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EVENT COVERAGE
プロツアー『カラデシュ』
第13回戦:Reid Duke(アメリカ) vs. 津村 健志(日本)
Corbin Hosler / Tr. Tetsuya Yabuki
2016年10月15日
リード・デューク/Reid Duke(世界ランキング6位/赤白「機体」) vs. 津村 健志(黒緑「昂揚」)
今大会第13回戦のフィーチャー・マッチ・テーブルには、合わせてプロツアー・トップ8入賞8回の両名が座ることになった。グランプリ・トップ8入賞は合わせて31回。うち優勝が6回。プレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得1回。片方は殿堂顕彰者。そしてもう片方も、殿堂入りへの道を確実に歩んでいる。
津村 健志。リード・デューク。プロツアー『カラデシュ』トップ8入賞へさらなる一歩を踏み出すチャンスが、ここにある。
それぞれのデッキ
ここホノルルの地に集まった誰もが、「赤白『機体』」が倒すべきデッキの第1位であることを知っているだろう。《密輸人の回転翼機》、《模範操縦士、デパラ》、《経験豊富な操縦者》をフル投入したこのデッキは、『カラデシュ』発売後に行われた最初の大型トーナメントで優勝し、そのまま失速する兆候をほとんど見せなかった。回避能力を豊富に持ち「機体」のおかげで粘り強さもある「赤白『機体』」は、今大会に向けて多くのプレイヤーが選択したアグロ・デッキだ。
このデッキと何度も対峙することになるであろうことは、津村も予想済みだ。そこで彼は「黒緑『昂揚』」を選択した。アグレッシブなデッキとの対戦では《節くれ木のドライアド》や《残忍な剥ぎ取り》といった優れた軽量クリーチャーが頼りになり、インスタント除去や《最後の望み、リリアナ》、そしてこちらも《密輸人の回転翼機》を採用しているため、ゲーム中盤も渡り合えるだろう。
シナジーがぶつかり合う激しいゲームでの勝利を目指す、環境を代表するデッキ同士の対決。それを操るプレイヤーも名高き強豪とあれば、この試合は大会を代表する一戦と言えるだろう。
ゲーム展開
第1ゲームは熱いスタートを切った。デュークは《密輸人の回転翼機》を繰り出したが、津村の《節くれ木のドライアド》と《残忍な剥ぎ取り》と対峙することになった。序盤から不利に立たされたデュークとしては、手がつけられなくなる前に状況をひっくり返すビッグ・ターンが必要だ。彼は《スレイベンの検査官》で《密輸人の回転翼機》に「搭乗」すると、続けて《蓄霊稲妻》を放ち《残忍な剥ぎ取り》を除去した。理想的な動きだ。
デュークは2枚目の《密輸人の回転翼機》を展開し、ゲームを奪うのに十分な航空戦力を得た。津村は《不屈の追跡者》を繰り出したものの、その強さを発揮するのは間に合わない。《闇の掌握》が《密輸人の回転翼機》1体を落としたものの、この時点で津村の残りライフは2点。2枚目の解答は出せず、両者は第2ゲームへ移っていった。
第2ゲームは一進一退の激しいものになった。序盤に大きな優位を取ったのは津村。《最後の望み、リリアナ》で《経験豊富な操縦者》を墓地へ送り、続けて《残忍な剥ぎ取り》を盤面へ送る。一方のデュークの戦場にはアーティファクトがなく、《模範的な造り手》は次のターンに《最後の望み、リリアナ》で除去される危険に晒されていた。しかし彼は《ピア・ナラー》でこの状況へ完璧に応じ、《模範的な造り手》で《最後の望み、リリアナ》の忠誠度を1まで落とし、続けて《残忍な剥ぎ取り》も相討ちに取った。《最後の望み、リリアナ》は戦場に残っているものの、彼女が退場するのも時間の問題だ。しかしそれも、津村が《森の代言者》と《密輸人の回転翼機》を展開して守りをしいかり固めるまでのことだった。
デュークはその守りを押し通すのではなく、飛び越えていった。《反逆の先導者、チャンドラ》が駆けつけ、すぐさま《最後の望み、リリアナ》を退場させたのだ。こうして、デュークがプレインズウォーカーを持つ側に変わった。今度は津村が《反逆の先導者、チャンドラ》を倒すための挑戦が始まる。
津村の《反逆の先導者、チャンドラ》への攻撃で、クリーチャーが何体か倒れていった。それでも《反逆の先導者、チャンドラ》の忠誠度は1残り、しかし津村の盤面には《密輸人の回転翼機》に「搭乗」できる《節くれ木のドライアド》がいる。デュークは《スレイベンの検査官》を加えて守備を高め、5マナ残してターンを渡した。手掛かり・トークンも起動せず残してある。
その理由は、デュークが《大天使アヴァシン》を瞬速で繰り出したことで明らかになった。《密輸人の回転翼機》の攻撃を待ち伏せていたのだ。これが決まればデュークは有利を確立できるが、しかし津村は《闇の掌握》を持っていた。最終的に《反逆の先導者、チャンドラ》は墓地へ行き、ゲームの天秤は再び平衡になる。
デュークがついに《密輸人の回転翼機》を引き込み、続けて《模範操縦士、デパラ》がそれに「搭乗」する。残りライフは心許ないものの、制空権を獲得したようだ。
空戦は不利だと判断した津村は、地上を攻めた。《密輸人の回転翼機》に「搭乗」していた《節くれ木のドライアド》は「昂揚」を達成して3/3になっており、津村は2体の《節くれ木のドライアド》でデュークを攻撃、彼の残りライフを3点まで追い詰めた。
取れる選択肢が限られたデュークは、航空戦力も投入して地上を抑えようと試みる。さらに《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が戦線に加わり、2/2の騎士を生み出した。ここでプレインズウォーカーが駆けつけたことでデュークは危機を脱し、逆に津村へこの布陣を破りダメージを与えなければ敗北するというプレッシャーをかけた。
津村は幸運にも、その手段を引き込んだ。《殺害》がデュークの《密輸人の回転翼機》を除去すると、津村は残る3点を叩き込み勝負をイーブンに戻したのだった。
最終ゲームは、やや遅めのスタートだった。そしてこのゲームも、プレインズウォーカーをめぐるものになる。津村は《最後の望み、リリアナ》で先行したが、デュークは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》で応じ、盤面を築き始めた。
津村の盤面には《節くれ木のドライアド》と《残忍な剥ぎ取り》、そして《最後の望み、リリアナ》がある。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》への対処も十分可能な布陣だ。しかし津村の攻撃に耐えた《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は、自ら《最後の望み、リリアナ》への反撃に出た。ブロックに入った《節くれ木のドライアド》が墓地へ行き、津村のクリーチャーは《残忍な剥ぎ取り》のみになる。
デュークはさらにプレインズウォーカーを呼び出した。《反逆の先導者、チャンドラ》が「ゲートウォッチ」の仲間である《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と肩を並べ、津村の《残忍な剥ぎ取り》を除去する。対する津村が繰り出せたのは、デュークの守りを突破できるものではなかった。返しのターンに《最後の望み、リリアナ》も退場することになるだろう。
リリアナは倒れたが、それでも《残忍な剥ぎ取り》が駆けつけて津村をなんとか支えた。津村は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》への攻撃を試み、《闇の掌握》でブロッカーを1体除去すると「昂揚」を達成した《残忍な剥ぎ取り》の攻撃がトランプルで《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》へ届き、それを落とせるかと思われた。しかしデュークは《空鯨捕りの一撃》を放ち、プレインズウォーカーを守り切った。その後ゲームは素早く決着し、デュークはこの激しい戦いを制してトップ8入賞のチャンスを残したのだった。
デューク 2-1 津村
10 《平地》 6 《山》 4 《感動的な眺望所》 4 《鋭い突端》 -土地(24)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《模範的な造り手》 4 《無私の霊魂》 4 《経験豊富な操縦者》 4 《模範操縦士、デパラ》 2 《ピア・ナラー》 2 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー(24)- |
3 《石の宣告》 2 《蓄霊稲妻》 4 《密輸人の回転翼機》 3 《高速警備車》 -呪文(12)- |
4 《流電砲撃》 2 《断片化》 1 《神聖な協力》 3 《空鯨捕りの一撃》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
7 《沼》 6 《森》 4 《花盛りの湿地》 4 《風切る泥沼》 3 《進化する未開地》 -土地(24)- 4 《節くれ木のドライアド》 4 《残忍な剥ぎ取り》 4 《森の代言者》 3 《不屈の追跡者》 1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 4 《新緑の機械巨人》 -クリーチャー(20)- |
4 《ウルヴェンワルド横断》 4 《闇の掌握》 1 《殺害》 4 《密輸人の回転翼機》 3 《最後の望み、リリアナ》 -呪文(16)- |
2 《豪華の王、ゴンティ》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 4 《精神背信》 3 《人工物への興味》 1 《不屈の追跡者》 1 《餌食》 2 《生命の力、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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