by Shiro Wakayama 　互いに4敗。今季プロツアーを優勝し、TOP8の目を残しているBen StarkはPOYも十分に狙える位置にいる。 　対する彌永。日本勢躍進の旗手となっているマジック・オンライン・チャンピオンシップ・シリーズ（MOCS）組だ。 　Top8に「チャネル・ファイヤーボール勢が6人（！）入りそう」という勢いだが、彌永はここでチャネル帝国の牙城を崩すことができるのか。　

Game 1

Ben Stark 　先手はStark。彌永はテイクマリガン、そして悩んで6枚をキープ。 　Starkの《タルモゴイフ》からゲームはスタート。彌永が土地を置いているのみに対し、Starkは《ケッシグの狼の地》に《野生のナカティル》と、順当にクロックを展開していく。 　2体のクリーチャーをレッドゾーンに送り込み、彌永のライフは14。ターン終了時に彌永は《エスパーの魔除け》をドローモードでプレイ。これに対して、Starkはハンドの枚数を聞いて逡巡すると、スルー。 　往年のヘビーコントロールデッキよろしく、なおも淡々と土地を置き続ける彌永に対し、Starkは《貴族の教主》をプレイしてから2体でアタック。《野生のナカティル》には《流刑への道》して、クロックを減衰。 　さらに、《瞬唱の魔道士》キャストを経て、《流刑への道》をフラッシュバックするのだが、これは《否認》。さらに《否認》を《外科的摘出》しようとすると、これもさらに《否認》されてしまう。 　だが、これによってリアクションが取れなくなったStarkに対して、《タルモゴイフ》を《瞬唱の魔道士》でチャンプブロックした後の《滅び》が突き刺さり、Starkは後続を展開できなくなってしまう。 　ドローゴーとなってしまったStarkに対して、彌永は《疲弊の休息》を《神秘の指導》でサーチ。ライフを安全圏の16まで引き上げる。 　Starkのトップデッキした《稲妻の天使》は、即《流刑への道》。さらに《神秘の指導》で《瞬唱の魔道士》サーチと、彌永のヘビーコントロールデッキが、安定飛行に入る。 　再度Starkが引いた《稲妻の天使》も、《神秘の指導》から《流刑への道》。 　《思考囲い》でStarkの手札にあった2枚の《流刑への道》のうち、1枚を墓地へと落とす。 　ここからは、非常にゆったりとしたゲーム。 　《神秘の指導》から《謎めいた命令》。さらにフラッシュバックで《瞬唱の魔道士》をサーチ。 　Starkも《流刑への道》で《瞬唱の魔道士》を除去するが、《エスパーの魔除け》で手札を丸裸にした後、《忍び寄るタール坑》《瞬唱の魔道士》がじわじわとライフを削る。 　非常に少ないクロックではあるが、一方で《謎めいた命令》《エスパーの魔除け》でドローを重ねる。 　圧倒的なアドバンテージを得た彌永に対し、時間をかけすぎていると考えたのか、Starkが投了。 彌永 淳也 1-0 Ben Stark 　Game 1が終わったところで、Starkの激しすぎるシャッフルのせいで、彌永のスリーブが激しく破損。ジャッジに申請して、スリーブの全交換を行う。 　ギャラリーエリアに近い側にいるStarkが、道すがら色々なプレイヤーに話しかけられ、「0-1で負けてるよ！」と筆者が数えただけでも8回位聞かれ、うんざり顔。もううんざりだから、内側のエリアに席を変えたいとジャッジに申告。今度は席も移動となる。 　挙句には「俺のシャッフルには問題があるんだろ？　シャッフルしてくれよ。」とジャッジに申告し、ジャッジからシャッフル講習会が行なわれるという何とも奇妙な光景。 　 　度重なるイレギュラーな事態に、少しうんざり気味のStarkは少しイラつきながら、カードのシャッフルをし始める。

Game 2

　すったもんだの末、気を取り直してのGame 2。重要なこの局面でマリガンとなってしまい、イライラを隠そうともしないStark。 　土地が2枚で止まった上にクロックを展開できないStarkをしり目に、3ターン目には《エスパーの魔除け》で2枚ドローする彌永。余った《流刑への道》をディスカードと、とても《野生のナカティル》《タルモゴイフ》と入っているデッキ相手とは思えない展開になった。 　Starkがフェッチを起動し青マナが出せないタイミングで、彌永が《けちな贈り物》をプレイ。 　《瞬唱の魔道士》《コジレックの審問》《神秘の指導》《エスパーの魔除け》という4枚から、《神秘の指導》と《コジレックの審問》が手札に入る。 　彌永のターン、その《コジレックの審問》をプレイすると、《稲妻の天使》2枚、《稲妻》《バントの魔除け》《呪文貫き》《クァーサルの群れ魔道士》という手札。ここから《バントの魔除け》を落とす。 　その後、単体クロックを用意しても意味がない状態のStarkは、業を煮やして《野生のナカティル》《稲妻の天使》と展開していくのだが、これを《死の印》、《瞬唱の魔道士》＋《死の印》で捌き、《エスパーの魔除け》でStarkに2ディスカードを強要。 　単体のグッドカードで構成されたチャネルZOOに対して、アドバンテージで真っ向から勝負を挑む。 　当然ながら、《瞬唱の魔道士》と《エスパーの魔除け》で2対1交換を取り続ける彌永が、じわじわと有利になっていく。 　《エスパーの魔除け》でStarkに2枚ディスカードさせ、手札を丸裸にすると、《忍び寄るタール坑》2枚と《瞬唱の魔道士》がレッドゾーンへと送り込まれ、Starkのライフをガクンと削る。 　Starkがライブラリトップから少し投げやり気味に《タルモゴイフ》をプレイするやいなや、《神秘の指導》をプレイ。《流刑への道》をサーチした時点で、Starkが投了したのだった。 彌永 淳也 2-0 Ben Stark　 　最後の18回戦を残して、最後にIDができれば、Top8確定となった。次の最終ラウンドで、プロツアーサンデーへの切符が待っている。