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週刊デッキ構築劇場
第29回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・栄光のビクトリーロード
読み物
週刊デッキ構築劇場
2011.09.12
第29回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・栄光のビクトリーロード
演者紹介:塚本 樹詩 関東の草の根を中心に独創的なデッキ構築で知られるデッキビルダー。2009年のプロツアー・ホノルルにて初のプロツアー出場を果たし、《破門》マスターとして恐れられる。 |
気がつけばプロツアー・フィラデルフィアも終わり、世間はイニストラードの発売を待つばかりという状況になっていますが、他の構築劇場メンバーがモダンモダンしていたので、僕も今回のデッキはモダンで組んでみました!
そして今回のテーマは『勝利』。
たまには勝ちに執着するのもいいよね、いや違う・・・勝ちたいんや!
一番シンプルに勝つには、カードのテキストに「ゲームに勝利する。」と書かれているカードをプレイする、もしくはその勝利条件を達成することです。
まずは1つ目のビクトリー!
1ターン目から置けるということで、ある人の言葉を借りれば1ターン目から殺意のビクトリーを醸し出す1枚。
被覆も付いているので、並大抵のカードでは壊されません!
そんなビクトリーを面白おかしく手助けするのはこのカード。
このアーティファクト、《呪文織りのらせん》は複雑な文章なのですが、簡単に言うと、
「墓地に落ちているソーサリーAとBを刻印して、AをプレイしたときにBのコピーを唱える」
という効果です。
Aにイーヴンタイドの回顧スペルをコピーすれば、土地がある限りBの呪文を唱え放題!
このカードで悪さをしてらせんの円錐のカウンターを100個貯めちゃいましょう、まさにエンドレスビクトリー!
2 《森》 2 《島》 2 《山》 4 《燃え柳の木立ち》 1 《蒸気孔》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《繁殖池》 4 《霧深い雨林》 3 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 1 《新緑の地下墓地》 1 《ダクムーアの回収場》 1 《ドライアドの東屋》 -土地(24)- 1 《大祖始の守り手》 -クリーチャー(1)- |
4 《らせんの円錐》 2 《有毒の蘇生》 4 《炎の突き》 4 《留まらぬ発想》 4 《壌土からの生命》 4 《呪文織りのらせん》 4 《けちな贈り物》 4 《粗野な覚醒》 4 《時間のねじれ》 1 《星の揺らぎ》 -呪文(35)- |
3 《ギルド渡りの急使》 4 《カラスの罪》 4 《罰する火》 1 《蟲の収穫》 1 《合同勝利》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《平地》 -サイドボード(15)- |
回顧スペルと《時間のねじれ》や《粗野な覚醒》を組み合わせて無限ターンや(ほぼ)無限マナ!
《星の揺らぎ》からの《炎の突き》連打でたまにラッキービクトリー発生もあるかも?
サイドボードにセカンドビクトリーとして《合同勝利》+《ギルド渡りの急使》のコンボが内蔵されていたり、リーサル・ウェポンの《蟲の収穫》も搭載されています、まさにビクトリーの百貨店や!
《呪文織りのらせん》と回顧の組み合わせは強力なので、《残酷な根本原理》などモダンの中でも派手なソーサリーをコピーするのも
いいでしょう!
次のビクトリーカードはこちら!
《らせんの円錐》同様、この《ダークスティールの反応炉》も破壊されにくいのが素晴らしいカードです。
プロツアーの結果を鑑みるに、モダンの環境は速いものです。そこで、落ち着いてビクトリーするデッキも紹介しましょう。
8 《森》 4 《地平線の梢》 3 《ジャングルの祭殿》 4 《グルールの芝地》 4 《ボロスの駐屯地》 1 《セレズニアの聖域》 -土地(24)- 4 《エイヴンの思考検閲者》 4 《ムル・ダヤの巫女》 2 《迷える探求者、梓》 -クリーチャー(10)- |
4 《精力の護符》 4 《根の迷路》 4 《倦怠の宝珠》 4 《抑制の場》 3 《予見者の日時計》 3 《ダークスティールの反応炉》 1 《不毛の栄光》 3 《抹消》 -呪文(26)- |
4 《放牧の林鹿》 3 《フェリダーの君主》 4 《内にいる獣》 4 《神聖の力線》 -サイドボード(15)- |
相手をビクトリーから遠ざける事が、自分のビクトリーへの近道。
がっちがちに場を固めて自分だけがビクトリーロードを邁進するのがこのデッキです。
プロツアー・フィラデルフィアで勝ちあがったデッキを仮想敵としてるので《倦怠の宝珠》や《抑制の場》等が入っていますが、このあたりはメタによって自由に変わるスロットです。
最終的には《ダークスティールの反応炉》を置いて、危なくなったら《抹消》を打つのですが、マナを伸ばす手段として『お帰りランド』が沢山入っています。
この『お帰りランド』を《精力の護符》でアンタップ状態で出せるようになると天国! さらに《精力の護符》が2枚以上あると、その枚数分、タップ状態のパーマネントがアンタップする効果がスタックに乗るので、そこの所お忘れなく!
たまに『お帰りランド』マリガンが発生しますがそこはご愛嬌。
《不毛の栄光》からの《抹消》でラッキービクトリーがあるかも!
このデッキにもセカンドビクトリーとして、サイドボードに《フェリダーの君主》とそのサポート役の《放牧の林鹿》が搭載されています。
他にビクトリーカードとしては《機知の戦い》は既に浅原さんが紹介していて、《臨死体験》は既に過去の記事でピックアップ済みなので、
今回は最後に自分の大好きなカードをモダンにローカライズしておしまいにしたいと思います!
これが俺だけのオンリービクトリーロード!
3 《乾燥台地》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《血の墓所》 -土地(5)- 4 《ぶどう園の大魔術師》 4 《猿人の指導霊》 4 《通りの悪霊》 -クリーチャー(12)- |
4 《睡蓮の花》 3 《否定の契約》 4 《ギタクシア派の調査》 3 《大霊堂の戦利品》 3 《外科的摘出》 4 《炎の儀式》 4 《捨て身の儀式》 4 《魔力変》 4 《煮えたぎる歌》 4 《血清の粉末》 4 《ゴブリンの放火砲》 1 《巣穴からの総出》 1 《むかつき》 -呪文(43)- |
4 《災難の大神》 4 《鋳塊かじり》 3 《四肢切断》 3 《記憶の点火》 1 《星の揺らぎ》 -サイドボード(15)- |
モダン版のベルチャーこと《ゴブリンの放火砲》。
僕の一番好きなアーキタイプなのですが、土地が2枚だけというのは流石に無理で、5枚となってしまいました。しかし、自分の《乾燥台地》に《外科的摘出》を打てば、《ゴブリンの放火砲》の成功率はぐんと上がります。
ここで正しい《ゴブリンの放火砲》の起動の仕方を発表して締めたいと思います。
1.目をつぶり呼吸を整える。
2.心に故郷を思い浮かべる。
3.自分の利き手を《ゴブリンの放火砲》にそっとかざす。
4.息吹を発する。コツとしては「こおおおおおおおおー」と口に出すくらいの勢いで息を口から出すといいでしょう。
5.腕を直角に曲げるようにして、勢い良く《ゴブリンの放火砲》をタップする。
6.決め台詞! アドリブが好ましいですが、例としてあげると「これで終わりにするぞおおおお!」や「全てを無に返す!」「アトランタの恨み...くらええええええ!」等、感情がこもっていればこもっているほどダメージ量は上がります。
7.ライブラリーをめくる時は無の状態を維持してください、明鏡止水がビクトリーの鍵です。この時に雑念が入ると失敗します。「優勝したい」「モテたい」や「殿堂に入りたい」等の雑念は試合後の精神をも侵食しかねません。
8.土地がめくれた瞬間はやはりドヤ顔がベストでしょう。悲しげな顔で生命の終焉を憂うのも効果的な演出かもしれません。オリンピック選手のように言葉にならない声で喜びを表現するのも、非常に人間的と言えましょう。
9.試合たるもの最後はやはり残心でしょう。相手が投了するのを確認して初めて試合が終わります。 8 で精一杯のリアクションを取っていれば、9 で冷静になるのも温度差がついて程よいでしょう。礼節に事欠いては真のデュエリストとは言えませんからね。
10.上記のことを全て試合ではしない。 3 の時点から既にジャッジにマークされ、4 辺りで既に注意されるかもしれません。最悪なパターンとしては 6 で急に試合に負けてしまうかもしれません。
ルールとマナーをもって楽しく遊ぶのがMTGです。あくまで一人の時や友達と騒いでも平気な場所でカジュアルプレイをしてる時に留めておきましょう。
新フォーマットのモダンですが、優勝したデッキが《欠片の双子》を使ったコンボだったり感染クリーチャーが大暴れしたりと、実はスタンダードユーザーから見て敷居の低いフォーマットなのではないでしょうか?
これからどんどん普及していくと思うので、皆さんも一度はモダンの世界へ足を踏み入れてみてはどうでしょうか?
昔好きだったあのデッキが大活躍! なんてこともあるかもしれませんよ?
それでは次回イニストラードの次元で会いましょう。
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