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プロツアー・パリ11
Round 7: Petr Brozek(チェコ) vs. Patrick Chapin(アメリカ)
「俺には19枚の初手ピックがあるのさ」
by Marc Calderaro / Translated by YONEMURA, Kaoru.
ドラフト・ビューワー1からそのまま(コンプトンのようにキャッチーでないことは認めます)、この2人の6−0プレイヤーはさっと座り、シャッフルを始めた。ダイスロールで勝ったパトリック・チャピンはいつも通りの陽気さでチェコ共和国のペトロ・ブロゼックに気軽に話しかける。ブロゼックは微笑み、頷き、誠心誠意答えたが、チャピンは動じなかった。
「ビートダウンが好きなんだって? やってみせてくれよ」
ブロゼックの先攻でマッチは始まった。
Game 1
マッチはともに即座にマリガンなしを宣言した両プレイヤーによる、素早い戦線の構築から始まった。ブロゼックの《鉛のマイア》は《鋼の妨害》されたものの、すぐに《真鍮の従者》と《解剖妖魔》を並べていく。チャピンは《鉄を食うもの》と《胆液の水源》のコンボから素早く立ち上げる。ブロゼックのライフを削って18点にすると、《胆液の水源》を生け贄に捧げずに、第4ターンには《銀白のスフィンクス》が降臨する。《解剖妖魔》がたじろぎもせずに挑んだ青の飛行クリーチャーは、その後、ブロゼックの《核をうろつくもの》がチャピンの《感電破》を食らった時に2つめの-1/-1カウンターを受けることになる。
チェコのペトロ・ブロゼック |
チャピンは《冷静な反論》で《荒廃のマンバ》を止めると、青赤カウンターバーンを進めていく。スフィンクスと《鉄を食うもの》(と《胆液の水源》を生け贄にしたこと)でライフは8-20でチャピンが有利。そして、ブロゼックが《死体の野犬》で《荒廃のマンバ》を戻した時、チャピンは不完全な《死体の野犬》を焼き払えるだけの《不純の焼き払い》と《鉄を食うもの》用の《マイアの種父》を見せた。
その次のターン、《火膨れ杖のシャーマン》が慈悲深くもブロゼックを裁き、第2ゲームに入ることになった。
チャピン 1-0 ブロゼック
第2ゲームに向けてのシャッフル中に、チャピンはカフェ・ノワールのフィーチャー・マッチの周りを見回し、ミラディンの傷跡ブロックに緑のプレインズウォーカーがいないことに気がついた。「おお、なるほど、わかったぞ、第3セットで《野生語りのガラク》が戻ってきて助けてくれるのか!」
「誰を?」と思わず聞き返した私に、チャピンは答える。
「もちろんミラディンだ! ガラクが堕落するわけなんてない」
脅し文句だよ、パトリック。
Game 2
ブロゼックはパリにいるのにパリに行くはめになったが、6枚の手札でよしとした。彼は力強く《疫病のとげ刺し》を呼び出し、《ヴィリジアンの爪》を装備し、さらに《核をうろつくもの》を追加する。チャピンは《胆液の水源》《眼魔》《銀白のスフィンクス》(まるでプロのように第4ターンにまた呼び出した)と呼び出して、《オキシダの屑鉄溶かし》が《核をうろつくもの》を倒した時には5つの毒カウンターを得ていた。ブロゼックは素早く《核をうろつくもの》の代役に《敗血のネズミ》を呼び出したが、チャピンは困惑もせずに《火膨れ杖のシャーマン》を唱え、ブロゼックの《疫病のとげ刺し》を処理すると、《鉄を食うもの》は限界まで大きくなった。
アメリカのパトリック・チャピン |
ブロゼックの《屍肉の呼び声》が役に立つゲームもあろうが、今回は役に立ちそうもない。チャピンは第7ターンに(プロのように)《イシュ・サーの背骨》を出して《敗血のネズミ》を貫いていて、対戦相手はわずかに2つのトークンがあるだけだった。《堕落した良心》がブロゼックの唱えた(しかも装備品付きの)《疫病口獣》を盗むと、さらにゲームは悲惨な状況になっていく。チャピンの攻撃でブロゼックのライフは残り5点。チェコ人はなんとか巻き返そうとする。しかめ面をし、頷いて、アンタップして、《黒割れのゴブリン》を唱えるとターンを返す。しかし、この《鉄を食うもの》−《イシュ・サーの背骨》のエンジンが全力運転をはじめると、ブロゼックは負けを認めなければならなかった、
チャピン 2-0 ブロゼック
チャピンがサイドボードを直しながら私と喋っていた中で、「初手ピックが19枚あるんだ」というようなことを言って来た。ジャッジのロブ・ジョンソンはゆっくり近づいてきて言った。「こんなことは言いたくないが、チャピン、ガラクはもう汚染されているよ」 その通り。ガラクはリリアナの呪いを受け、前回出てきた時にはゾンビ・ビーストを作っていた。
「ええ、リリアナがそんなことを?」
チャピンはいい奴だが、彼はいい量の、悪い部分も持っているのだ。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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