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プレイヤーズコンベンション愛知2024

観戦記事

笹生 裕介(岡山) vs. 熊谷 陸(宮城) ~赤単とボロス召集のアグロ対決~

大久保 寛


 チャンピオンズカップファイナル サイクル2 ラウンド3は2日制のトーナメントであり、2日目進出には足切りが存在する。

 そのラインというのが第7回戦終了時点で「5勝以上」もしくは「スイスラウンド順位64位以上」というもの。つまり、第7回戦を迎えるにあたって4勝2敗中のプレイヤーは対戦を行って勝利するか、スタンディングを見て自己責任でID(両者任意の上で行われる引き分け処理)を行うことになる。この第7ラウンドでもIDを選択するプレイヤーはいたが、上位入賞による賞金獲得や18位以内に入賞することで手に入るプロツアー権利、さらにプレイオフ進出をするためにはこの段階でIDを選ぶわけにはいかない。

 この重要なラウンドでフィーチャーマッチテーブルに通されたのは元ゴールドレベル・プロである東北の強豪・熊谷 陸(宮城)と、晴れる屋や信心亭といったカードショップの店舗大会で腕を磨く笹生 裕介(岡山)だ。試合前にはIDの相談もしていたようだが、万が一に64位以内に入賞できない可能性や明日の戦いを見越してか対戦することを選んだようだ。

 相対する2名の使用デッキは熊谷の赤単アグロと笹生のボロス召集。ボロス召集は今大会では2番目に多かったアーキタイプだが、赤単は少しだけ珍しい。いずれにも共通するのはアグロ同士の対決であるということであり、どちらのデッキがよりよい選択だったのかはこの対戦の結果で明らかになることだろう。

 互いに次ラウンド以降の戦いに望みをつなぐための大事な一戦。勝利を掴むのはどちらのアグロか?

笹生 裕介(岡山) vs. 熊谷 陸(宮城)

 

ゲーム1

 先攻の笹生が《感動的な眺望所》を置くのみでターンを返すと、返す熊谷は1マリガン後の手札から《僧院の速槍》をプレイ。先んじて1点クロックを刻み、続くターンには《僧院の速槍》に《巨怪の怒り》。わずか2ターンにして笹生のライフを6点奪う。

 対する笹生も負けじと熊谷のターン終了時に《毅然たる援軍》をプレイし、続く自身のターンのメインステップに《戦導者の号令》を叩きつけ、熊谷に奪われたライフレースのリードを奪い返しにいく。

笹生 裕介(岡山)

 ならばと熊谷は《焦熱の射撃》で《毅然たる援軍》を除去。さらに果敢によってサイズの上がった《僧院の速槍》がなおも笹生のライフを削る。苦境に立たされる笹生だが、2枚目の《戦導者の号令》をプレイして兵士・トークンをブロッカーに立たせて一旦熊谷の攻撃を受ける構えだ。

 だが、熊谷は攻撃の手を止めない。《精鋭射手団の目立ちたがり》をプレイして《僧院の速槍》と共に攻撃の号令をかけると、《巨怪の怒り》で《精鋭射手団の目立ちたがり》を強化して6点ダメージ。《僧院の速槍》の攻撃だけは止めた笹生だが、残るライフは5点のみと非常に苦しい展開だ。

 いよいよラストターン。この《僧院の速槍》と《精鋭射手団の目立ちたがり》を対処せねば後がない笹生だったが、ライブラリートップは笹生に微笑むことはなかった。笹生のターン終了の宣言を聞き遂げると、熊谷が笹生の残りライフを削りきった。

笹生 0-1 熊谷

 

ゲーム2

笹生「1ゲーム目のキープがよくなかったからなぁ」

 と嘆く笹生は第2ゲームでクアドラプル(※4回の)マリガンの憂き目に見舞われ、圧倒的に不利な状況下でのゲームスタートを余儀なくされる。

 笹生は3枚になってしまった手札から、第1ターンに《内なる空の管理人》をプレイし、2ターン目に2枚目の《内なる空の管理人》を並べる。対する熊谷は《熊野と渇苛斬の対峙》、《精鋭射手団の目立ちたがり》と続く絶好の立ち上がりだ。

熊谷 陸(宮城)

 さらに熊谷は続く第3ターンに《石術の連射》と《焦熱の射撃》で《内なる空の管理人》2体を除去する。手札もクリーチャーもなくなってしまった笹生はそのまま熊谷に攻め切られてしまうのだった。

笹生 0-2 熊谷

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