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マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2017

トピック

世界選手権2017 トップ4プレイヤープロフィール

吉川 祐輔

Meghan Wolff and Frank Karsten / Tr. Yusuke Yoshikawa

2017年10月7日


 世界最高のプレイヤーの中から4人が、マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2017のサンデー・プレイオフにたどり着いた。その4人をご紹介しよう。ウィリアム・ジェンセン/William Jensen、ジョシュ・アター=レイトン/Josh Utter-Leyton、ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguez、ケルヴィン・チュウ/Kelvin Chewだ。

 プレイオフはスタンダードで行われ、プロツアー・チームシリーズ・チャンピオンシップの閉幕後すぐに開始される。準決勝は、一方がジェンセンの「ティムール・エネルギー」とチュウの「青黒コントロール」の対決、もう一方がアター=レイトンの「青黒コントロール」とドミンゲスの「ラムナプ・レッド」の組み合わせだ。勝ち残った2名のプレイヤーが決勝を行い、勝者は10万米ドルの優勝賞金と2017年のマジック世界王者の称号を手にする。


ウィリアム・ジェンセン/William Jensen

t4_jensen.jpg

年齢:35

居住地:アメリカ合衆国、メリーランド州シルバースプリング

招待事由:獲得プロ・ポイント上位

ドラフトの成績:6-0

スタンダードの成績:6-2

スタンダード使用デッキ:ティムール・エネルギー


 この週末最大の話題は、ウィリアム・ジェンセンがトーナメントを圧倒的に勝ち進み、誰よりも早くトップ4の座を確定させたことだ。彼の12勝2敗という驚異的な成績は、それに次ぐプレイヤーが9勝5敗であったことを考えると、より印象的なものとなる。

 ジェンセンは専心と準備をもって、この成績を成し遂げた。彼はこのイベントのために多くのテストをこなし(準備は5週間前から始めたという)、文字通りほぼ毎日、1日あたり約10時間をプレイに充てた。チームメイトのリード・デューク/Reid Dukeいわく、ジェンセンほど熱心にトーナメントの準備をするプレイヤーは見たことがないそうだ。

 ボストンで生まれ育ち、現在も家族が近隣に居住する彼にとって、家族の前で自らの経歴に感嘆符を打つことは、とても特別なものになるだろう、とジェンセンは言った。実際に、彼の父がトーナメント会場を訪れ、多くのラウンドで歓声を送っていた。

「私はキャリアの中で多くを成し遂げてきたが、明日勝利すれば競技マジックの頂点に立つ感覚を得られるだろう。ここボストンでそれができるなら、なおさら特別だよ」


ジョシュ・アター=レイトン/Josh Utter-Leyton

t4_utter-leyton.jpg

年齢:31

居住地:アメリカ合衆国、カリフォルニア州ロアート・パーク

招待事由:Magic Online 王者

ドラフトの成績:5-1

スタンダードの成績:4-4

スタンダード使用デッキ:青黒コントロール


 今年3月、ジョシュ・アター=レイトンは「Magic Online Championship」に、さほどの期待を持たずに現れた。3日後、彼は優勝し、突如プラチナ・レベル・プロの資格と、今週末の世界選手権の出場枠を獲得したのだ。サプライズ的な勝利は長年のプロ・プレイヤーにとっても驚くべきマジックの4か月の始まりであり、彼は7月にマジック・プロツアー殿堂に選出された。(来月、プロツアー『イクサラン』にて顕彰されることになっている。)

 アター=レイトンはこのトーナメントに向けて、ジェリー・トンプソン/Gerry Thompson、マーティン・ジュザ/Martin Jůza、サミュエル・ブラック/Samuel Blackとともに準備してきた。その訓練について彼はこう言う。「マジック界でも最高のリミテッド頭脳と準備できたことが、おそらく最重要なことでしたね。普通、こうはいきませんから」

 リミテッド・ラウンドにおいて、アター=レイトンは攻撃的な青緑マーフォークと、彼いわく「赤白ビートダウン恐竜」をドラフトした。そこで、彼は言葉を止めた。「思えば、すべてはビートダウンでしたね。単に赤白恐竜ってことです」

 スタンダードでは、アター=レイトンは《アズカンタの探索》を中心とした青黒コントロールを、このトーナメントのためにチームメイトとともに組み上げ、プレイした。真のコントロール使いらしく、デッキの好きな部分は《スカラベの神》でも、まして《不許可》でもなく、《アズカンタの探索》を使ってドローを進めることだという。


ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguez

t4_dominguez.jpg

年齢:30

居住地:スペイン、パラウ・ソリタ・イ・プレガマンス

招待事由:獲得プロ・ポイント上位

ドラフトの成績:3-3

スタンダードの成績:6-2

スタンダード使用デッキ:ラムナプ・レッド


 ハビエル・ドミンゲスは、スペイン出身で最高の生涯獲得プロ・ポイントを持つプレイヤーだ。彼はわずかな差で最終日進出を逃したことが複数回ある。プロツアー『戦乱のゼンディカー』9位、プロツアー『破滅の刻』9位。今回のトップ4をもって、ついに日曜日にプレイする機会を得たのだ。彼は満面の笑みを浮かべて、言う。

「長年プレイしてきましたから、多くの意味がありますね。特にここ3~4年は超真剣にプレイし続け、多くをマジックに捧げてきました。また9位で惜しかった直前のプロツアーの後だから、ついにここまで来たっていう感じですね」

 スタンダードで、ドミンゲスは最も慣れ親しんだアーキタイプにこだわった。彼は自身がアグロ・デッキのプレイに長けていると感じ、防御に回らなければいけない重要なゲームでこそ発揮されると思っていた。

「思うに、プレイの方法を最もよく知っているデッキが赤単なんですが、それが環境にたまたま適合していたのはラッキーでしたね」

 これは謙虚な返事だが、彼の堅実な技術に基づくプレイがドラフトとスタンダードの両方で発揮され、最終的にトップ4に結実したのだ。


ケルヴィン・チュウ/Kelvin Chew

t4_chew.jpg

年齢:31

居住地:シンガポール

招待事由:獲得プロ・ポイント上位

ドラフトの成績:3-3

スタンダードの成績:6-2

スタンダード使用デッキ:青黒コントロール


 読者諸氏はケルヴィン・チュウに詳しくないかもしれない。シンガポール出身のプレイヤーで、プロツアー・フィラデルフィア2011でのデビュー以降、プロツアーに顔を出してきた。アジア太平洋圏のプレイヤーから、今は世界へ、そして最高のプレイヤーのひとりとして知られるようになった。

 2017年は、チュウにとって初となる出来事が多くあった。グランプリ・北京2017では初となるトロフィーを掲げ、1年を通してプロツアーで成績を残し続け、こちらも初のプラチナ・レベル・プロの座を獲得したのだ。

 今日の第13回戦で、チュウは最上位に君臨するウィリアム・ジェンセンからマッチで勝利を奪った初のプレイヤーとなった。スタンダードでは、トンプソン、ブラック、アター=レイトンと似た形の青黒コントロールをプレイしているが、これは彼が自身で研究したものだ。チュウはデッキ構築と調整が彼の長所だと考えている。リミテッドでは、最後まで白黒吸血鬼で乗り切った。

 チュウの信条は、「十分に熱心に取り組めば、誰でも最高の舞台にたどり着ける」というものだ。それは確かに、彼のトーナメントへの準備に表れている。最近3週間にわたって、1日あたり8~10時間の練習をこなしたのだ。また、彼はリー・シー・ティエン/Lee Shi Tian、クリスティアン・カルカノ/Christian Calcano、ハビエル・ドミンゲスなどからなる、自身のチームにも信頼を置いている。それが今年の、そして今週末の勝利に導いたのだ。彼は言う。

「良いチームでプレイテストすることが、成功の鍵ですね」

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RESULTS

対戦結果 順位
最終
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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