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プロツアー・パリ11

読み物

Round 11: Petr Brozek(チェコ) vs. Paul Rietzl(アメリカ)

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by Josh Bennett / translated by Kenji Tsumura



「二方面攻撃」

 一人前のプロツアー職人であるPaul Rietzlは、昨年行われたプロツアー・アムステルダムでついに優勝トロフィーを手に入れた。トップ8に残ってからは3−0×3という完璧な成績で他のプレイヤーをスイープしたのだ。

 彼のこのラウンドの対戦相手は、現在プロツアーの常連になりつつあるチェコのPetr Brozekだ。彼は昨年のグランプリ・オークランド(エクステンデッド)にて「白赤上陸」デッキを普及させた人物として知られている。

Game 1

 先手のBrozekはマリガンした上に、2ターン目に出した《マイア鍛冶》をRietzlの《悪性の傷》で除去されてしまう。Rietzlは《屍百足》、《腐敗狼》とキャスト。対するBrozekは《きらめく鷹の偶像》、そして《鍛えられた鋼》でなんとか「毒」ダメージに打ち勝とうとする。


Paul Rietzl(左)はPetr Brozekと戦う。

 Rietzlは《伝染病の屍賊》で陣営を厚くし、Brozekに5つの「毒」カウンターを与える。Brozekは4枚目の土地が無く、何をするでもなくただターンを返すしかない。RietzlのクリーチャーがBrozekめがけて突進するが、Brozekは《神への捧げ物》で《屍百足》を除去し、さらに《きらめく鷹の偶像》をクリーチャー化して《腐敗狼》を打ち取る。どうやらRietzlも土地が不足しているようで、タップアウトで《ファイレクシアの消化者》を召喚するにとどまる。

 Brozekはドローを見て肩をすくめ、《流血の臣下》をキャスト。Rietzlはまたもや全軍でアタック宣言。Brozekは《流血の臣下》を生け贄に捧げ、《ファイレクシアの消化者》を殺そうとしたが、Rietzlが《荒々しき力》を唱えたことで、毒カウンターはぴったり10個になってしまった。

 Rietzl 1, Brozek 0

Game 2

 再び2ターン目に《マイア鍛冶》をキャストしたBrozekだったが、先程とは違い今回は無事に生き残った。Rietzlは《疫病のとげ刺し》をキャスト。Brozekが《マイア鍛冶》でアタックしてきた事を受け、少しだけ悩んだようだが結局この交換を受け入れた。

「多分君のデッキの《マイア鍛冶》は大したことないんだろ?」 この交換を不思議に思うRietzl。

 Brozekは土地3枚で何もキャストせずにターン終了。Rietzlも《》を置いただけでターンを返すのだが、ここでBrozekは《主の呼び声》をキャストし、アンタップしてトークンでアタックを行い2点のダメージを与える。そして4マナをタップした後、ため息をつき、考える。最終的に彼は《刃砦の英雄》を呼び出した。Rietzlにとっては危険極まりないクリーチャーだ。


面白い事実:奥の画面は実物大のBrad Nelson。

 Rietzlに出来たことは《死体の野犬》を出して《疫病のとげ刺し》を回収する事だけだった。彼にとって不運なことに、事態は予想していたよりも更に悪化する。Brozekは自身のターンに入り、2体のマイアトークンを化け物に変える《鍛えられた鋼》を唱えたのだ。Brozekは全軍で突撃し、《刃砦の英雄》の能力が解決した後、アタッカーのパワーを数え始めた。

 「えーっと...2/1、2/1、4/3、4/3、あと3/4だね。」 Brozekは数える。

 《死体の野犬》がマイアトークン1体を止めるが、Rietzlは11点ものダメージを受けてしまい、ライフは7まで落ち込む。Rietzlはアンタップして素早く5枚目の土地を置き、《病気の拡散》で《刃砦の英雄》を、「増殖」でマイナスカウンターの乗っていたマイアを葬るが、時すでに遅し、と言うやつだ。Brozekが《マイアの感電者》を追加し更に6点のダメージを与えると、Rietzlは素直に敗北を認めた。

 Rietzl 1, Brozek 1

Game 3

 Brozekの《鉄のマイア》をRietzlが《悪性の傷》で除去する立ちあがり。Rietzlは《屍百足》を唱え、勇敢にも3マナ起こしたままのBrozekに対してアタックを敢行する。Brozekは《神への捧げ物》でこれを除去。Rietzlは《絡み森のカマキリ》をその穴埋めとし、Brozekは《金属の駿馬》でそれに応える。

 Rietzlは《絡み森のカマキリ》で3点のダメージを与え、《感染の三角護符》を設置してターンを終える。Brozekも2点殴り返して《マイア鍛冶》を戦場に。Rietzlは戦況を見渡し、少し考え込んだ。そして《ヴィリジアンの堕落者》で《金属の駿馬》に別れを告げ、再び《絡み森のカマキリ》でアタック。Brozekは次のターンは何もキャストせずにターンをパス。Rietzlは2体のクリーチャーで攻撃した。1体は「感染」、もう1体は「非感染」だ。

 「2方面からのアタックだな。」とRietzlが言った。「毒と通常ダメージの両方が君を襲うってわけだ。そいや君のライブラリーは残り27枚しかないんだね。...俺が何が言いたいか分かるよね?」

 Brozekはこの攻撃をスルー。Rietzlは《地平線の呪文爆弾》を出してターン終了。Brozekは7枚目の《平地》を出しただけでエンドを宣言し、Rietzlはそこで《感染の三角護符》を起動して昆虫トークンを生み出した。Rietzlはアンタップして《地平線の呪文爆弾》を起動し、2枚目の《》をサーチして全軍でアタック。《マイア鍛冶》が《主導権の奪取》のバックアップを受け《ヴィリジアンの堕落者》を打ち取るが、Brozekのライフは10まで落ち込み、更に「毒」カウンターは4つまで増えてしまった。


Rietzlは二方面戦争に勝つためにありとあらゆる所を見つめる。

 Brozekが追加出来たのは《金のマイア》と、それによって誘発した《マイア鍛冶》のマイアトークンのみだった。Rietzlは《感染の三角護符》で昆虫トークンを生み、再びアタックする。昆虫トークン2体はマイアトークン2体で捌いたBrozekだったが、ライフは確実に減っていく。Brozekがトップデッキした《流血の臣下》も、《感染の三角護符》と《屍肉の呼び声》から生み出された昆虫トークンの群れで乗り越えていくRietzl。

 Rietzlの軍勢が再びレッドゾーンを埋め尽くした時、《マイア鍛冶》と《流血の臣下》はブロックに参加せざるを得ない状況になっていた。昆虫トークン2体は相打ちにしたものの、これでライフが残り4点、そして「毒」カウンターは7つだ。Rietzlが《絡み森のカマキリ》に《刃の翼》を纏わせアタックを続ける一方で、Brozekは《平地》をセットする以外には出来る事がない。残りライフ1点、「毒」カウンター9個の時点で彼は投了を宣言した。

 Rietzl 2, Brozek 1

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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