今日は「学制発布記念日」。近代学校制度は1872年のこの日、学制の趣旨を明記した布告がなされたことで始まったのだな。学びの大切さというのはみんなも身をもって体験してきたことだろう。ドミナリアにももちろん学校はあってな、そうだな、今日はドミナリアでもっとも有名な学校、数多の英雄と多くの悲劇をドミナリアにも現実にも生み出した、《トレイリアのアカデミー》を紹介するとしよう。

　《トレイリアのアカデミー》は、一度はファイレクシアへと乗り込んだウルザが逃げ帰った後にトレイリアという孤島に設立した学校だ。その後に来るであろう、ファイレクシアの侵略を確信していたウルザは準備が必要と考えていたのだな。

　この、《トレイリアのアカデミー》ではファイレクシアとの戦争の準備、そして、優れた才能を持つ子供達をスカウトし育てることに注力した。ウルザは大人の裏切りや罠といったことを警戒して、純粋な子どもたちを育てることにしたのだ。……てか、それでお前がちょっと裏切るんかいっ！……コホン、失礼。そして、そこからは多くのことが起こった、銀のゴーレム・カーンの創造、優秀な教え子でカーンの友人でもあったテフェリーとジョイラの活躍、ファイレクシアの襲撃とそれを食い止めるための時間遡行、そこから起こる時間災害などだ。ファイレクシア攻略の糸口は掴めつつも、代償もまた大きかったのだ。

　こうした出来事によって、一度は崩壊をするも再建、最終的にはファイレクシアの侵攻の際に完全に崩壊してしまうが、ファイレクシアを打倒できたのはこの《トレイリアのアカデミー》のお陰かもしれないな。今のドミナリアでは新しいアカデミーのキャンパスが５箇所あるという。もちろん、大災害に繋がる時間の研究は禁止されているようだがな。

　この、《トレイリアのアカデミー》がアーティファクトに絡んだ能力を持っていて、大事件を引き起こすという点は良くも悪くも、いや、完全に悪い方向にだが、現実のトーナメントにも見事に反映されているな。収録された『ウルザズ・サーガ』登場時には、１ターンキルも可能な「MoMA」というデッキが環境を席巻していたからな。ちなみに、この時ばかりはアカデミーどころかマジックが消滅してしまうやろが！とウィザーズの開発メンバーが社長室へと呼び出されて怒られたというのは有名な話だ。ふふふ、学び、人を育てることの大事さを学校は教えてくれるが、《トレイリアのアカデミー》はさらに反面教師としての役割も持っているとはな、さすがウルザ……ってそんなわけあるかっ、迷惑王かお前は！……コホン、失礼。