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クロタカの統率者図書館
第10回:デッキ紹介《エルフの刃、ラスリル》
読者の皆さん、こんにちは! 統率者連載担当のクロタカです。
早いもので、クロタカの統率者図書館の連載も第10回目となりました。「もうそんなに書いたのか!」と自分でも驚いています。ここまで続けられているのはこの連載を読んでくださっている読者の皆さんのおかげです。いつもありがとうございます。これからも楽しい統率者戦の情報をお届けしていく所存です!
ということで今回も前回に引き続き『カルドハイム』に収録されているカードの統率者デッキを紹介していきたいと思います。
目次
統率者紹介
今回紹介するデッキの統率者は、『カルドハイム』統率者デッキに収録されている《エルフの刃、ラスリル》です!
《エルフの刃、ラスリル》の特徴 その1
《エルフの刃、ラスリル》はプレイヤーに戦闘ダメージを与えるとその点数に等しい数のエルフ・戦士・トークンを生成する能力を持っています。
《エルフの刃、ラスリル》のパワーは2なので、通常は2体のトークンを生成することができます。
クロタカ
《エルフの刃、ラスリル》は威迫を持っているので、ブロックされづらいのがナイスですね。
生成するトークンの数は与えた戦闘ダメージの点数に等しいので、《エルフの刃、ラスリル》のパワーを上げることができればより多くのトークンを生成することが可能です。
《エルフの刃、ラスリル》の特徴 その2
《エルフの刃、ラスリル》は以下の能力を持っています。
{T}, あなたがコントロールしていてアンタップ状態であるエルフ10体をタップする:すべての対戦相手は10点のライフを失い、あなたは10点のライフを得る。
《エルフの刃、ラスリル》以外にエルフが10体も必要になりますが、起動できた時のインパクトが凄まじい能力ですね。特徴その1の能力でエルフ・トークンを生成できるので2つの能力がシナジーを形成しています。
《エルフの刃、ラスリル》のトークン生成能力やエルフをプレイすることで戦場をエルフまみれにできるので、このドレイン能力も案外楽に起動することができます。
クロタカ
戦闘を介さずに対戦相手を倒すこともできるナイスな能力ですね。
目指しているレベル
この記事では、こちらの統率者デッキパワーレベルでいうと5~6を目安に作っています。もっとカジュアルにしたい、もっとガチにしたいということであれば色々な改造ができると思いますので、ぜひご自身でも改造してみてください。
それではデッキリストをご紹介します。
デッキリスト
各カードの役割分類
除去(11)
- 《ヴィリジアンのシャーマン》
- 《再利用の賢者》
- 《鋸歯傷の射手》
- 《虚無魔道士の番人》
- 《無情な選別者》
- 《原初の力》
- 《滅び》
- 《同族の支配》
- 《暗殺者の戦利品》
- 《ハグラの噛み殺し》
- 《ウィンドグレイスの裁き》
ドロー(12)
- 《エルフの幻想家》
- 《スケムファーの王、ヘラルド》
- 《ラノワールの幻想家》
- 《オークヘイムの敵対者》
- 《数多の声》
- 《獣に囁く者》
- 《大蛇の契約》
- 《吸心》
- 《巫師の天啓》
- 《狩人の勇気》
- 《野生語りの帰還》
- 《作戦室》
マナ加速(13)
- 《エルフの神秘家》
- 《フィンドホーンのエルフ》
- 《ラノワールのエルフ》
- 《ティタニアの僧侶》
- 《培養ドルイド》
- 《楽園のドルイド》
- 《ラノワールの幻想家》
- 《ウッド・エルフ》
- 《エルフの大ドルイド》
- 《彼方地のエルフ》
- 《春花のドルイド》
- 《養育者、マーウィン》
- 《スケムファーの報奨》
サーチ(3)
- 《巨森の予見者、ニッサ》
- 《ナイレアの介入》
- 《破滅の終焉》
クリーチャー強化(14)
- 《ジョラーガの戦呼び》
- 《森林守りのエルフ》
- 《背教の主導者、エズーリ》
- 《光り葉の将帥、ドゥイネン》
- 《梢の戦術家》
- 《清廉潔白な判事》
- 《悪魔の抱擁》
- 《スケムファーの冠》
- 《稲妻のすね当て》
- 《速足のブーツ》
- 《旗印》
- 《巨森、オラン=リーフ》
- 《先祖の院、翁神社》
- 《死の溜まる地、死蔵》
トークン生成(5)
- 《エルフの戦練者》
- 《森林の声》
- 《クズリの騎兵》
- 《三人組の狩り》
- 《スケムファーの古の間》
トークン倍化(2)
クリーチャーアンタップ(1)
- 《復活の探索》
対戦相手のライフを失わせる(2)
クリーチャーを墓地から戻す or カードを墓地から手札に加える(2)
除去対策(1)
- 《英雄的介入》
攻撃クリーチャー対策(1)
- 《スコフォスの迷宮》
墓地対策(2)
(分類外の)エルフカード(1)
その他(2)
※土地のほとんどはマナを生む効果なので割愛しました。
デッキコンセプト
《エルフの刃、ラスリル》でエルフを生成して、大量のエルフ軍団で攻めるのがデッキコンセプトです。《エルフの刃、ラスリル》以外にも《エルフの戦練者》などでエルフを生成したり、
《光り葉の将帥、ドゥイネン》などでエルフを強化して攻撃したり、
《エルフの刃、ラスリル》のドレイン能力で対戦相手を倒すことを目指しています。
現在の構成に至った経緯
《エルフの刃、ラスリル》を最初見たとき、『ローウィン』期の緑黒エルフデッキを思い出して懐かしくなり、統率者としてデッキを組むことを決めました。
クロタカ
今回はエルフオンリーの部族デッキにしたかったので、採用するクリーチャーはすべてエルフにしました(合計38枚。《エルフの刃、ラスリル》を含む)。
エルフは人気部族なので種類が多くあり、より《エルフの刃、ラスリル》と相性が良いものを厳選することができました。また、《エルフの刃、ラスリル》は与えた戦闘ダメージによって生成されるトークンの数が変わるので、《エルフの刃、ラスリル》を強化するカードを多めに採用しました(合計19枚)。
そうして《エルフの刃、ラスリル》の能力などでエルフを大量展開して、最終的には《エルフの刃、ラスリル》のドレイン能力でトドメを刺す、エルフオンリー部族デッキが完成しました。
クロタカ
採用しているエルフ関連カードのほとんどは、今回の統率者デッキ「エルフの帝国」に入っていたものです。「エルフの帝国」はホントにクオリティーが高い!
今回から《スケムファーの報奨》などの新規収録カード数が増えたのも嬉しかったですね。
《エルフの刃、ラスリル》デッキの良いところ
ここからはこのデッキの良いところを紹介していきます。
エルフ帝国を築ける!
《エルフの刃、ラスリル》デッキの良いところは、なんと言ってもエルフを大量に展開できることです。
最も簡単にエルフを増やす方法は《エルフの刃、ラスリル》で戦闘ダメージを与えることです。また《エルフの戦練者》や《三人組の狩り》などでも一気にエルフを増やせますね。
クロタカ
《エルフの戦練者》と《三人組の狩り》はクリーチャーを強化することもできるので、《エルフの刃、ラスリル》の打点を上げることもできちゃうナイスなカードです。
《三人組の狩り》は何気にエルフ・カードなので《スケムファーの王、ヘラルド》で手札に加えることもできますよ。
さらにエルフを増やしたい時は《狩人の勇気》や《先祖の院、翁神社》などで《エルフの刃、ラスリル》を強化したり、
《似通った生命》や《倍増の季節》でエルフ・トークンを2倍生成しちゃいましょう!
エルフには《梢の戦術家》などの通称「ロード能力」を持つカードが多く存在するので、大量展開したエルフ帝国の民を一気に強化することができます。
その他、このデッキには『カルドハイム』のエルフが住む領界の《スケムファーの古の間》や、
『ローウィン』のエルフが住む《光り葉の宮殿》も採用しているので、フレイバー的にもエルフ帝国を感じられると思います。
クロタカ
特に《スケムファーの古の間》はエルフ・トークンを2体も生成できるので、《エルフの刃、ラスリル》と相性抜群です!
大量のマナを生み出せる!
エルフの特徴と言えばやはり《エルフの神秘家》などの通称「マナクリーチャー」の存在です。
マナクリーチャーは序盤のマナ加速に貢献してくれるので、このデッキには合計11枚のマナクリーチャーを採用しています。(《培養ドルイド》《楽園のドルイド》 《ラノワールの幻想家》など)
そしてマナクリーチャーの中でも特に大量のマナを生み出せるのが、《ティタニアの僧侶》、《エルフの大ドルイド》、《養育者、マーウィン》の3枚です。
《ティタニアの僧侶》は戦場にいるすべてのエルフの数に等しい{G}、《エルフの大ドルイド》は自分がコントロールしているエルフの数に等しい{G}、《養育者、マーウィン》は自身のパワーに等しい{G}を加えることができます。《養育者、マーウィン》のパワーは《エルフの刃、ラスリル》でエルフ・トークンを生成すれば簡単に上げることができますよ。
これらのカードでマナを大量に生み出したら{X}呪文などのマナを注ぎ込むほど強くなる呪文を唱えて対戦相手を圧倒したいですね!
ということでここからはオススメのマナの注ぎ込み先をご紹介します。
《原初の力》
《原初の力》はクリーチャー1体に+X/+X修整を付与して、さらに格闘で除去もできるソーサリーです。大量のマナから《エルフの刃、ラスリル》を強化すれば、統率者ダメージで対戦相手を殴り倒せるかも!
《破滅の終焉》
《破滅の終焉》は墓地やライブラリーから点数で見たマナ・コストがX以下のクリーチャーを探して戦場に出せるソーサリーです。
そしてXが10以上だと、自分がコントロールしているクリーチャーに+X/+X修整と速攻を付与することができるんです! マナクリーチャーから生み出した大量マナを注ぎ込んで、ムッキムキのエルフ軍団で対戦相手を踏み荒らしちゃいましょう!
《ジョラーガの戦呼び》は多重キッカーを支払った分だけ+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出てきて、自身に置かれている+1/+1カウンターの数だけ自分がコントロールしているエルフを強化する「ロード」クリーチャーです。
例えば大量マナから多重キッカーを5回支払ったらエルフ全体が+5/+5修整! もう対戦相手何人かは殴り倒せちゃいそうですね。ちなみに後から《ジョラーガの戦呼び》に+1/+1カウンターを置いても全体強化能力に影響するので、 《三人組の狩り》の「補強」などを使うとさらにすごいことになりますよ。
「せっかく大量にマナが生めるのに使い道がない!」なんてことがよくあります。そんな時に活躍してくれるのが《僻境生まれの保護者》です。
《僻境生まれの保護者》は自分のコントロール下で人間でないクリーチャーが戦場に出たときに{X}を支払うことで、自身に+1/+1カウンターをX個置けるエルフです。
マナの注ぎ込み先を探している時はとりあえず《僻境生まれの保護者》に全部突っ込んで、20/20くらいのマッスルエルフにしちゃいましょう!
必殺技が使える!
統率者が必殺技を持っていたら使いたくなっちゃうのが人の性ですよね(クロタカの想像です)。《エルフの刃、ラスリル》は対戦相手全員から10点ドレインできる非常に魅力的な必殺技を持っています。
《エルフの刃、ラスリル》以外に10体のエルフが必要と条件は一見厳しめですが、このデッキなら案外簡単に達成することができます。例えば 《スケムファーの冠》で《エルフの刃、ラスリル》を強化して一気にエルフ・トークンを大量生成したり、
《傲慢な完全者》や《クズリの騎兵》でエルフ・トークンを生成したり、
《似通った生命》や《倍増の季節》でトークンを2倍生成したりすると、すぐに10体くらいは揃っちゃいます。「ちょっとエルフが足りないな」という時は《変わり谷》をクリーチャー化しちゃいましょう。
そうすることで10点ドレインの必殺技をお見舞いすることができます!
ピックアップカード
ここからはいくつかのカードをピックアップして紹介していきます。
《悪魔の抱擁》
《エルフの刃、ラスリル》は威迫を持っているのでブロックされづらいのですが、盤面が膠着してきて対戦相手がブロッカーを複数体用意していると途端に攻撃に行けなくなってしまいます。そんな局面を打開してくれるカードが《悪魔の抱擁》です。
《悪魔の抱擁》はエンチャントしているクリーチャーに+3/+1修整と飛行を付与するので、膠着した盤面でも《エルフの刃、ラスリル》で戦闘ダメージを与えられるようになります。
クロタカ
飛行と威迫の組み合わせはほぼブロックされません。
しかもパワーが5になるので、5体のエルフ・トークンが生成できます! このまま2回戦闘ダメージを与えられれば必殺技の10点ドレインも起動できますね!
そして《悪魔の抱擁》の最大の特徴が、墓地からでも唱えられるところです。《エルフの刃、ラスリル》が除去されて《悪魔の抱擁》も墓地に行ってしまっても、再度《エルフの刃、ラスリル》と《悪魔の抱擁》を唱えて再び攻勢を仕掛けることができます。
《悪魔の抱擁》を墓地から唱える際は手札1枚を捨てて3点のライフを支払う必要がありますが、リターンに対してかなり安いコストです。
同じオーラの 《スケムファーの冠》も墓地から回収できるので、《エルフの刃、ラスリル》の継続的な強化に貢献してくれますよ。
クロタカ
「もっと《エルフの刃、ラスリル》を強化していっぱいエルフ・トークンを生成したい!」という方には《驚異的成長》や《エルドラージの徴兵》もオススメですよ。
《清廉潔白な判事》
エルフカードの中でも特に爆発力があるのが《清廉潔白な判事》です。
《清廉潔白な判事》は自分がコントロールしているエルフの数だけ対象のクリーチャー1体に+1/+1カウンターを置けるクリーチャーです。能力は《森林守りのエルフ》に似ていますが、《清廉潔白な判事》は+1/+1カウンターを置けるので《森林守りのエルフ》より強力です。このデッキにはエルフ・クリーチャーしか入っていないので、《清廉潔白な判事》で一気に10個以上の+1/+1カウンターを置けることもあります。
《稲妻のすね当て》や《速足のブーツ》があれば《清廉潔白な判事》を戦場に出したターンから能力を起動することができます。
さらに《倍増の季節》で+1/+1カウンターを2倍置ければ《エルフの刃、ラスリル》で対戦相手をワンパンできるかも!
ブロッカーが複数体いる時は《死の溜まる地、死蔵》で畏怖を付与しちゃいましょう。
※「畏怖」は黒でもアーティファクトでもないクリーチャーにはブロックされなくなる能力です。
その他《清廉潔白な判事》は《ジョラーガの戦呼び》や《養育者、マーウィン》ともシナジーがあります。あと《苔汁の橋》の秘匿条件も簡単に達成できますね。
クロタカ
エルフデッキでこそ真価を発揮する《清廉潔白な判事》。
使っていて楽しいめっちゃオススメのエルフです!
《復活の探索》
《復活の探索》の能力は以下の通りです。
あなたがコントロールするクリーチャーが1体タップ状態になるたび、あなたは復活の探索の上に探索カウンターを1個置いてもよい。
復活の探索の上に4個以上の探索カウンターが置かれているかぎり、他の各プレイヤーのアンタップ・ステップ中にあなたがコントロールするすべてのクリーチャーをアンタップする。
探索条件を達成していれば各プレイヤーのターンに自分がコントロールしているクリーチャーをすべてアンタップできるすごいエンチャントです。
探索カウンターを置く条件である「あなたがコントロールするクリーチャーが1体タップ状態になるたび」も、このデッキには《フィンドホーンのエルフ》などのタップ型の起動型能力を持つクリーチャーが合計15体いるので結構簡単に満たすことができます。
もしタップ型の起動型能力を持つクリーチャーがいなかったとしても、《エルフの刃、ラスリル》などで攻撃すればそれだけで探索カウンターを置けるのでかなり緩い条件だと思います。
そんな《復活の探索》が一番真価を発揮するのが《エルフの刃、ラスリル》と組み合わせた時です。
まず《エルフの刃、ラスリル》の10点ドレイン能力を起動すると《復活の探索》に探索カウンターが11個置かれて探索条件を達成します。そして対戦相手のターンにも《エルフの刃、ラスリル》を含むエルフたちがアンタップするようになるので、自分のターンが返ってくるまでに《エルフの刃、ラスリル》の10点ドレイン能力を4回起動して(※対戦相手が3人いた場合は)対戦相手全員から合計40点ドレインできます! 40点もドレインできたらほぼほぼゲームセットですね。
《エルフの刃、ラスリル》以外にも《復活の探索》とシナジーのあるカードをいくつか採用しているのでご紹介します。
《森林の声》
《森林の声》は自分がコントロールしているエルフ5体をタップすると7/7のエレメンタル・トークンを1体生成できるクリーチャーです。
エルフが5体いる状態で《復活の探索》があれば、毎ターンエレメンタルを生成して戦場をファッティまみれにすることができます!
クロタカ
エレメンタル・トークンはトランプルを持っているのでかなり強力ですよ!
あと「エルフの帝国」で《森林の声》の新規アートが収録されたのは結構嬉しかったですね。
《虚無魔道士の番人》
《虚無魔道士の番人》はアンタップ状態のクリーチャーを4体タップすることでアーティファクトかエンチャントを1つ破壊することができます。
《虚無魔道士の番人》も前述した《森林の声》同様、《復活の探索》があれば毎ターンアーティファクトかエンチャントを破壊できるようになります。
しかも《虚無魔道士の番人》はタップするクリーチャーに条件がないので、《ザットの意志》で生成したスラル・トークンをコストに充てても問題ありません。
《虚無魔道士の番人》の能力はインスタント・タイミングで起動できるので、とりあえず構えておいて厄介なアーティファクトやエンチャントが出てきたら起動するムーブが強力です。
《鋸歯傷の射手》
《鋸歯傷の射手》はタップすることで飛行を持つクリーチャー1体に自身のパワーに等しいダメージを与えられるクリーチャーです。毎ターンアンタップできればエルフが苦手な飛行クリーチャーを次々と撃墜できますね。
《死儀礼のシャーマン》は墓地から土地、インスタント、ソーサリー、クリーチャーのどれかを追放して、マナを生んだり、各対戦相手のライフを失わせたり、回復したりできる非常に万能なクリーチャーです。毎ターンアンタップして各対戦相手のライフを2点失わせられると特に強力です。
《清廉潔白な判事》
先程ピックアップカードで紹介した《清廉潔白な判事》も《復活の探索》と相性抜群です。
《清廉潔白な判事》で毎ターン5個くらいの+1/+1カウンターを置けたら、《エルフの刃、ラスリル》で対戦相手をワンパンできそうですね。
《無情な選別者》
《無情な選別者》は各プレイヤーのアップキープにエルフ以外のクリーチャーを生け贄に捧げさせるクリーチャーです。まさにこのエルフ単デッキにふさわしいカードで、自分はほとんどデメリットなく対戦相手のクリーチャーだけを除去してくれます。デザイン的にはちょうど《クズリの騎兵》と対をなしている感じですね。
このデッキは《荒廃鋼の巨像》などの破壊不能を持つクリーチャーを処理するのが苦手なのですが、《無情な選別者》がいればそんな厄介なクリーチャーも除去することができます。
対戦相手のクリーチャーの数が減るので《エルフの刃、ラスリル》の攻撃を通しやすくなるというメリットもあります。また、《数多の声》で多くのカードを引きやすくなりますね。
《巨森の予見者、ニッサ》
《巨森の予見者、ニッサ》の能力は以下の通りです。
巨森の予見者、ニッサが戦場に出たとき、あなたはあなたのライブラリーから基本森・カードを1枚探してもよい。そうしたなら、それを公開してあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。
土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたが7つ以上の土地をコントロールしている場合、巨森の予見者、ニッサを追放し、その後、これを変身させた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
戦場に出た時に基本森カードをサーチできるのでカード・アドバンテージを得ることができる優秀なクリーチャーです。そしてしっかりクリーチャータイプはエルフなのでエルフ部族シナジーにも貢献してくれます。
そんな《巨森の予見者、ニッサ》の最大の特徴が、土地を戦場に出した際土地を7つ以上コントロールしていた場合、《精霊信者の賢人、ニッサ》に変身させることができることです。
変身条件の土地7つというのが多く感じるかもしれませんが、《ウッド・エルフ》、《彼方地のエルフ》、《春花のドルイド》などで土地加速できるので案外簡単に達成することができます。
《精霊信者の賢人、ニッサ》に変身できたら[+1]忠誠度能力と[-2]忠誠度能力を使い分けるのが基本の運用となります。自分の戦場にクリーチャーが多くいる時や土地加速 or ドローがしたい場合は[+1]忠誠度能力、ブロッカーがあまりいない時は[-2]忠誠度能力で「目覚めし世界、アシャヤ」を召喚して《精霊信者の賢人、ニッサ》を守りましょう。
対戦相手が飛行クリーチャーで攻撃して来そうな時は《スコフォスの迷宮》で守ってあげたいですね。
もし戦場に《倍増の季節》にある状態で《精霊信者の賢人、ニッサ》に変身できれば、忠誠度カウンターが倍置かれて一気に奥義の起動に近づきます!
デッキの回し方で意識するポイント
ここからはデッキの回し方について確認していきましょう。
序盤は《エルフの刃、ラスリル》で積極的に攻撃する
《エルフの刃、ラスリル》の10点ドレイン能力を起動するためには大量のエルフが必要です。そして大量のエルフを集める最も有効な手段が《エルフの刃、ラスリル》で戦闘ダメージを与えることです。なので序盤は《エルフの刃、ラスリル》で積極的に攻撃していきましょう。
《ラノワールのエルフ》や《楽園のドルイド》などのマナクリーチャーでマナ加速すれば、早ければ3ターン目には《エルフの刃、ラスリル》を戦場に出すことができます。さらに《稲妻のすね当て》や《速足のブーツ》があれば戦場に出したターンから速攻で攻撃することもできます。
そして終盤エルフが10体以上揃ったら、攻撃をやめて《エルフの刃、ラスリル》の10点ドレイン能力を起動していきましょう!
クロタカ
10点ドレイン能力はクリーチャーを大量にタップする必要があるので、一時的に無防備な状態になってしまいます。
もし対戦相手が強力なクリーチャーを多くコントロールしている場合は、10点ドレイン能力を起動せず《エルフの刃、ラスリル》単騎で攻撃するなど柔軟に立ち回りたいところですね。
全体除去を恐れずにエルフを並べる
このデッキにはエルフの数に応じて強くなるカードが多く入っています(《エルフの大ドルイド》《大蛇の契約》《スケムファーの冠》など)。
なのでエルフカードは積極的にプレイしていきましょう。
クリーチャーをいっぱい戦場に並べると全体除去を恐れてしまいがちですが、全体除去されでも《エルフの刃、ラスリル》などですぐにエルフを補充できるので過度に恐れなくても大丈夫です。もし全体除去を撃たれたら《英雄的介入》で守ってあげましょう。
《英雄的介入》は対戦相手の全体除去呪文からクリーチャーを守る以外にも、自分から《滅び》などの全体除去呪文を唱えて対戦相手のクリーチャーだけを一掃するコンボにも使えますよ。
全体除去されてしまったとしても、後から《アガディームの覚醒》でエルフを復活させることもできます。
もっと全体除去耐性を高めたい場合は《エルドラージの碑》を採用してみてはいかがでしょうか。
飛行クリーチャーへのマークを強めにする
このデッキに入っている全38枚のエルフのうち、飛行を持つクリーチャーは0枚です。なので、飛行クリーチャーからの攻撃にはかなり無防備です。もし対戦相手が飛行クリーチャーを多用するデッキ(前回紹介した《恒久守護のラナール》デッキがまさにそうですね)を使っている場合はマークを強めにしていきましょう。
飛行クリーチャーが苦手なデッキではありますが対策カードが無いわけではありません。ということでここからはこのデッキに採用している飛行対策カードをいくつかご紹介します。
到達の瞬速ブロッカー。+1/+1カウンターが置かれ始めると鉄壁のブロッカーとして君臨してくれます。
《鋸歯傷の射手》
エルフがある程度戦場にいるとドンドン飛行クリーチャーを撃墜してくれるナイス射手。アートからも絶対に飛行クリーチャーを撃墜するという強い意志が感じられますね。
《スケムファーの冠》
何気に到達も付与してくれるありがたいオーラ。貧弱なエルフを一気に鉄壁の飛行ブロッカーへ変身させることができます。
《ナイレアの介入》
飛行クリーチャーにだけ大ダメージを与えて一掃することができます。こちらは前述した通り飛行クリーチャーを採用していないので被害は0!
土地サーチモードで《スコフォスの迷宮》を探してきて攻撃を防ぐという使い方もできます。
《同族の支配》
飛行クリーチャーを含めてエルフ以外のクリーチャーをすべて破壊できちゃう豪快な除去呪文。
アートには飛んでいるデーモンらしいクリーチャーが描かれていますが、ちょうどこんな感じのクリーチャーたちを除去するために使います。すまんなデーモンさん。飛行クリーチャーを生かしておくわけにはいかないんや。
飛行クリーチャーがこちらを攻撃してきたらインスタント(《暗殺者の戦利品》、《ハグラの噛み殺し》、《ウィンドグレイスの裁き》など)で除去しちゃいましょう。
勝ちパターン紹介
ここからはいよいよこのデッキの勝ちパターンについて紹介していきます。
エルフ軍団でオーバーラン!
大量に並べたエルフを全体強化して対戦相手を殴り倒す勝ちパターンです。強化方法にもかなりバリエーションがあるので順番にご紹介します。
1.ロードをいっぱい並べる
全5種類いるロードクリーチャー(《ジョラーガの戦呼び》《光り葉の将帥、ドゥイネン》《梢の戦術家》など)や 《巨森、オラン=リーフ》でエルフを強化するパターンです。ロードが複数体いるとかなりの打点になりますよ。
2.《エルフの戦練者》か《背教の主導者、エズーリ》でエルフを全体強化する
書いてある通りに《エルフの戦練者》か《背教の主導者、エズーリ》でエルフを全体強化するパターンです。
特に《背教の主導者、エズーリ》は本家オーバーランこと《踏み荒らし》と同じ効果をエルフに付与することができるので、対戦相手に大打撃を与えることができます!
しかも《背教の主導者、エズーリ》の能力はマナさえあれば複数回起動することができるんです。なので《エルフの大ドルイド》などの大量マナ生成クリーチャーと相性抜群です。
3.《破滅の終焉》
「《エルフの刃、ラスリル》デッキの良いところ」でも紹介した強化パターンです。X=10以上で唱えられればほぼゲームを終焉へと導くことができます。
4.《野生語りの帰還》
このデッキには人間でないクリーチャーしか入っていないので、《野生語りの帰還》による強化を最大限享受することができます。
《野生語りの帰還》はインスタントなので、対戦相手がブロック・クリーチャーを指定した後にプレイできるところが優秀です。
5.《旗印》
部族強化の定番カードですね。このデッキだと簡単にエルフ全体が+5/+5修整くらいを受けることができます。
《エルフの刃、ラスリル》の必殺技で大量ドレイン!
《エルフの刃、ラスリル》の必殺技である10点ドレイン能力で対戦相手のライフを吸い尽くす勝ちパターンです。
ピックアップカードで紹介した《復活の探索》と組み合わせれば、一気に対戦相手全員のライフを吸い尽くすことが可能です。さらにアンタップ手段を追加したい場合《慈善家の薬》などがオススメですよ。
10点ドレイン能力を起動してもまだ少し対戦相手のライフが残っている場合は、《スケムファーの影賢者》で残りのライフも失わせてしまいましょう。
《エルフの刃、ラスリル》で21点!
《エルフの刃、ラスリル》で統率者ダメージ21点を与えて対戦相手を殴り倒す勝ちパターンです。
エルフの数だけ強化するカード(《森林守りのエルフ》《清廉潔白な判事》《スケムファーの冠》)や、 《原初の力》《悪魔の抱擁》などで《エルフの刃、ラスリル》をムキムキにして対戦相手をぶっ倒しちゃいましょう!
クロタカ
《エルフの刃、ラスリル》にもっと回避能力を付与したい場合は、除去耐性も一緒に付与できる《最上位権限》を採用してみてはいかがでしょうか。
ジャラド砲!
《ゴルガリの死者の王、ジャラド》のライフルーズ能力を撃ち込んで対戦相手全員のライフを0にする勝ちパターンです。
《ゴルガリの死者の王、ジャラド》は生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しいライフを対戦相手全員から失わせることができます。
《森林守りのエルフ》や《旗印》と組み合わせれば一気に10点以上のライフを失わせられるかも!
クロタカ
ジャラド砲は戦闘を介さず飛び道具のように対戦相手を倒せるところがナイスですね。
今回の統率者戦デッキ紹介はこれでおしまいです。
クロタカ
『カルドハイム』統率者デッキ「エルフの帝国」の改造案として参考にしてもらえるととても嬉しいです。
エルフは人気部族なので今後新しいセットが発売されるたびに新エルフが追加されて長く楽しめると思います。ビバ、エルフ帝国!
次回は4月23日発売の『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のカードや、統率者デッキに収録されるカードを紹介する予定です。
僕はそれまでに「シルバークイル」への入学手続きを済ませようと思います。
それではまた、魔法学院の入学式でお会いしましょう。お楽しみに!
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