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『ミラディン包囲戦 イベントデッキ』で遊ぼう!

By 伊藤 敦


 初めて大会に出たときのことを、覚えているだろうか。

 おそらくほとんどの人にとって大会デビューはスタンダードだろう。とすると、どうにかして自分のデッキを組んだはずである。

 しかし、マジック初心者にとってデッキ構築は難しいことこの上ない。カジュアルで遊ぶ分にはただ持ってるカードを片っ端から入れるだけで十分だが、大会で1勝以上をあげるとなると明確なコンセプトが必要になる。

 初心者がコンセプトを持ったデッキ・・・しかも手ごろな値段で・・・を用意するにはどうすればいいか。

 それを実現したのが今回の主役、「イベントデッキ」というわけだ。

eventdeck_mbs_jp_display

 というわけで本日紹介するのは、先週発売になったばかりのミラディン包囲戦の「イベントデッキ」だ。

目印は何となく対照的なこの2枚の絵だ

 まず「イベントデッキ」とは何かというと、簡単に言えば「ちょっと本気出した構築済みデッキ」である。

 具体的にどう本気出したのかと問われれば、まずエントリーセットと違って構築済みのメインボード60枚に加えサイドボード15枚まで用意されているというのが1点。

 また青黒『感染と汚染』と赤単『突破口』の2種類がある「イベントデッキ」には、神話レアこそ入っていないものの、それぞれ7枚ものレアが搭載されており(デッキリストは記事内に後掲)、従来の構築済みデッキよりもボリュームがあるというのも1点。

 そして何より、今までの構築済みデッキと大きく違う点として、デッキの核となるコモンやアンコモンは当然のごとく4枚差しで、しかもそのデッキの内容やコンセプトも、見たところ買ってそのまま大会に出ても一方的にボコボコにされることなく戦えるレベルであることだ。

 そういった意味で「イベントデッキ」は、まずマジックを始めたばかりの人に対しては、買ってすぐにでもサイドボード入りで大会に出られるということでオススメだ。とりあえず大会に出てみて、ゲームの雰囲気を味わってみることがステップアップにつながるからだ。

 また、ちょこっといじるだけですぐトーナメントレベルのデッキになるという意味でも、デッキ構築の練習にはもってこいの素材である。

 他方で、書き出しではまるでこれが初心者専用であるかのように始めたけれども、中級者以上の人に対しても、この「イベントデッキ」が魅力的でないなどと言うつもりは決してない。

 カード単位で見ても、1つのコンセプトに向けた良質なコモン・アンコモンが一揃い手間なく揃えられるし、中には実用的なレアも含まれている。

実際なかなかのレアが入っている


 ただそうはいっても、こういった抽象的な紹介で本当にこの「イベントデッキ」の魅力を伝えられているかは怪しいところだ。やはりデッキの魅力を伝えるには、実戦ありきだろう。

 そこで、「イベントデッキ」であえて75枚全くいじらずにフライデー・ナイト・マジックに出てみることで、「買ってそのまま大会に出られる」というそのポテンシャルを見せつけるとともに、これから「イベントデッキ」を手に入れる人にデッキ改造の指針をほんの少しでも示せたらいいな、というのがこの記事の主な目的である。

 ということで、以下では簡単なデッキ解説とともに、「イベントデッキ」を使って実際にフライデー・ナイト・マジック(以下FNM)に出場したレポートをお送りしよう。

 なお、「イベントデッキ」には前述の通り青黒毒コントロール=『感染と汚染』と、赤単喊声ビート=『突破口』との2種類があるので、今回はスタンダードのFNMが17時からと20時からの2回開かれる高田馬場のカードショップ「CARDSHOP晴れる屋」を利用させてもらった。


第1部:感染と汚染

 最初に使うのは『感染と汚染』と名付けられた青黒のデッキだ。

eventdeck_mbs_jp_ub_cont

『感染と汚染』
ミラディン包囲戦・イベントデッキ[MO] [ARENA]
10 《
7 《
2 《水没した地下墓地
4 《ジュワー島の隠れ家

-土地(23)-

4 《屍百足
4 《疫病のマイア
4 《死体の野犬
1 《法務官の手
2 《ファイレクシアの槽母

-クリーチャー(15)-
3 《定業
2 《伝染病の留め金
2 《マナ漏出
1 《破滅の刃
2 《燻し
2 《剥奪
4 《予感
2 《消耗の蒸気
4 《堕落した良心

-呪文(22)-
3 《死の印
3 《瞬間凍結
4 《否認
1 《破滅の刃
2 《喉首狙い
2 《燻し

-サイドボード(15)-


 青黒といったら今では、昨年の世界選手権in千葉で活躍した《墓所のタイタン》をフィニッシャーにしたコントロールが主流だが、このデッキの場合は感染という能力それ自体のフィニッシュ力の強さをフィーチャーしたアグレッシブなコントロールとなっている。

 クリーチャーの数とサイズだけ見ると一見勝ち筋が細いように見えるが、4枚入った《堕落した良心》で相手のタイタンなどを奪うことができれば感染を得て一瞬で倒せるし、《ファイレクシアの槽母》は単体でも3回殴るだけで相手を毒殺できる。

 また《伝染病の留め金》で毒カウンターを増殖させて相手をじわじわ攻めるというのも基本テクニックだ。

 よくわからない《予感》は何なの?という話になるが、おそらくこのスロットは《精神を刻む者、ジェイス》か《ボーラスの工作員、テゼレット》が欲しくて欲しくてたまらない気持ちがついうっかり似たようなカードを具現化してしまったのだろう。要するにここはあまり触れない方が良さそうだ。

 さらに《定業》についても、(一部の界隈で流行りの議論に殴り込みをかけるかのような)最先端の3枚差しにセンスが垣間見える。いや、多分実際のところ製作者はそんなに深く考えてないと思うけれども。

あなたは『入れるなら4枚』派?
それとも『1~4枚で適正な枚数』派?

 ついでにサイドボードには《喉首狙い》を筆頭に優秀な除去とカウンターがてんこ盛り。《否認》はこのデッキだと処理しづらいプレインズウォーカーをケアできる大事なカードだ。

 総合的には、カウンターや除去で簡単に1:1交換を取ることができ、《死体の野犬》や《予感》でアドバンテージの補充も可能という点で、第2部で取り扱う赤単に比べて初心者でも安心してプレイできるデッキといえるだろう。

 さてデッキ紹介はこのあたりにして、そろそろ実戦の方に移ろう。

 FNM前半の部は参加者18名、スイスドロー3回戦。3-0とまでは言わないが、1勝まで駆け抜ける(?)くらいはしたいところだ。

第1回戦 vs. Caw-Blade

 先日のプロツアー・パリの優勝デッキにして、現時点でのスタンダードのトップメタといってもいいデッキといきなりの対戦。さすがにデッキパワーにはラディッツとフリーザくらいの差がありそうだが、相手がこちらのデッキを知らず、真意に気づいて最善手にたどり着く前に倒す、いわゆる「わからん殺し」に期待するしかない。

 まず1本目。こちら先手2ターン目の《屍百足》に対し、相手は《石鍛冶の神秘家》で《饗宴と飢餓の剣》をサーチ。さすがTier1デッキ、開始2行で早くも詰みゲーの予感である。

 しかし諦めるにはまだ早い。こちらの手札にはデッキに1枚しか入ってない《法務官の手》があったのだ。

 《石鍛冶の神秘家》を除去して4ターン目にこれをプレイすると、果たして相手には《精神を刻む者、ジェイス》も《審判の日》もなく、あとは《マナ漏出》と《剥奪》を構えて、毒5点クロックが対戦相手を蹂躙した。

 まさかCaw-Blade相手にメインを取れるとは・・・とこれからの展開にうっかり希望を持ったが、2本目は《堕落した良心》を抜ききらないサイドミス(《悪斬の天使》をパクれるかもという甘え)によって手札に重いカードが溜まっていき、あっさり通った《精神を刻む者、ジェイス》にライブラリを検閲され続けてジリ貧になって負け。

 気を取り直して3本目。今度は先手だしってことで、1本目のようなクロックパーミッションを実現するため《否認》と単体除去をほとんど全弾投入して、4マナ以上のクリーチャーでない呪文と《死体の野犬》数枚を軒並みサイドアウト。

 オープンハンドには《屍百足》と数枚の除去。よし、いける!

 ・・・が、2秒で《糾弾》されてクロックがなくなり、カウンターも引けてなくて5マナから《精神を刻む者、ジェイス》が着地してあえなく負け。

 ○××

 さすが一線級のデッキはそう簡単には負けてくれない。今のままでは運良く1ゲーム取るのが精一杯といったところか。

 だが、感染クリーチャーによるクロックパーミッションというコンセプトにも可能性を感じさせる戦いだった。

 いずれにせよ、この『感染と汚染』を元にデッキを改造していくとしたら、Caw-Bladeへの対策は何かしら必要だろう。例えば1ターン目の《コジレックの審問》で相手のキープ基準となる《戦隊の鷹》や《石鍛冶の神秘家》をぶち抜くことが考えられる。


第2回戦 vs. 赤黒《投げ飛ばし》バーン

 今度の相手は、《尊大な血王》や《深淵の迫害者》などのタフガイでひととおりアタックした後で、役目を終えたそれらを《投げ飛ばし》するというなかなか興味深いコンセプトのデッキだ。しかしこちらも優秀な除去と《死体の野犬》4枚で消耗戦には強いので、相性はそれほど悪くない。

 が、1本目は先手《》2枚に《疫病のマイア》でキープして、マイアが高速で《稲妻》された後に《定業》2枚で計4枚を下に送るが、一向に3枚目の土地にめぐり合えずに《尊大な血王》と《溶岩爪の辺境》に撲殺される。これもマジック。

 2本目は相手の生物を捌ききった後に《予感》にたどり着けず土地を引き続けてしまい、《深淵の迫害者》に撲殺されてしまった。

 ××

 「決まり手はマナスクリューとマナフラッド」と言ってしまえば簡単だが、マナマイアが除去されやすいことを考えれば、土地の増量は一考の余地があるかもしれない。


第3回戦 vs. 赤単喊声ビート

 0-2ラインで当たった最後の対戦相手は、何という偶然か、この日発売の「イベントデッキ」を購入してほとんどそのまま出場しているらしい。何でもマジックを始めて1週間だとか。

 「イベントデッキ対決」という、この記事の趣旨を考えれば何ともおいしいシチュエーションなのだが、こっちはマジックを始めて一応10年以上のキャリアを持っている。0-3させるのは忍びないが、ここはプライドに賭けても負けるわけにはいかない。

 ・・・ちなみにこの「イベントデッキ」両者を戦わせた場合の相性は、事前の調査によれば青黒:赤単=おおむね2:8である。筆者のプライドが大ピンチ。

 1本目はこちら後手ワンマリガン。相手は土地2枚で止まりつつも順調に脅威を展開し、こちらがなんとか《ファイレクシアの槽母》で押しとどめたかというところで、相手が引き込んだ3枚目の土地から《反逆の行動》を2連打されて負け。

 2本目は先手の利もあって単体除去で相手の出鼻を挫き、《ファイレクシアの槽母》が速やかに相手を毒殺。

 3本目はお互いワンマリガン。ひととおり捌いた上で《ゴブリンの廃墟飛ばし》を《瞬間凍結》で弾き、1体目の《ファイレクシアの槽母》こそ《稲妻》+《感電破》で焼かれるものの、さすがに2枚目を焼く力は相手に残っていなかったので、そのまま3回殴って勝ち。

 ×○○ 

 相手のマリガン判断が多少甘かったおかげで(早いターンに《カルドーサの再誕》されなかったので)なんとかサイド後2本取ることができた。


 3ラウンド通した《堕落した良心》のサイドアウト率の高さを考えると、毒殺がコンセプトとはいえ、今の環境でこのカードのメイン採用は割と怪しい気がしないでもない。

 それはさておき、何とか1勝は達成できた(プライドも守れた)。他の2戦も1本は取ったのと事故負けとで、内容的には悪くなかったことも考え合わせると、この「イベントデッキ」の片割れの持つポテンシャルをある程度確認できたと言えるのではないだろうか。
 

第2部:突破口

 後半使用するのは、赤単喊声ビート『突破口』である。

eventdeck_mbs_jp_r_cont

『突破口』
ミラディン包囲戦・イベントデッキ[MO] [ARENA]
21 《
1 《激戦の戦域

-土地(22)-

4 《メムナイト
4 《羽ばたき飛行機械
4 《信号の邪魔者
2 《ゴブリンの奇襲隊
2 《ゴブリンの先達
4 《カルドーサの再誕
1 《トゲ撃ちの古老
1 《鉄のマイア
4 《ゴブリンの戦煽り

-クリーチャー(26)-
2 《ダークスティールの斧
2 《恐慌の呪文爆弾
2 《壊滅的な召喚
2 《感電破
4 《稲妻

-呪文(12)-
2 《不安定な足場
4 《焼尽の猛火
2 《反逆の行動
4 《ゴブリンの廃墟飛ばし
2 《核への投入
1 《処罰の力線

-サイドボード(15)-

 普段ある程度スタンダードをプレイしている人が見れば、2つの「イベントデッキ」のうちどちらがよりトーナメントレベルに近いかという質問に対して、淀みなくこの「突破口」を選ぶことだろう。

 なんといっても1ターン目の《カルドーサの再誕》は、《聖なる秘宝の探索》と並んで、スタンダード環境最速の勝ちパターンのうちの1つだからだ。

 他に《メムナイト》《羽ばたき飛行機械》《信号の邪魔者》《ゴブリンの戦煽り》《稲妻》といったカードがしっかり4枚ずつ搭載されていることからも、このデッキの本気度合いの高さが見てとれる。

 また《ゴブリンの奇襲隊》と《壊滅的な召喚》のコンボも搭載しており、正直このデッキを本気で調整しようとしてもほとんどいじるところがないんじゃないかというくらいに、喊声ビートとして既に極めて完成度の高いデッキである。

 なお、こちらも《鉄のマイア》というマスコット的存在が1枚だけ搭載されているが、これも先ほどの《予感》と同様に、《オパールのモックス》が欲しくて欲しくてたまらない気持ちがやはり具現化されてしまったのだろうと筆者は考えている。真相は定かではない。

『僕をサイドアウトしてよ!』の図

 しかし総合的には、中級者以上の人には『感染と汚染』よりも魅力的に映ると思われる反面、『突破口』は初級者には少し難しいデッキかもしれない。

 デッキコンセプト的に《カルドーサの再誕》にかなり依存しているのでマリガン判断が難しいのと、サイド後のメタられっぷりにどう立ち向かうかが重要な課題となるからだ。

 無論それらを踏まえて使いこなすことができれば、大会での上位入賞にもかなり近く、実用的な構築済みデッキであることはやはり疑いない。早くステップアップしたいという貪欲な方には、この「突破口」がオススメだ。

 さて、FNM後半の部は参加者27名、スイスドロー3回戦。今回も3-0とまでは言わないが、前半で1勝できたので今度は2勝まで駆け抜けるのが目標だ。


第1回戦 vs. Caw-Blade

 前半と同様、最初に立ちはだかったのはCaw-Bladeである。スタンダードの最前線のデッキであることから、FNMでも使用者が多いのだろう。

 1本目は先手1ターン目《信号の邪魔者》から、2ターン目には《羽ばたき飛行機械》を生け贄に捧げて《カルドーサの再誕》をプレイ。相手は3ターン目に《石鍛冶の神秘家》で《シルヴォクの生命杖》を持ってくるが、《審判の日》を引かれてなくてそのまま勝ち。

 続く2本目も後手1ターン目《メムナイト》+《カルドーサの再誕》のいい回り!これはこのまま勝てるかなとちょっと思ってしまった。

 《漸増爆弾》で一瞬で全部流れるまでは。

 意気消沈したこちらを尻目に相手は悠々と《悪斬の天使》をプレイ、こちらの心を完膚無きまでにへし折ったのだった。

 かくして3本目、先手がこちらに戻る。1ターン目《カルドーサの再誕》に加えて、2ターン目《ゴブリンの戦煽り》のいい回り。だがこれは即座に《未達への旅》される。

 その後、ブロッカーを《焼尽の猛火》して相手のライフを5にした返しでついに《審判の日》が飛んでくる。手札は《ゴブリンの廃墟飛ばし》、場には3マナ。土地さえ引けば・・・というところで引けず、続けて登場した《ギデオン・ジュラ》と、さらに《悪斬の天使》まで出てきてしまってはどうしようもないのであった。

 ○××

 あと一歩というところで力及ばなかった。やはり《ゴブリンの奇襲隊》と《激戦の戦域》の後押しが少し足りない感じではある。

 しかし、この『突破口』そのままでも五分の戦いが出来た。それがわかっただけでも収穫だろう。なんといってもこちらにはまだ伸びしろがある。

 ただ2ゲーム目のように《漸増爆弾》だけで投了するのは少し馬鹿らしいので、《ファイレクシアの破棄者》などで対策しておいた方がいいだろう。


第2回戦 vs. ボロス

 ボロスもまた、プロツアー・パリで活躍したデッキの1つである。《石鍛冶の神秘家》と《戦隊の鷹》の隆盛はとどまるところを知らない。

 1本目は残念なことに後手ダブルマリガン。相手の《ゴブリンの先達》がこちらにたくさん土地を供給してくれるが、通常ドローも土地ばかりではさすがに意味がなく、たくさんの《戦隊の鷹》にボコボコにされてしまった。

 続く2本目。1ターン目《ゴブリンの先達》、2ターン目《カルドーサの再誕》、3ターン目《信号の邪魔者》2体プレイといういい回り。

 だが対する相手も《ステップのオオヤマネコ》→《板金鎧の土百足》→《狡猾な火花魔道士》とかなりいい回りで、こちらも《壊滅的な召喚》も駆使して全力で相手のライフを削りにいくが、丁度ライフ4残してリソースが全て捌かれてしまい、火力2枚を引くことができず敗北を喫した。

 ××

 1ゲーム目は後手ということもあって《カルドーサの再誕》を求めにいったのが裏目に出てしまった。しかし、マリガン死はこういう多少不安定なデッキの宿命ともいえる。

 対ボロスに関しては、こちらも《狡猾な火花魔道士》を積むというプランが考えられる。《板金鎧の土百足》、《戦隊の鷹》など相手の生物は軒並みタフネスが低いし、相手のこれもケアするという意味でも最適だろう。


第3回戦 vs. 赤単バーン

 《金屑の嵐》など全体除去が豊富に採用されており、はっきりいって相性最悪である。

 1本目は先手で1回マリガン。《電弧の痕跡》で1対2交換を取られた後、《ゴブリンの奇襲隊》+《壊滅的な召喚》で10点叩き込むが、返しの《金屑の嵐》でこちらのパーマネントが全て消え去り、《槌のコス》がどうしようもなくて負け。

 しかし2本目は《カルドーサの再誕》連打してうっかり捌かれずに取り返す。

 そして決戦の3本目、相手が多少《ゴブリンの先達》で殴りすぎたこともあってこちらの土地が伸び、X=4で《壊滅的な召喚》を撃つことに成功する。赤同型で4/4を2体というのは相当捌きづらい。相手も本体火力でなんとか先にこちらのライフを削ろうとし、気がつけばお互いライフは1というギリギリの状況。

 しかし相手には忠誠値4の《槌のコス》がいる。こちらにブロッカーはなく、2マナ立っているとはいえ4/4となった《》が殴ればどうしようもなさそうな盤面だ。なぜなら、こちらに本体火力があるならば既に撃っているはずだからだ。

 果たして相手は先にこちらのライフを0にするべく、《槌のコス》の+1能力を使用して《》を4/4に変え、アタック・・・

 とここで、こちらがずっと抱えていた上陸なしの《焼尽の猛火》が、先に相手のライフを0にしたのだった。

 ×○○

 3ゲーム目はかなり熱い戦いだった。赤同型の《壊滅的な召喚》は本当に頼もしい。

 正直こちらの『突破口』のポテンシャルは見て明らかなので、3回戦で1-2とはちょっと不甲斐ない。出来ればもう1勝はしたかったところだ。

 それでもやはりサイド後のゲームでの厳しさが半端ないので、この「突破口」を元にデッキを改造していく際には、2ゲーム目、3ゲーム目をも見据えたデッキ構築が不可欠だろう。


 長くなってしまったが、これを読んでミラディン包囲戦の「イベントデッキ」に少しでも興味を持ってくれたなら幸いだ。

 気に入った方のデッキをいじりつつ大会に出るのもいいし、友人と1個ずつ手に入れて遊んだり、改造してデッキ構築の腕を競うのもいい。

 それに、もしかしたら次のエキスパンションでも、また強力な別の「イベントデッキ」が作られるかもしれない。その動向は要注目だ。

 いずれにせよ、今からマジックを始める人が少し羨ましい。

 ここまで強力な構築済みデッキが用意される時代になるなんて、昔では考えられなかったことだ。

 ともあれ、この「イベントデッキ」があなたのマジック人生を豊かにしてくれることを願っている。

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