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週刊デッキ構築劇場
第44回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・削り落ちる天啓
読み物
週刊デッキ構築劇場
2012.01.09
第44回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・削り落ちる天啓
演者紹介:塚本 樹詩
独創的なデッキ構築と記事展開で知られるデッキビルダー・ライター。玉石混淆アイディア先行のデッキを数多く試すことや、多くの人に笑いもしくは失笑を与える語り口から『試行落語(トライ&テーラー)』として、畏怖されている。
2009年のプロツアー・ホノルルにて初のプロツアー出場を果たし、《破門》マスターとして恐れられた。また2009年度プレイヤー・オブ・ザ・イヤーの渡辺 雄也は自宅アパートの二軒隣に住んでいる関係から非常に親交が深く、「渡辺の三次元の嫁」「《渡辺の信奉者》」と呼ばれることも。
代表作は、栗原 伸豪が危うくプロツアーで使う所だった《ルーン炎の罠》入り新型ハウリングオウルや、渡辺大絶賛の《山賊の頭の間》バーンなどだが、むしろ今後の代表作に期待したい逸材。
5 《島》 5 《森》 1 《沼》 4 《闇滑りの岸》 4 《内陸の湾港》 3 《水没した地下墓地》 3 《ネファリアの溺墓》 -土地(25)- 4 《瞬唱の魔道士》 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(5)- |
4 《思案》 4 《濃霧》 4 《月霧》 4 《栄華の儀式》 4 《禁忌の錬金術》 4 《清純のタリスマン》 3 《内にいる獣》 3 《記憶の熟達者、ジェイス》 -呪文(30)- |
4 《夢のよじれ》 4 《外科的摘出》 3 《否認》 2 《破滅の刃》 2 《帰化》 -サイドボード(15)- |
つかもとA 「いつものマンモスーとかいうやつはどうした!」
つかもとB 「マンモスじゃねーし。毎回変なカード名叫んでただけだし。」
つかもとC 「新年1発目だからって新しいことをしたいだけじゃないかな。」
つかもとA 「しかし、またターボフォグか。好き過ぎだろ!」
つかもとB 「デッキリスト関係ないし、茶番フェイズが重要な記事なんだし。」
つかもとC 「そういうこと言うなー! 滅びろ俺!」
つかもとA 「とりあえず、AとかBとかわかりにくいからコードネームにしようぜ。」
つかもとB 「《リサトグ》禁止ね。」
つかもとC 「じゃあ《墓所の茨》で。」
つかもとA 「でた、渋い風チョイス。」
つかもとB 「絵が綺麗なだけだろ。」
墓所の茨 「二人は決まったの?」 |
つかもとA 「・・・《山崎兄弟》」
つかもとB 「一人なのに兄弟!ZANSHIN!」
「深い、これは深い。深過ぎて一周して凄く浅くみえる。」 |
山崎兄弟 「あとはB、お前だけだ。」 |
つかもとB 「折角だから俺は《トンネル》を選ぶぜ!」
「ここにきてインスタント!?」 |
トンネル 「え? これクリーチャー選ぶ流れだった?」 |
「ということで、はじまるよー!」 |
ここは塚本の脳内会議室。話題は大抵、「スタンダードに風穴を開けよう!」や「唯一無二のコンボデッキ発表会」。
「では《金輪際》を《液鋼の塗膜》でアーティーファクトにした後《ファイレクシアの変形者》でコピーしていくのはどうでしょう?」 |
「いや、一番上に掲載したデッキについて議論してたのでは・・・」 |
「《ワームとぐろエンジン》って何だよ。」 |
「最強のブロッカー!《濃霧》打ちながら殴ってるだけでいつの間にかひっくり返ってる!」 |
「何がひっくり返るんですか・・・ターボフォグなら素直に《石角の高官》+《滞留者ヴェンセール》っていうコンボを組み込めばいいじゃないですか。」 |
「もうある程度知れてることはしねーべ!」 |
「ではせめて、一枚で勝てるカードを用意しましょう。ライブラリーアウトだけではつまらないですよ。」 |
「うーん・・・」 |
「とりあえずテレビ見ようぜ!」 |
ここはとあるイニストラードの小村。この村には代々不思議な力を持った少女が生まれる家系があった。
不思議な力を使い少女は村に襲い掛かるクリーチャー達を退治していたのだ!
そう、生まれてきた子供が「女性」の場合には・・・。
「女の子だと思った? 残念、魔法男子こましちゃんでした!」
「『魔法男子こまし☆コマル』というやつだな。」 |
「これはいい作画。」 |
「第42話 ドキっ吸血鬼だらけのとある小村~ガブリもあるよ~」
吸血鬼達が群がる荒野、その中心には黄金色に輝く吸血鬼達の舌に支えられ、浮かび上がるこましの姿が。
らん、らんらららんらんらーん。
「なんて酷いシナリオ・・・」 |
吸血鬼達の願いを一気に背負い、真の敵である落ち武者と化した友を打つこまし!
こまし 「くらえ!ビンタ!」
落ち武者 「うあー。」
「いやーいい話だったなぁ。」 |
「やっぱり必殺技必要だな。うん。」 |
「俺たちも必殺技、覚えようぜ!」 |
「そうすれば、ただのターボフォグだって更なる高みへ昇れるはずだな。」 |
「いやいやいや、ちょっとおかしいでしょ!イニストラードなのに落ち武者って!」 |
「あいつ、クリーチャータイプきっとゾンビだから大丈夫だよ。」 |
「それに今は必殺技の話してるから空気読んでね?」 |
「わーん。俺一人が悪者みたいになってる・・・マジレスすると、必殺技になりうるカードあるかな?」 |
「劇的に勝つカードって何かあるかな?」 |
「スタンで勝つカードって1枚しかないような・・・」 |
「もしかして頭良すぎて狂っちゃった系男子のことですか?」 |
「自分がライブラリーアウトすればいいんだ!」 |
「頭悪すぎて狂っちゃった系ですね。」 |
「勝つまでが長そうだから、まさに必殺技っぽいね。」 |
「相手のライブラリーが尽きるのを待つんじゃない、勝つための《濃霧》や!」 |
「ドローカードが勝利の引き金って所ですね。」 |
「《ワームとぐろエンジン》の打点が先か、ライブラリーが切れるのが先か、まさにこの世はチキンレース!」 |
「残念ながら《ワームとぐろエンジン》は釣りです。」 |
「せめてサイドに入れよう? な? な?」 |
「話もまとまってきたし、そろそろ合体しませんか?」 |
「じゃあ俺胴体!」 |
「肉体じゃなくて精神の方の話ね。3人ともたぶん同じ塚本だから、それで胴体とか担当したらグロい合体になるよ!」 |
「ということでー合体!」 |
「きもちいいー!」 |
あけましておめでとうございます!
去年は皆様のおかげで楽しく、自由に、のびのびと構築劇場することができました。
今年も自由をモットーに精進していこうと思います。
今回のテーマはこちら! ででん!(効果音)
ところで、《瞬唱の魔道士》や《森を護る者》《闇の腹心》。これらのカードの共通点を皆さんご存知でしょうか?
これらは、実在の人物を元に作られているカードなのです!
基本セット2012で復活を果たした《真面目な身代わり》もミラディン版の絵柄ではJens Thorenという実在のプレイヤーを元にしているのです。
そして今回のテーマである《記憶の熟達者、ジェイス》。
このカードに隠された重大な謎に気がついた時、脳裏に稲妻が走ったのです!
き お く の じ ゅ く たつし ゃ じ ぇ い す
このカード名にはまさかの、塚本の下の名前が入っていたのです!
樹詩と書いてたつし! レジェンド的な存在とよく間違われますが、別人です。クローンでも双子でも親子でもないですよ!
これを使わずして何を使う!
そう思って右脳でデッキを組んだら、見事なまでにただのライブラリーアウトが・・・
これはまずい。時間がかかるだけで楽しくない。
と、目の前が真っ暗になって現実逃避にMagic Onlineでドラフトを打っていた時です。
またもや脳裏に稲妻が!
ある対戦相手のアクションがとても衝撃的だったのです。
《記憶の旅》を《ルーンの反復》で戻してライブラリーを無限修復。
その時は《蜘蛛の発生》を死ぬまで打たれ続けて負けましたが、気分はとってもハッピーでした。
《記憶の熟達者、ジェイス》は相手のライブラリーを削るのではなく、自分の墓地を耕すためのもの。
これで理想のライブラリーが構築できる!
今週のデッキはこれだーーーーーーーーーーーーーーー!!
7 《島》 5 《森》 1 《沼》 4 《闇滑りの岸》 4 《内陸の湾港》 2 《水没した地下墓地》 2 《ネファリアの溺墓》 -土地(25)- 4 《瞬唱の魔道士》 1 《研究室の偏執狂》 -クリーチャー(5)- |
4 《濃霧》 4 《思案》 3 《彼方の映像》 4 《熟慮》 3 《月霧》 2 《破滅の刃》 1 《記憶の旅》 1 《否認》 4 《禁忌の錬金術》 1 《ルーンの反復》 3 《記憶の熟達者、ジェイス》 -呪文(30)- |
2 《帰化》 2 《否認》 1 《破滅の刃》 4 《精神腐敗》 4 《栄華の儀式》 1 《生命の終焉》 1 《ネファリアの溺墓》 -サイドボード(15)- |
リストを見てお気づきかと思われますが、自分のライブラリーを空にして《記憶の旅》で《研究室の偏執狂》をライブラリーに戻して、引き、そのまま出してドロースペルを打てば勝ちなのです。
これがこのデッキの必殺技ですが、別のプランとしての《ルーンの反復》でライブラリーを循環させ、ゲームを凌ぎつつ《記憶の熟達者、ジェイス》の最終奥義といった遊び方もできます。
ただし、《堂々たる撤廃者》を出されると《濃霧》が打てなくなったり、《ルーンの反復》や《研究室の偏執狂》を《雲散霧消》されると悲しい気持ちになったりするので、《濃霧》に甘んじず除去をしっかりと採用し、追放する効果のカードへの対策もきちんと考えておいたほうがいいですね。
《研究室の偏執狂》の効果はとても劇的なもので、統率者戦のような多人数フォーマットでは、「勝つ」という能力は複数の対戦相手を一人ずつ倒すよりはるかに効率がよいものになります。
また、スタンダードに限らなければ、ライブラリーを空にするのも難しいことではないでしょう。《隠遁ドルイド》と組み合わせると、一瞬で勝てちゃいそうで怖いですね。
今回の構築劇場はここまでですが、今年もよろしくお願いします。
『闇の隆盛』後の環境でお会いしましょう!
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