EVENT COVERAGE

ワールド・マジック・カップ2018

観戦記事

準決勝ダイジェスト

Frank Karsten
authorpic_FrankKarsten.jpg

2018年12月16日

 

(編訳より:埋め込み動画は英語実況のものです。)

 準決勝の舞台には、4つの強力なチームが出揃った。どのチームも、代表キャプテンは新たに創設された「マジック・プロリーグ」の参加選手だ。しかしこのスター揃いのチームの中でも、決勝に進めるのは2チームだけだ。

イスラエル代表 vs. 香港代表

T8-Team-Israel-2018.jpg
2018年イスラエル代表:(左から)ユヴァル・ザッカーマン/Yuval Zuckerman、アミト・エトガル/Amit Etgar、シャハール・シェンハー/Shahar Shenhar
 

 香港代表は、今年殿堂入りしたリー・シー・ティエン/Lee Shi Tianを先頭に勝ち続けてきた。今大会を通して1試合も落とさなかったのはこのチームだけである。そして彼らはついに、過去に2度の世界王者に輝いたシャハール・シェンハーが率いるイスラエル代表と対峙することになった。

 B席では、両チームのキャプテンが「イゼット・ドレイク」の同系戦に臨んだ。1ゲーム目はドレイクと《弧光のフェニックス》が戦場に出ては死亡し、両者の墓地にはインスタントとソーサリーが積み重なっていった。そしてリーが繰り出した最後のドレイク――最後の2体が生き残り、パワー10を超える2体は一度の攻撃で対戦相手を倒したのだった。2ゲーム目にはゲームが長く中断する一幕があった。シェンハーがドロー・ステップにカードを引いてから《宝物の地図》を「変身」させ、またカードを引いてしまったのだ。ジャッジはこれを故意の違反ではないと判断し、「非公開カードに関する誤り」を適用した。つまりリーがシェンハーの手札を見てカードを1枚選び、それをライブラリーに戻してシャッフルするという措置が取られたのだ。だが結果的に、この件は勝敗に関係なかった。リーはその時点ですでに致命打を与えられるドレイクを繰り出しており、ルール上の誤りが正された直後に勝利を手にしたのだった。

 C席では、イスラエル代表のアミト・エトガルが香港代表のアレクサンダー・ダディコ/Alexander Dadykoとの「ゴルガリ・ミッドレンジ」同系戦を制した。1ゲーム目はエトガルが《ラノワールのエルフ》でマナ加速して《ビビアン・リード》へつなげた。このカード・アドバンテージをもたらすプレインズウォーカーを守り切ったエトガルは、その奥義をもって勝利を得た。2ゲーム目は「ゴルガリ・ミッドレンジ」同系戦でよく見受けられる一進一退の長期戦となった。《貪欲なチュパカブラ》や《翡翠光のレインジャー》、《最古再誕》など、デッキ内のほとんどのカードがカード・アドバンテージを生み出すものであるため、両者ともマナの使い道には困らなかった。最終的には、エトガルが2体の《殺戮の暴君》を従え、対戦相手を踏み潰したのだった。

 そしてA席では、「ボロス・アグロ」を操るイスラエルのユヴァル・ザッカーマンが「ボロス・天使」を使うウー・コンファイ/Wu Kon Faiを打ち倒した。1ゲーム目は両プレイヤーとも引き運に恵まれなかったが、ここではマナ・フラッド側がマナ・スクリュー側に勝った。ザッカーマンは1ターンで《ベナリアの軍司令》と《英雄的援軍》を同時に唱え(土地21枚のデッキでは通常あり得ないことだ)、予想外の強打を繰り出した。一方のウーは5枚目の土地を引き込めず、手札に2枚ある《黎明をもたらす者ライラ》を最後まで唱えることができなかった。2ゲーム目はウーが天使を繰り出して星を取り戻そうとしたものの、一手足りない展開が続いた。1体目の《黎明をもたらす者ライラ》は《議事会の裁き》に追放され、次の手を2枚目の《黎明をもたらす者ライラ》にするか《正義の模範、オレリア》にするかの選択を迫られたウーは、《黎明をもたらす者ライラ》プレイを決断する。ザッカーマンが2枚目の《議事会の裁き》を持っていなければ、効果的な一手だった――しかし彼は持っていたのだ。続く《正義の模範、オレリア》でもザッカーマンの攻勢を止めることはできず、イスラエル代表がこの試合を制したのだった。

 
イスラエル代表が香港代表を2勝1敗で下し、決勝へ!
 
準決勝でイスラエル代表に負け。小さな決断が結果を大きく変えた。2枚目の除去を見越してオレリアを出すという選択肢を見落としたよ。プロリーグで活かせる学びを得た。#MTGWMCに感謝! チームメイトのみんな、ここまで連れてきてくれてありがとう!
 
イスラエル代表は香港代表を破って#MTGWMC決勝進出!!! でもこれは僕の力じゃない。@leearsonにはひどい不注意を詫びるよ。
 

フランス代表 vs. イタリア代表

T8-Team-France-2018.jpg
2018年フランス代表:(左から)ティモシー・ジャモ/Timothée Jammot、アルノー・オクミラー/Arnaud Hocquemiller、ジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Depraz
 

 ワールド・マジック・カップ2015で優勝して以来、イタリア代表はトップ8に入賞し続け、今回で4大会連続の入賞を果たした。アンドレア・メングッチ/Andrea Mengucciはそのすべてで代表メンバーに入っており、このイベントを「メングッチ・インビテーショナル」だと言う者も多い。一方、ジャン=エマニュエル・ドゥプラ率いるフランス代表は全員がワールド・マジック・カップ初出場だが、2013年にフランスがタイトルを獲得した喜びを胸に勝利を重ねてきた。

 「ワールド・マジック・カップ史上初の2度目の優勝」を目指すイタリア代表とフランス代表による準決勝は、1ゲーム目をすべてフランス代表が勝ち取り、2ゲーム目はすべてイタリア代表が取り返すという展開になった。試合のゆくえはまさにジェットコースターのように激動し、歴史に残るゲームがいくつも生まれたが、最後に立っていたのはフランス代表だった。各卓の戦いをひとつずつ振り返ろう。

 C席では、「セレズニア・トークン」を使うフランス代表のティモシー・ジャモと「イゼット・ドレイク」を操るイタリア代表のマティア・バジリコ/Mattia Basilicoが対峙した。1ゲーム目は、ジャモが2ターン目《苗木の移牧》から3ターン目《敬慕されるロクソドン》という素早いスタートを切った。続けて《議事会の裁き》でバジリコの繰り出すドレイクを次々と追放すると、強化された軍勢で一方的に攻撃し続けたのだった。2ゲーム目も同じような展開になったが、《パルン、ニヴ=ミゼット》が1枚で形勢を変え、勝ち星は並んだ。そして3ゲーム目、バジリコの「イゼット・ドレイク」は「イゼット・コントロール」のような立ち回りを見せ、《溶岩コイル》や《標の稲妻》、《焦熱の連続砲撃》を駆使してジャモが繰り出す脅威を対処し切った。ジャモのプレッシャーをかける手がなくなると、バジリコは飛行クリーチャーを展開して勝利をものにしたのだった。

 A席は「セレズニア・トークン」のティエンファ・ムン/Tian fa Munと「ゴルガリ・ミッドレンジ」のジャン=エマニュエル・ドゥプラによる対決だ。1ゲーム目はムンが序盤から「召集」持ちの呪文を多く引き込み、理想的な動きができなかった。手札に2枚ある《議事会の裁き》はカード・アドバンテージを生み出す「ゴルガリ・ミッドレンジ」のパーマネントにはあまり効果的ではなく、《敬慕されるロクソドン》や《大集団の行進》はそれらの燃料となるクリーチャーが展開されていないと力を発揮しないのだ。しかし2ゲーム目は、ムンのデッキが十全に機能した。《協約の魂、イマーラ》から《ベナリア史》、さらに「召集」持ちの呪文を次々と放ち、セレズニアというギルドの力を存分に見せつけて勝ち星をイーブンに戻した。

 そして迎えた3ゲーム目は、本当に伝説的な一戦となった。両者の盤面には7体以上のクリーチャーが並び、どちらも有効な攻撃の手が打てなかった。にらみ合いになった両者だが、ドゥプラは《ビビアン・リード》の[+1]でライブラリーを掘り進め、ムンは《オラーズカの拱門》でドローを進めた。「セレズニア・トークン」の鍵となるカードは、《大集団の行進》。「ゴルガリ・ミッドレンジ」の鍵となるカードは《採取+最終》だ。しかし《野茂み歩き》2体のおかげでドゥプラのライフは53点まで伸びており、たとえ《大集団の行進》をプレイされても安全だった。数ターン後、《ビビアン・リード》の「紋章」を得たドゥプラが勝利を手にしたのだった。

 

 B席では、アルノー・オクミラーの「ジェスカイ・コントロール」がアンドレア・メングッチの「ゴルガリ・ミッドレンジ」が繰り出す脅威に適切な回答を当て続けた。1ゲーム目は最も対処が難しい《殺戮の暴君》に対して、1体目を《残骸の漂着》で追放し、2体目は《轟音のクラリオン》2枚で落として見せた。2ゲーム目は早い段階でメングッチが有利になっった。彼はマナに飢えるオクミラーを尻目に《ウルザの後継、カーン》の能力を起動し続け、スコアを1-1に戻した。

 そして3ゲーム目、メングッチは《ビビアン・リード》と《ウルザの後継、カーン》の2枚のプレインズウォーカーを解決することに成功した。オクミラーの《残骸の漂着》や《溶岩コイル》はそれらに効かず、《絶滅の星》を引き込めなければ敗北必至に見えた。だがオクミラーはクリーチャー除去をうまく駆使して時間を稼ぎ、こちらもプレインズウォーカーを2枚着地させて体勢を立て直した。こうして少しずつ優位を得ていったオクミラーだが、《野茂み歩き》によってメングッチのライフは28点まで増えており、キッカーで唱えた《火による戦い》を《発展+発破》でコピーするという決め技を防がれていた。ではどうするか? 2回コピーすればいいのだ。13マナもの莫大なマナを必要とするものの、ダメージは30点まで増えた。フランス代表は火をもって準決勝を制したのだった。

 
フランス代表がイタリア代表を2勝1敗で下し、決勝へ!
フランスと超接戦を繰り広げたけど、3年連続で準決勝敗退。「来年また」って言えないのは悲しいけれど、僕と僕のチームがイタリアのコミュニティを盛り上げられたなら嬉しいよ! すべてはイタリアのために #MTGWMC
 
準々決勝で行弘さんを倒せたこともすごく嬉しいけど、フランス代表の夢はまだ続くよ! #mtgwmc
 

(Tr. Tetsuya Yabuki)

  • この記事をシェアする

RESULTS

対戦結果 順位
S2-3 S2-3
S2-2 S2-2
S2-1 S2-1
S1-3 S1-3
S1-2 S1-2
S1-1 S1-1
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

RANKING

NEWEST