 -土地(26)- 3 《ゲトの裏切り者、カリタス》 4 《ゴブリンの闇住まい》 -クリーチャー(7)- |
2 《マグマのしぶき》 4 《削剥》 4 《闇の掌握》 2 《精神背信》 4 《大災厄》 2 《焼けつく双陽》 2 《不帰 // 回帰》 4 《最後の望み、リリアナ》 3 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(27)- |
3 《豪華の王、ゴンティ》 1 《栄光をもたらすもの》 2 《マグマのしぶき》 2 《精神背信》 1 《心臓露呈》 1 《黄昏のピラミッド》 1 《本質の摘出》 1 《焼けつく双陽》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 1 不明 -サイドボード(15)- |
原根さん作、モードを選べる《削剥》と《大厄災》を《ゴブリンの闇住まい》で使いまわしてライバルに差を付けろ!な「赤黒コントロール」だったり、
4 《森》 1 《島》 2 《山》 4 《植物の聖域》 2 《伐採地の滝》 2 《獲物道》 3 《尖塔断の運河》 4 《霊気拠点》 -土地(22)- 4 《守られた霊気泥棒》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 4 《逆毛ハイドラ》 2 《蝗の神》 -クリーチャー(18)- |
4 《霊気との調和》 3 《マグマのしぶき》 4 《蓄霊稲妻》 4 《織木師の組細工》 1 《否認》 2 《慮外な押収》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(20)- |
八十岡さん作、アグロが多いなら《織木師の組細工》と《守られた霊気泥棒》でガッチリ!《逆毛ハイドラ》と《蝗の神》がゴールの「ティムール・エネルギー」など、意欲作もバンバン試されていきます。
3 《森》 2 《島》 2 《山》 4 《植物の聖域》 4 《霊気拠点》 1 《隠れた茂み》 2 《尖塔断の運河》 4 《進化する未開地》 1 《ウギンの聖域》 -土地(23)- 4 《機知の勇者》 4 《ならず者の精製屋》 2 《不屈の追跡者》 1 《ラムナプの採掘者》 2 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 1 《栄光をもたらすもの》 4 《老いたる深海鬼》 -クリーチャー(18)- |
2 《発生の器》 4 《蓄霊稲妻》 2 《過去との取り組み》 2 《巧みな軍略》 1 《削剥》 4 《コジレックの帰還》 4 不明 -呪文(19)- |
4 《森》 5 《沼》 4 《花盛りの湿地》 4 《風切る泥沼》 4 《進化する未開地》 2 《敵意ある砂漠》 -土地(23)- 4 《残忍な剥ぎ取り》 4 《森の代言者》 4 《不屈の追跡者》 2 《ラムナプの採掘者》 1 《精神壊しの悪魔》 1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 1 《ギトラグの怪物》 1 《害悪の機械巨人》 -クリーチャー(18)- |
4 《致命的な一押し》 4 《ウルヴェンワルド横断》 3 《発生の器》 4 《闇の掌握》 2 《不帰 // 回帰》 2 《最後の望み、リリアナ》 -呪文(19)- |
私は《ラムナプの採掘者》と《不屈の追跡者》の緑のアドバンテージクリーチャー2枚の虜。
《ウギンの聖域》+《ラムナプの採掘者》で《老いたる深海鬼》をおかわりできる「ティムール現出」だったり、
《敵意ある砂漠》を採用して、《ラムナプの採掘者》で伸ばした土地で殴り勝つ!な「緑黒ミッドレンジ」などを試していました。
調整中の雑感としては、
「赤単アグロ」強~い
前述した「赤単アグロ」ですが、見掛け倒しではなく、確かな実力を有していました。
サイドボード後の《反逆の先導者、チャンドラ》と《栄光をもたらすもの》も、わかっていながらも強力で、単色のアグロデッキでありながらサイド後も柔軟に戦うことができます。
間違いなく今大会のトップメタだろうと確信します。
「マルドゥ機体」の弱体化
やはり《キランの真意号》の信頼性が下がったことは、デッキの成立自体が怪しまれるレベルです。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》も赤単アグロの《地揺すりのケンラ》などで容易に対処されてしまい、デッキの2大エースの評価が軒並みダウン。
機体、プレインズウォーカーという多角的な攻めが攻略されてしまった以上、速いデッキは前述した「赤単アグロ」があるため、「マルドゥ機体」を手に取る理由は全くありません。
「青赤コントロール」に懐疑的
確かに強化された青赤コントロールですが、赤単アグロに相性最悪。
《焼けつく双陽》は赤単アグロに効果的に見えますが、現実はそこまででもなく。
ソーサリータイミングの全体除去は《立て直しのケンラ》や《アン一門の壊し屋》などの速攻クリーチャーが多く、ダメージを稼がれてからの対応となるためです。
また、《熱烈の神ハゾレト》は青赤コントロールにとって戦場に出てしまったらゲームエンド級のカードで、《破滅の刻》で対応できると言っても4マナの速攻クリーチャーに対して、5マナのソーサリータイミングのカードですから、それは最早戯言に等しく。
「好きな人は使うかもしれないけれど、自分たちは使うことはないだろう」という見解で一致。
緑系のミッドレンジは「白青モニュメント」との相性×
緑系のミッドレンジは私が回し続けていたのですが、どうにも白青モニュメントに歯が立ちません。
《オケチラの碑》も対処し損ねると一巻の終わりですし、《雲先案内人》などでゲームを長引かせてからの《黄昏 // 払暁》は必勝パターンならぬ必敗パターン。
《ウェストヴェイルの修道院》も辛いですし、白青モニュメントが環境にいる以上は緑系のミッドレンジは厳しいだろうという判断に。
「白青モニュメント」からデッキパワーは感じる。が......。
一方その「白青モニュメント」、デッキパワーは感じますが、追い風は感じません。
まず、新カードが本当に入らない。自分は前環境のままで、周りは新カードが入って強くなっている。それで勝てるわけがないのは道理でしょう。
また、これはマルドゥ機体の《キランの真意号》と同じですが、メインデッキ戦での《オケチラの碑》が対処されやすくなったのはネガティブな要素。
特にこのデッキの《オケチラの碑》は「マルドゥ機体」の《キランの真意号》と比べられない、対処されたらデッキが動かなくなるレベルのキーカード。
これらがメインから容易く処理されてしまう環境と考えると食指は伸びません。
4.新デッキの出現
チーム内での調整も佳境に差し掛かる中、とあるデッキがMOPTQ及びグランプリ併催のPTQに現れます。
白青・王神の贈り物
5 《平地》 4 《島》 4 《港町》 4 《大草原の川》 2 《灌漑農地》 4 《イプヌの細流》 -土地(23)- 4 《査問長官》 4 《スレイベンの検査官》 3 《霊廟の放浪者》 4 《機知の勇者》 4 《発明の天使》 3 《激変の機械巨人》 -クリーチャー(22)- |
4 《巧みな軍略》 4 《来世への門》 4 《復元》 3 《王神の贈り物》 -呪文(15)- |
1 《保護者、リンヴァーラ》 3 《虚空の選別者》 4 《払拭》 2 《断片化》 3 《石の宣告》 2 《没収の曲杖》 -サイドボード(15)- |
4 《平地》 5 《島》 4 《港町》 4 《大草原の川》 2 《シェフェトの砂丘》 4 《イプヌの細流》 -土地(23)- 4 《査問長官》 4 《スレイベンの検査官》 3 《霊廟の放浪者》 4 《機知の勇者》 4 《発明の天使》 3 《激変の機械巨人》 -クリーチャー(22)- |
4 《巧みな軍略》 4 《来世への門》 4 《復元》 3 《王神の贈り物》 -呪文(15)- |
3 《陽光鞭の勇者》 1 《保護者、リンヴァーラ》 4 《払拭》 1 《断片化》 3 《石の宣告》 3 《正気減らし》 -サイドボード(15)- |
「白青・王神の贈り物」。
それはリミテッドにおいて圧倒的ボムカードである《王神の贈り物》をフィーチャーしたデッキでした。
《査問長官》、《巧みな軍略》、《機知の勇者》などを用いて墓地を肥やし、《来世への門》を起動して《王神の贈り物》にアクセスしたり、またその過程で墓地に《王神の贈り物》が落ちるのであれば《復元》でリアニメイトします。
《激変の機械巨人》は《王神の贈り物》で釣って盤面をリセットすることも可能ですし、《復元》の2種類目の対象ともなります。
《発明の天使》は《王神の贈り物》の4/4クリーチャーとして釣り上げる能力と相性が良く、4/4に+1/+1カウンターを2個置いて、6/6飛行警戒絆魂速攻で序盤に先行されているであろうライフレースを一気にまくり返します。
この「白青・王神の贈り物」はMOPTQを1位フィニッシュ、またグランプリ併催のPTQでは惜しくも2位と、鮮烈なデビューを飾りました。
この結果を受けて調整チームでも早速試してみます。が......。
5.調整終盤
う~ん、実に微妙。
墓地への落ちに依存し、かつキーカードである《来世への門》や《復元》をしっかり必要ターンまでにドローしていなければならない。
また、それらを複数枚引いてしまうとそれはそれで事故のもとで......。
と、いかんせん安定しません。勝つ時は10:0で勝つけれど、負ける時は0:10で負ける。そんな印象。
「赤単アグロ」に相性が良いのかなと当初は思っていましたが、安定性の差で勝率は5割を切っていそう。
この感想は調整チームを大いに悩ませます。
「チーム内での感触は悪いが、このデッキを完成させた他のチームがプロツアーに持ち込むのではないか」と不安が募ります。
赤黒アグロ
6 《山》 7 《沼》 4 《凶兆の廃墟》 2 《燻る湿地》 1 《産業の塔》 4 《ラムナプの遺跡》 -土地(24)- 4 《ボーマットの急使》 4 《地揺すりのケンラ》 4 《屑鉄場のたかり屋》 2 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》 4 《ピア・ナラー》 2 《アムムトの永遠衆》 4 《熱烈の神ハゾレト》 2 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(26)- |
4 《ショック》 2 《削剥》 4 《無許可の分解》 -呪文(10)- |
調整初期から覚前さん、高尾さん、加茂さんを中心に調整していた「赤黒アグロ」は完成度も高く、チーム内での本命となっていました。
《地揺すりのケンラ》や《アムムトの永遠衆》などの新カードも入っていますし、《屑鉄場のたかり屋》などのタフなクリーチャーで構成されている「赤黒アグロ」は、「赤単アグロ」をメタってきた除去コントロールのようなデッキに滅法強く、プロツアーでのメタゲーム次第ですが、大勝ちもあり得るかなと言ったところ。
私も何度か回していましたが、入っているカードの個々のカードパワーが高く、感触良し。
「他に候補が出なければこれで良いかな」という感想が9割。あとの1割は「意外と赤単アグロに有利に感じなかったけれど気のせいかな」。
気のせいじゃなかった
《大気の精霊》......じゃなくて、気のせい。じゃなかった赤単アグロに不利。
冷静に考えればそりゃそう。
こちらの《無許可の分解》は重たい除去で、相手が採用している《焼夷流》は《地揺すりのケンラ》を追放してきます。
後手番の《屑鉄場のたかり屋》は死に札同然ですし、赤アグロミラーの圧倒的キーカードである《熱烈の神ハゾレト》は、相手の方がマナ域が軽い分動きやすい。
優位性があるのは《ピア・ナラー》くらいで、でもそれって赤単色のカードだから別に優位でも何でもないよね......。って話になったのが、なんと京都出発前日の水曜日。
「なんで前日まで気付かないんだよ!」
と思う読者もいるかと思いますが、理由は諸々とあるため割愛しましょう。
ともあれ、突如として座礁した船となった調整チーム。
覚前さん、高尾さん、加茂さんは赤単アグロに不利であることは認めながらも、サイドボードプランも含めた完成度を考慮して、固持する構え。
山本さんは、調整不足ではあるものの、途中で試した「赤黒除去コントロール」から得たノウハウである《最後の望み、リリアナ》と《ゲトの裏切り者、カリタス》のラインを搭載した「緑黒昂揚」デッキを選択することに。
他のメンバーはというと......。
毎日行われていたリーグ結果を見返し、とあることに気が付きます......。
調整中にうめき声のようなものが......「この でっき あかたんに ゆうり」
なんだかすごいイヤな予感がする......このまま行ったら記事の引きが前回と同じになる予感が......。
そしてこのデッキをリーグ用に調整し続けていた人間・殿堂・ゾンビ(クリーチャータイプです)から聞いた言葉から、とうとう私も決心することとなります。
う、うおおおおおおおお!!!!!!
後編に続く。
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