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第12回:デッキ紹介《シャドリクス・シルバークイル》
読者の皆さん、こんにちは! 統率者戦フォーマット連載担当のクロタカです。
先日開催された統率者戦イベント「コマンド・フェスト・オンライン・ジャパン2nd」では、120卓(!!)以上のゲームが成立したみたいですね。
【お知らせ】本日開催の #統率者戦 イベント「コマンドフェスト・オンライン・ジャパン2nd」の対戦可能時間が終了いたしました。
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) May 1, 2021
今回は前回を超える数の参加者の皆さまにより、なんと120卓以上のゲームが成立!次回の開催もどうぞお楽しみに!https://t.co/hdpWsZV0QS#mtgjp #コマンドフェスト pic.twitter.com/rTQgZx3XIM
回を重ねるごとに参加者数も増えていて、日本中の統率者戦熱の高まりを感じています!
ということで今回は『ストリクスヘイヴン:魔法学院』に収録されているカードの統率者戦デッキを紹介していきます。
目次
統率者紹介
今回紹介するデッキの統率者は、シルバークイル大学の創設者であるエルダードラゴン《シャドリクス・シルバークイル》です!
《シャドリクス・シルバークイル》の特徴 その1
《シャドリクス・シルバークイル》は飛行と二段攻撃を持っています。パワーは2と低めですが、《ロクソドンの戦槌》などの装備品や《悪魔の抱擁》などのオーラで強化すれば対戦相手に大ダメージを与えることができます。
クロタカ
飛行と二段攻撃は攻撃面でかなり強力な組み合わせですね。
《シャドリクス・シルバークイル》の特徴 その2
《シャドリクス・シルバークイル》は以下の能力を持っています。
あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたは以下から2つを選んでもよい。各モードはそれぞれ異なるプレイヤーを対象としなければならない。
・プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは飛行を持つ白黒の2/1の墨獣・クリーチャー・トークン1体を生成する。
・プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカード1枚を引き1点のライフを失う。
・プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分がコントロールしている各クリーチャーの上にそれぞれ+1/+1カウンター1個を置く。
トークン生成、ドロー、クリーチャー全体強化とどれも強力な能力ですね。
この能力のユニークなところが、モードを選択する場合、異なるプレイヤーを対象に取る必要があるところです。自分を対象にした場合能力の恩恵を受けることができますが、もう1つの対象は対戦相手の誰かを選び対戦相手も能力の恩恵を受けることになります。
クロタカ
どのモードをどのプレイヤーを対象にするか、使い手のセンスが問われるとてもおもしろい能力ですね。
+1/+1カウンターを置くモードは《シャドリクス・シルバークイル》が二段攻撃を持っているためシナジーを形成しています。
目指しているレベル
この記事では、こちらの統率者デッキパワーレベルでいうと5~6を目安に作っています。もっとカジュアルにしたい、もっとガチにしたいということであれば色々な改造ができると思いますので、ぜひご自身でも改造してみてください。
それではデッキリストをご紹介します。
デッキリスト
各カードの役割分類
除去(12)
- 《スカイクレイブの亡霊》
- 《命取りのうぬぼれ》
- 《虐殺のワーム》
- 《空の覆い隠し》
- 《軍部政変》
- 《命運の核心》
- 《剣を鍬に》
- 《カビーラの叩き伏せ》
- 《ケイヤの手管》
- 《ヘリオッドの介入》
- 《過大な贈り物》
- 《ハグラの噛み殺し》
ドロー(11)
- 《大衆扇動者、ブリーナ》
- 《無神経な血魔道士》
- 《織り手のティムナ》
- 《外交官、マンガラ》
- 《黄昏の預言者》
- 《血の贈与の悪魔》
- 《秘密のランデブー》
- 《吸心》
- 《刺のある研究》
- 《ファイレクシアの闘技場》
- 《不滅の太陽》
マナ加速(15)
- 《白蘭の騎士》
- 《つややかな雄鹿》
- 《真面目な身代わり》
- 《調和の守り手》
- 《暗黒の儀式》
- 《太陽の指輪》
- 《旅人のガラクタ》
- 《オルゾフの印鑑》
- 《秘儀の印鑑》
- 《精霊信者の剣》
- 《聖列のタリスマン》
- 《スカイクレイブの秘宝》
- 《古術師の地図》
- 《紋章旗》
- 《かごの中の太陽》
サーチ(2)
クリーチャー強化(8)
- 《光輝の学部長、シャイル》
- 《月皇の司令官、オドリック》
- 《大修道士、エリシュ・ノーン》
- 《フェリダーの撤退》
- 《神聖な訪問》
- 《天上の赦免》
- 《真理と正義の剣》
- 《大天使の霊堂》
トークン生成(14)
- 《戦闘書家》
- 《栄光の終焉》
- 《シュタルンハイムの解放》
- 《天使への願い》
- 《正義の命令》
- 《エメリアの呼び声》
- 《荒野の確保》
- 《銅纏いの呼集》
- 《尊い捧げ物》
- 《白の太陽の頂点》
- 《軍団の上陸》
- 《苦花》
- 《アーデンベイル城》
- 《死者の原野》
トークン倍化(1)
- 《選定された行進》
クリーチャーを墓地から戻す(1)
除去対策(1)
- 《テフェリーの防御》
攻撃クリーチャー対策(1)
- 《墨盾》
※土地のほとんどはマナを生む効果なので割愛しました。
デッキコンセプト
《シャドリクス・シルバークイル》で対戦相手のヘイトバランスをコントロールしながら、クリーチャーを並べて攻めるのがデッキコンセプトです。
最終的には《白の太陽の頂点》などで生成した大量のクリーチャー・トークンを《シャドリクス・シルバークイル》で強化し、対戦相手を殴り倒すことを目指しています。
現在の構成に至った経緯
《シャドリクス・シルバークイル》を初めて見た時にそのカッコ良さに一目惚れしてデッキを組むことを決めました。
クロタカ
光と闇のドラゴンみたいでもう最高にカッコいい!
調べたところ純粋な白黒2色のドラゴンは《シャドリクス・シルバークイル》が初みたいです。
まず《シャドリクス・シルバークイル》のモード選択能力は対戦相手を含むプレイヤーを対象にする必要があり、この能力を有効活用する方法を検討しました。
そして3つのモードの中でも+1/+1カウンター付与が特に強力だったので、《奉謝の亡霊》《月皇ミケウス》《歩行バリスタ》などの+1/+1カウンターシナジーのあるカードを多く採用し、さらに二段攻撃とも相性の良い装備品(《再鍛の黒き剣》、《梅澤の十手》、《火と氷の剣》など)をマシマシの構成にしました。
ところがこの構成で対戦してみたところ、動きがモッサリしていて全然しっくりきませんでした。
クロタカ
やはり《シャドリクス・シルバークイル》デッキの構築は難しいなと思いましたね。
その後クリーチャー・トークン生成カード(《エメリアの呼び声》、《アーデンベイル城》、《死者の原野》など)を大量に採用した(《シャドリクス・シルバークイル》含めて合計23枚)構成を試したところ手応えがあったので、大幅に改造して現在のデッキが完成しました。
《シャドリクス・シルバークイル》デッキの良いところ
ここからはこのデッキの良いところを紹介していきます。
対戦相手と共闘できる!
《シャドリクス・シルバークイル》のモード選択能力は対戦相手を含むプレイヤー2人を対象にする必要がある、かなりユニークな能力です。
この能力で特定の対戦相手に墨獣・トークンや+1/+1カウンターをプレゼントすれば、交渉次第でその対戦相手との共闘が成立するかもしれません。特に展開が出遅れているプレイヤーにプレゼントすると、共闘が成立しやすいと思います。そうして共闘すれば、盤面的に一番有利なプレイヤーを打ち負かすことができちゃうかも!
なかなか共闘してもらえない時は《秘密のランデブー》でドローをプレゼントしたり、
《尊い捧げ物》や《禁忌の果樹園》でトークンやライフをプレゼントすることで、交渉成立確率がグッと上がるはず!
対戦相手の1人が魔王状態(魔王戦フォーマットのような「1対その他」のこと)で独走しているような時には、《シャドリクス・シルバークイル》の能力で他の対戦相手2人に+1/+1カウンターと墨獣・トークンをプレゼントして魔王を攻撃してもらうこともできますよ。
そして自分が魔王にならないように上手く立ち回るのが共闘維持のコツです。「どうやらこちらにヘイトが向いているな」と思う時は《古えの墳墓》などでガンガンライフを削っちゃいましょう。そうすることでちょっとだけヘイトを逸らすことができます。
共闘している対戦相手の裏切りが怖い場合は、《風生まれの詩神》、《亡霊の牢獄》、《狡猾な弁論》などの攻撃クリーチャー対策カードの採用を検討してみるといいかもしれません。
最終的に共闘しているプレイヤーと一騎打ちになった際は、共闘を破棄して正々堂々殴り合いましょう!
クロタカ
《シャドリクス・シルバークイル》は上手く交渉すれば対戦相手と共闘できるかもしれない、対戦相手が複数人いる統率者戦でこそ真価を発揮するタイプの統率者です。
「統率者戦の談合や裏切りを体験してみたい!」という方には特にオススメですよ。
クリーチャー・トークンがいっぱい出せる!
「現在の構成に至った経緯」でも書きましたが、このデッキには《シャドリクス・シルバークイル》を含めて合計23枚のクリーチャー・トークン生成カードを採用しています。《シャドリクス・シルバークイル》は自分のクリーチャー全体に+1/+1カウンターを置く能力を持っているので、クリーチャー・トークンを並べるカードとは相性抜群です。
そんなクリーチャー・トークン生成カードの中でも特に大量のクリーチャー・トークンを生成できるのが、マナ・コストに{X}を含むカードです(《正義の命令》、《天使への願い》、《シュタルンハイムの解放》など)
これらのカードに大量のマナを注ぎ込めば、戦場をクリーチャー・トークンまみれにすることができますよ!
このデッキにはマナ加速カード(《太陽の指輪》、《スカイクレイブの秘宝》など)を計15枚と多めに採用しているので、マナが少なくて困るようなことはないと思います。
中でも大量のマナを生成できるのが《かごの中の太陽》です。
例えば白マナを生み出せる土地を多くコントロールしている状態で《かごの中の太陽》の指定で白を選択すれば、軽く10マナ以上生み出すことが可能です!
その他 《軍団の上陸》や《魔学コンパス》は変身すると土地になってマナ加速に貢献してくれますよ。
「対戦相手のクリーチャーが厄介だな」と思うときは、《軍部政変》でクリーチャーを一掃しつつ更地にトークンを大量展開しちゃいましょう!
また、「今度はアーティファクトやエンチャントが厄介だな」と思い始めたら、《空の覆い隠し》でクリーチャーと土地以外のパーマネントを一掃しつつ可愛い墨獣・トークンをいっぱい生み出してあげましょう!
これらのクリーチャー・トークン生成カードと合わせて《選定された行進》や《神聖な訪問》があれば、10体以上の4/4天使軍団を作り出せちゃうかも!
日本画ミスティカルアーカイブがいっぱい使える!
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の日本画ミスティカルアーカイブはどれも素晴らしいですよね! このデッキには『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の創設者である《シャドリクス・シルバークイル》のフレイバーを重視して、5枚の日本画ミスティカルアーカイブを採用しています。
ということで、ここからはその5枚の日本画ミスティカルアーカイブを紹介していきます。
《暗黒の儀式》
《シャドリクス・シルバークイル》の最速着地に貢献してくれるナイスなマナ加速。《暗黒の儀式》があると早ければ2〜3ターン目には《シャドリクス・シルバークイル》を戦場に出すことができますよ。
上手く噛み合えば、1ターン目から《ファイレクシアの闘技場》をプレイするロケットスタートが決められることも!
《剣を鍬に》
甲冑と鋤のギャップがなんとも乙ですね。
どんなクリーチャーでも対処できて手札にあると非常に安心感のあるカードです。ライフがピンチな時は自分のクリーチャーを追放してライフ回復にも使えますよ。
《悪魔の教示者》
鬼のアートがインパクト絶大な万能サーチカード。アートが墨絵のように描かれており、墨獣・トークンを生成する《シャドリクス・シルバークイル》とのフレイバー的相性も抜群です。
厄介なパーマネントがある時は《過大な贈り物》、
対戦相手が墓地を利用してきそうな時は 《ケイヤの手管》、
手札を補充したい時は《刺のある研究》と、そのとき時で必要なカードを2マナという低コストで探してこられるのが《悪魔の教示者》の魅力です。
クロタカ
《刺のある研究》は『統率者(2021年版)』で登場したインスタントのドロー呪文です。
《シャドリクス・シルバークイル》デッキで使うとマナ総量5なので5枚ドロー!と一気に手札を補充することができます。
《刺のある研究》は今後黒を含む5マナ以上の統率者でよく使われるカードになるんじゃないかなと思っています。
《テフェリーの防御》
和風テフェリーの躍動感が素晴らしい1枚。唱えると実質無敵状態になります。全体除去カードを使われた時に唱えられると効果絶大!
対戦相手の意表を突けるので、《テフェリーの防御》をプレイするとドラマチックな展開になることが多いですね。
《命運の核心》
ニコル・ボーラスとウギンの戦いが描かれている全体除去カード。オリジナルの『運命再編』版も結構好きなんですが、和風バージョンもまた素晴らしいですね!
ドラゴン以外のクリーチャーをすべて破壊できるので、エルダー・ドラゴンの《シャドリクス・シルバークイル》とは相性良好! 戦場をドラゴンだけの世界にしてしまいましょう!
デッキ内に採用している《命取りのうぬぼれ》も《命運の核心》と同じような用途で使うことができますよ。
ピックアップカード
ここからはいくつかのカードをピックアップして紹介していきます。
《天上の赦免》
《天上の赦免》は自分がコントロールしているすべてのクリーチャーに+1/+1修整、対戦相手がコントロールしているすべてのクリーチャーに−1/−1修整を付与するエンチャントで、「《シャドリクス・シルバークイル》デッキの良いところ」でも触れたクリーチャー・トークンの横並べ戦術と相性抜群です。
そして《天上の赦免》の最大の特徴が対戦相手のクリーチャーを弱体化させる効果です。これにより《シャドリクス・シルバークイル》の能力で対戦相手にプレゼントした墨獣・トークンは、戦場に出た瞬間死亡します。もう誰に墨獣・トークンをプレゼントするか迷わなくていいんです! これで自分だけ悠々とドローしたり、+1/+1カウンターを置くことができますね。
《天上の赦免》が出ちゃったら、仕方ないので対戦相手との共闘は諦めましょう。《虐殺のワーム》がいれば墨獣・トークンをプレゼントした対戦相手のライフを失わせることもできます。これはなかなかにエグい組み合わせですね!
《天上の赦免》はさらに墓地対策能力とスピリット・トークン生成能力も持っています。
危なそうなクリーチャーを墓地から追放したら、おまけでスピリット・トークンも付いてきてめっちゃお得!
このデッキには《天上の赦免》と同じ用途で《大修道士、エリシュ・ノーン》も採用しています。
この2枚が揃ってしまったら対戦相手のほとんどのクリーチャーの生存権はなくなります! 共闘どころか魔王状態になってしまうでしょう!……まあ、談合したり裏切ったりが統率者戦の醍醐味なので、揃っちゃったらこれはもう仕方ありませんね。
クロタカ
「もっともっとクリーチャーを弱体化してやるぜ!」という魔王への就職をご希望の方には、《疫病を仕組むもの》、《悪意に満ちた者、ケアヴェク》、《魂の裏切りの夜》などがオススメですよ。
対戦相手からのヘイトは爆上がりしそうですが、魔王はそんなこと気にしないですよね?
《光輝の学部長、シャイル》&《暗影の学部長、エムブローズ》
《光輝の学部長、シャイル》&《暗影の学部長、エムブローズ》はシルバークイル大学の学部長2人のモードを持つ両面カードです。
《光輝の学部長、シャイル》の方はターン中に自分の戦場に出たすべてのクリーチャーに+1/+1カウンターを置く能力を持っています。《荒野の確保》などの複数体のトークンを生成するカードと相性抜群です。
《光輝の学部長、シャイル》はマナ総量2と軽く、飛行、警戒を持っているので、序盤に《精霊信者の剣》などの装備品を装備して攻撃したり、
《大衆扇動者、ブリーナ》や《織り手のティムナ》の能力でドローするための攻撃要員にうってつけです。
《暗影の学部長、エムブローズ》はクリーチャー1体に+1/+1カウンターを1個置き、2点ダメージを与える能力を持っています。さらに自分がコントロールしている+1/+1カウンターが置かれているクリーチャーが死亡するたびにドローできる能力も持っています。
1つ目の能力でクリーチャーに+1/+1カウンターを置けるので、2つの能力がシナジーを形成しています。特にクリーチャー全体に+1/+1カウンターを置ける《シャドリクス・シルバークイル》とは相性抜群です。さらに+1/+1カウンターを置きつつ2点ダメージを与えられるので、《極楽鳥》などのタフネス1クリーチャーの除去にも使えますよ。
また、《苦花》で生成したフェアリー・トークンに+1/+1カウンターを置きつつダメージを与えて、毎ターンドローするという使い方もできますね。
クロタカ
ちなみに《暗影の学部長、エムブローズ》は、同じく『ストリクスヘイヴン:魔法学院』に収録されている《墨の決闘者、キリアン》のお父さんです。
その《墨の決闘者、キリアン》が主人公でシルバークイル大学オールスターも登場する「サイドストーリー第5話:音なき声が呼んでいる」は要チェックやで!
《戦闘書家》
《戦闘書家》は以下の能力を持っています。
すべての墨獣は、あなたや、あなたがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃できない。
プレイヤー1人があなたの対戦相手1人を攻撃するたび、その攻撃プレイヤーは、飛行を持つ白黒の2/1の墨獣・クリーチャー・トークン1体を、タップ状態かつその攻撃されたプレイヤーを攻撃している状態で生成する。
対戦相手1人を攻撃するごとに、攻撃している状態の墨獣・トークンを生成することができます。通常統率者戦では対戦相手が3人いるので、マックス3体もの墨獣・トークンを一度の戦闘で生成することができますよ。
そして《戦闘書家》の能力のおもしろいところが、対戦相手が他の対戦相手を攻撃した際にも能力が誘発するところです。みんなが攻撃を繰り返したら戦場が墨獣まみれになりそうですね!
《戦闘書家》をコントロールしているプレイヤーを攻撃しても墨獣・トークンは生成されないので、自然と対戦相手同士の殴り合いを扇動することができます。
もし対戦相手の墨獣・トークンがこちらを攻撃しようとしても、《戦闘書家》がいる限り墨獣はこちらを攻撃できない安心設計! 《シャドリクス・シルバークイル》で対戦相手にプレゼントした墨獣・トークンももちろん攻撃できません。これで気軽に墨獣・トークンをプレゼントできますね。
そんな《戦闘書家》と特に相性の良いカードが、先程「ピックアップカード」でも紹介した《天上の赦免》と《大修道士、エリシュ・ノーン》です。これらが戦場にあると自分が生成する墨獣・トークンは強化され、対戦相手の墨獣・トークンは戦場に出た瞬間死亡するので、一方的な状況を作り出すことができます!
クロタカ
墨獣・トークンの強化には (アートはグロめですが)《死を運ぶ者のしもべ》もオススメですよ。
《墨盾》
《墨盾》は自分が受けるすべての戦闘ダメージを軽減して、そのダメージの点数に等しい墨獣・トークンを生成できるインスタントです。例えばパワー5の《ヴェロマカス・ロアホールド》のダメージを軽減した場合、墨獣・トークンが5体生成されます。これだけでもかなりのインパクトですね!
そして一番狙ってみたいのが、《孔蹄のビヒモス》などの全体強化クリーチャーを駆使して対戦相手が全軍突撃してきたタイミングです。結構平気で40点以上の打点を叩き出してくるので、これに合わせて《墨盾》を唱えれば、ダメージを軽減しつつ一気に40体以上の墨獣・トークンを生成することができます! 次のターンに大量の墨獣・トークンで攻撃すればそのまま勝てちゃいそうですね。
このデッキには《墨盾》を含めて合計14枚のインスタントが入っているので、結構構え得です。対戦相手が攻撃して来なかったら《荒野の確保》や《白の太陽の頂点》でトークンを生成しちゃいましょう。
《古術師の地図》
《古術師の地図》の能力は以下の通りです。
古術師の地図が戦場に出たとき、あなたのライブラリーから基本平地カード最大2枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。
土地1つが対戦相手のコントロール下で戦場に出るたび、そのプレイヤーがあなたよりも多くの土地をコントロールしている場合、あなたはあなたの手札から土地カード1枚を戦場に出してもよい。
まず戦場に出た時に基本平地カードを2枚サーチしてカードアドバンテージを得られるところがナイスですね。土地事故していて土地が引けていない時に唱えられるとめちゃめちゃ助かります。
そして《古術師の地図》は対戦相手が土地を戦場に出すたびに、自分の手札から土地カードを1枚戦場に出せる《芽ぐみ》に似た能力も持っています。土地サーチ能力とシナジーを形成していてこれまた素晴らしいですね!
土地を出した対戦相手が自分より土地を多くコントロールしている場合という制約はありますが、対戦相手が《耕作》などの土地加速カードを多用するデッキだった場合、高確率で自分も土地カードを出すことができます。
《シャドリクス・シルバークイル》デッキは白黒という固有色的に土地加速はあまり得意ではないので、《古術師の地図》の土地加速能力はかなりありがたく感じますね。それでも手札に土地がない時は《魔学コンパス》でサーチしてきましょう。それでも足りない時は《土地税》で持ってくるという手もありますよ。
土地がいっぱい戦場に出るので、上陸能力を持つ《フェリダーの撤退》とも相性抜群です!
クロタカ
《古術師の地図》は緑を含まないデッキでもドンドン土地加速できてかなり新感覚なカードです。
『統率者(2021年版)』の中でも一押しなので、是非使ってみてください!
デッキの回し方で意識するポイント
ここからはデッキの回し方について確認していきましょう。
対戦相手に墨獣・トークンをプレゼントする
《シャドリクス・シルバークイル》の能力でどのプレイヤーにどのモードを選択するか迷っちゃいますよね。そんな時は対戦相手に墨獣・トークンをプレゼントして、自分にはドローか+1/+1カウンター付与モードを選択しましょう。墨獣・トークンは《シャドリクス・シルバークイル》でブロックできるのでそこまでの脅威にはなりません。
プレゼントする対戦相手は一番展開が出遅れている脅威レベルが低いプレイヤーを選択するのがポイントです。このデッキには対戦相手がクリーチャーを多くコントロールしているほどに効果が大きくなる《調和の守り手》や《銅纏いの呼集》を採用しているので、むしろプレゼントすることがメリットにもなります。
クロタカ
対戦相手がクリーチャーを1体もコントロールしていない時は、+1/+1カウンターをプレゼントするのも有効です(クリーチャーがいないので何も起こりません)。
自分を対象にするモードは、手札が少ない時はドロー、クリーチャーがいっぱい並んでいる時は+1/+1カウンター付与と、状況に応じて判断することになりますが、もし迷った時はカードアドバンテージを得られるドローモードを選択するのが無難です。
自身がドロー能力を持つ統率者はプレイしていて本当に「ありがたいな〜」と思いますね。ドローは正義。「もっといっぱいドローしたいよ!」というドロー狂の方には《アルハマレットの書庫》なんかもオススメです。
かなり限定的な状況にはなりますが、対戦相手のライフが残り1の時はドローモードでとどめを刺すこともできますよ。頭の片隅に置いておけば、いつか活きる時が来るかも!
クロタカ
3つのモードを的確に選んで、目指せシャドリクスマスター!
クリーチャーを並べて攻撃する
このデッキの勝ちパターンは対戦相手に戦闘ダメージを与えてライフを0にすることしかほぼ存在しません。なので、クリーチャーを並べて積極的に攻撃していきましょう!
デッキ内には《シャドリクス・シルバークイル》を含めてクリーチャー強化カードを多く採用しているので(《不滅の太陽》、《紋章旗》、《大修道士、エリシュ・ノーン》など)戦闘を有利に進めることができるはずです。
攻撃するとボーナスが発生するカードも多く採用しているので(《大衆扇動者、ブリーナ》、《織り手のティムナ》、《精霊信者の剣》など)、自然と攻撃したくなってしまうことでしょう。
対戦相手からの反撃については、《外交官、マンガラ》を出して攻撃を躊躇してもらったり、《オラーズカの尖塔》で攻撃クリーチャーを無効化しちゃいましょう!
その他、《フェリダーの撤退》で+1/+1カウンターと警戒を付与して攻めるのも良さそうですね。
しっかりライフを回復する
黒を含むカードはライフを失いつつアドバンテージを得るものが多くあります。
このデッキにもそんなライフを失うカードが複数枚入っています(《無神経な血魔道士》、《血の贈与の悪魔》、《ファイレクシアの闘技場》など)。
統率者である《シャドリクス・シルバークイル》のドローモードでもライフを失いますね。特に《刺のある研究》は大量のカードアドバンテージを得ることができる代償としてライフもごっそり削られます。
このままライフを失い続けたらいずれ0になって敗北してしまうので、意識してこまめに回復するようにしましょう。そのためにこのデッキにはライフを回復できるカードを多めに採用しています(《黄昏の預言者》、《ケイヤの手管》、《ヘリオッドの介入》など)。
クリーチャーがある程度並んでいる時に《大天使の霊堂》を起動すれば、ガッツリライフを回復することができますよ!
勝ちパターン紹介
ここからはいよいよこのデッキの勝ちパターンについて紹介していきます。
《真理と正義の剣》で+1/+1カウンターフィーバー!
《シャドリクス・シルバークイル》に《真理と正義の剣》を装備して対戦相手を殴り倒す勝ちパターンです。
《真理と正義の剣》は以下の能力を持つ装備品です。
装備しているクリーチャーは、+2/+2の修整を受け、プロテクション(白)とプロテクション(青)を持つ。
装備しているクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたがコントロールしているクリーチャー1体の上に+1/+1カウンターを1個置き、その後増殖を行う。
戦闘ダメージを与えるたびに能力が誘発するので、二段攻撃を持つ《シャドリクス・シルバークイル》とは相性抜群です。
《シャドリクス・シルバークイル》に《真理と正義の剣》を装備して攻撃すると以下のようなことが起こります。
- 戦闘開始時に《シャドリクス・シルバークイル》の能力で自分のコントロールしているクリーチャー全体に+1/+1カウンターを1個置く
- 第1戦闘ダメージステップに戦闘ダメージを与えて《シャドリクス・シルバークイル》に+1/+1カウンターを1個置き、増殖を行う(+1/+1カウンター合計3個)
- 第2戦闘ダメージステップに再度戦闘ダメージを与えて《シャドリクス・シルバークイル》に+1/+1カウンターを1個置き、増殖を行う(+1/+1カウンター合計5個)
というように一度の戦闘で最大5個も+1/+1カウンターを置くことができます!
《真理と正義の剣》の修整値を足すと《シャドリクス・シルバークイル》のパワーは9まで上昇。もう一度攻撃すれば統率者ダメージ21点を超えて対戦相手を殴り倒すことができますね! プロテクション(白)を持つので、対戦相手にプレゼントした墨獣・トークンからブロックされなくなるナイスシナジー。
その他、増殖や二段攻撃と相性の良い感染付与カード(《生体融合外骨格》、《ファイレクシア化》、《汚れた一撃》など)で毒殺するプランも結構オススメですよ。
クロタカ
先日公開された『フォーゴトン・レルム探訪』の《ヴォーパル・ソード》は、接死も付与され《シャドリクス・シルバークイル》と相性抜群です。
そして何より{5}{B}{B}{B}の起動型能力で対戦相手をワンパンしてみたい! もう今から発売が待ち切れないです!
《栄光の終焉》でフィナーレ!
《栄光の終焉》で大量のトークンを生成して対戦相手を殴り倒す勝ちパターンです。
《栄光の終焉》は{X}{W}{W}のコストを持つソーサリーで、支払ったXの分だけ2/2警戒の兵士・トークンを生成することができます。そしてXが10以上だと、支払ったXの分だけ4/4天使・トークンを生成することができるんです!
とは言え{10}{W}{W}はなかなか簡単に支払えるマナではありません。そんな時は《かごの中の太陽》、 《古えの墳墓》、《邪神の寺院》などで一気にマナを加速しちゃいましょう。
4/4天使・トークンが10体以上並んだら対戦相手の何人かは殴り倒せそうですね! この時《選定された行進》があれば天使トークンが20体以上されるので、対戦相手全員をオーバーキルできちゃうかも!
《シャドリクス・シルバークイル》からの《月皇の司令官、オドリック》!
《シャドリクス・シルバークイル》がいる時に《月皇の司令官、オドリック》を出してクリーチャー全体を強化する勝ちパターンです。
《月皇の司令官、オドリック》は自分がコントロールしているクリーチャーが持つキーワード能力を、その他の自分がコントロールしているすべてのクリーチャーに共有する能力を持っています。《シャドリクス・シルバークイル》は飛行と二段攻撃を持っているので、自分がコントロールしているすべてのクリーチャーが飛行と二段攻撃を得ることに!
《白の太陽の頂点》などでクリーチャー・トークンを大量生成して《大修道士、エリシュ・ノーン》などで強化すれば、対戦相手のライフをごっそり削れることでしょう!
クロタカ
「《シャドリクス・シルバークイル》と相性が良くナイスなキーワード能力を持つカード」を探している方には、《不死の援護者、ヤヘンニ》、《夜鷲のあさり屋》、《墓所のタイタン》などがオススメです。
今回の統率者戦デッキ紹介はこれでおしまいです。
クロタカ
《シャドリクス・シルバークイル》はちょっと使いこなすのが難しい部類の統率者ですが、その分使い慣れたら「俺の相棒」感がかなり出るんじゃないかと思います。
何よりかっこいいので、ぜひ使ってみてください!
次回は再び『ストリクスヘイヴン:魔法学院』、もしくは近々発売される『モダンホライゾン2』のカードから統率者のデッキを紹介する予定です。
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう。お楽しみに!
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