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プロツアー・パリ11

読み物

Round 2: 三原 槙仁(千葉) vs. Brad Nelson(アメリカ)

「マナ出し合戦」

by Josh Bennett / translated by Atsushi Ito


 現段階ではシュレディンガーの猫のように未確定の、「半分だけPlayer of the Year」であるNelsonだが、普段通りの集中した、そして力強い面持ちでフィーチャーマッチエリアに現れた。

 対するは世界選手権の優勝経験もある三原。両者ともに初戦で黒星を喫しており、沈黙の中にもここで踏みとどまろうという決意が感じられる。

Game 1

 三原の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》デッキは《広漠なる変幻地》《進化する未開地》とゆっくりとした立ち上がり。対してNelsonは《定業》した後、《石鍛冶の神秘家》で《饗宴と飢餓の剣》を手に入れる。次のターンも三原は3枚目の土地を置くだけでノーアクション。Nelsonも《天界の列柱》を置くのみでターンを返す。

 ここで三原が《ムル・ダヤの巫女》をプレイ。だがライブラリーの上は《耕作》で、仕方なく手札から追加の《》を置いてターンを返す。


Nelsonは文字通り表情をスリーブに包んだように、感情を表に出さないが、
土曜日に控えるMatignonとのPoYプレーオフマッチを見据えていることは明らかだ。

 Nelsonはすかさずターンエンドに《石鍛冶の神秘家》の能力で《饗宴と飢餓の剣》を戦場に出すと、アンタップするや《石鍛冶の神秘家》に装備させ、《戦隊の鷹》もキャストした上で3点のアタック。《饗宴と飢餓の剣》の能力でNelsonの今使ったばかりの4枚の土地がアンタップするとともに、三原の手札1枚(=《》)を奪い去る。さらに戦闘後に先ほどライブラリから召集した追加の《戦隊の鷹》をも召喚し、2マナ立ててターンエンド。まさに王者のマジックだ。

 ようやくターンが返ってきた三原だが、見えていた《耕作》をドローするとめくれたのは《召喚の罠》。手札の選択肢と相談するが、難しい表情だ。とりあえず《耕作》をプレイするとNelsonはこれを通す。2枚の《》が供給され、シャッフルされた山札の上は・・・2枚目の《ムル・ダヤの巫女》。タップアウトで《槌のコス》をプレイする三原だが、Nelsonはこれを即座に《マナ漏出》する。

 そこからは三原にとって悪い展開しかなかった。Nelsonのクリーチャーたちはさらに《シルヴォクの生命杖》を装備して突撃してくる。三原はたった1枚残った最後の手札、《ゼンディカーの報復者》を失い、見えていた2枚目の《ムル・ダヤの巫女》を果敢にキャストするがトップは《耕作》。結局Nelsonの《ギデオン・ジュラ》が三原を投了に追い込んだ。

 Nelson 1-0 三原

Game 2

 第2ゲームもまるで第1ゲームの焼き直しのような展開で幕を開ける。三原は2枚土地を置いても何もせず(今度は《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》があったが)、Nelsonは《石鍛冶の神秘家》で《饗宴と飢餓の剣》をサーチ。三原は今度は3ターン目に《耕作》し、対するNelsonは剣をインスタントで出せるので構えたまま。続くターンに三原がさらなる《耕作》でマナを伸ばそうとするとNelsonはこれを了承し、それ以上のアクションはなく三原のターンが終わった。

 ここでNelsonだけは先ほどの展開を忠実に守り、エンド前に《饗宴と飢餓の剣》を戦場に出して、これを《石鍛冶の神秘家》に装備させようとする。このタイミングで三原の《自然の要求》が突き刺さるはずであったが、Nelsonは立っていた青マナから《呪文貫き》でこれを弾く。かくして三原は過剰に引いた土地のうちの1枚をディスカードさせられ、Nelsonが2回《定業》した上で2マナ立ててターンを返すのを見守るしかない。


2006年の世界選手権パリ大会の優勝者である三原が、
その栄光の地に帰ってきた。

 三原はアンタップすると、7枚の土地のうち4枚をタップして《槌のコス》をキャスト。ここでNelsonは深く悩んだ末、意を決して虎の子の《瞬間凍結》を合わせる。果たして三原にさらなる脅威はなく、無事Nelsonにターンが返ってくる。

 こうなるとあとはNelsonの独壇場。《精神を刻む者、ジェイス》をプレイして0能力を使用した後、戦闘フェイズで《饗宴と飢餓の剣》の能力により使用したマナを回復し、さらに《ギデオン・ジュラ》をキャストして強力なプレインズウォーカー・タッグを1ターンのうちに結成する。

 三原は完全にマナフラッドに陥っており、潤沢なマナを前に何もすることがない。対してNelsonは2体目の《石鍛冶の神秘家》で《肉体と精神の剣》をサーチすると、《ギデオン・ジュラ》が自ら攻撃を始める。さらにNelsonが三原のアップキープに《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を《地盤の際》で割ると、茶番となってしまったゲームに付き合うのに飽きたか、三原は負けを認めた。

 Nelson 2-0 三原

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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