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マジックフェスト・横浜2019
第14回戦:小林 祟人(東京) vs. 辻川 大河(東京) ~メルボルン、メルボルン、聞こえるか~
グランプリ・横浜2019もいよいよ第14回戦。ここでフィーチャーマッチテーブルに呼ばれるプレイヤーと言えば、2日間の激戦を通して1敗ラインの者らだ。
彼らはここで勝利すれば、続く第15回戦でID(両者合意の上での引き分け処理)を行うことでトップ8進出がほぼ確実になる。つまりこのマッチは、トップ8進出を懸けた事実上のバブルマッチと言えるだろう。
ここではそんな天国と地獄の分け目へと足を踏み入れたプレイヤーたちを紹介しよう。
小林 祟人。この名にピンとこなかったとしても、「kbr3」と言われれば「あの人か!」と気づく人もいるだろうか(まさに筆者がその1人だ)。Magic Onlineでは世界的に知られた存在で、過去には幾度もプロツアー予選を突破した経験を持つ叩き上げのプレイヤーである。
相対するは「メルボルンの奇跡」こと辻川 大河だ。関東のコミュニティでは「お子様ランチ」こと「サマラン」のあだ名で親しまれているプレイヤーで、その異名の通りグランプリ・メルボルン2018での優勝が記憶に新しい強豪プレイヤーの1人だ。
果たしてこのマッチを制して見事に上位入賞へ望みを繋ぐのはどちらになるのか? 彼らの対戦の行方をお届けしよう。
小林 祟人 vs. 辻川 大河 |
ゲーム1
《墨蛾の生息地》に《オパールのモックス》、《溶接の壺》を一挙にダンプし、《墨蛾の生息地》を起動しつつ「金属術」を達成して《古きものの活性》へとつなぐ、「鱗親和」の流れるような第1ターンが終わる。
返す辻川は《燃焼》をX=0でプレイし墓地へ。これによって小林もまた辻川のデッキを理解する――そう、「ドレッジ」だ。
互いに自己紹介を終え、小林が《搭載歩行機械》をプレイすると、辻川も《安堵の再会》で一気に墓地を掘り進め、《ナルコメーバ》と《秘蔵の縫合体》を降り立たせる。モダンの「ドレッジ」を環境上位デッキの仲間入りさせた立役者でもある《安堵の再会》は、過去のあらゆるカードと比較しても発掘効率が段違いと言えよう。
辻川のベストに近い挙動に、小林ものんびりしているわけにはいかなくなってしまう。《ゲスの玉座》と《硬化した鱗》を設置し、着実に戦線を増強していく。
しかし辻川は差を詰めさせまいと2枚目の《安堵の再会》! わずか3ターン目にしてデッキの半分近くを墓地に送り込み、《這い寄る恐怖》2枚を誘発させながら小林のライフを10まで減らし、《恐血鬼》4体を「上陸」させる。
辻川 大河 |
小林も《歩行バリスタ》をプレイして辻川のクロックに応じるのだが、墓地と戦場を縦横無尽に行き来する辻川のリソースは尽きることはない。幾度かの辻川の攻撃を経たあと、小林は《燃焼》にその身を焼かれ、第1ゲームの勝敗が決した。
小林 0-1 辻川
ゲーム2
《墨蛾の生息地》と《電結の働き手》、そして《オパールのモックス》を並べ、続くターンには《搭載歩行機械》と《墓掘りの檻》を設置する小林。軽快に展開しつつドレッジへのキラーカードを見せ、辻川の反応を伺う。
しかし辻川もさる者。この《墓掘りの檻》には一呼吸の後に《自然の要求》で応じ、《稲妻の斧》で《恐血鬼》を捨てながら《搭載歩行機械》を破壊する。
互いの動きを牽制し合う序盤戦を経て、辻川は《安堵の再会》や《稲妻の斧》で手札を墓地に送り込みながら「発掘」を開始する。すぐにも戦線に《秘蔵の縫合体》と《ナルコメーバ》が立ち並び、かつサイドカードである《古えの遺恨》が墓地に落ちた。
小林 祟人 |
だが、小林もまた負けじと《溶接の壺》を設置しつつ《電結の荒廃者》をプレイする。「親和」デッキでもお馴染みのフィニッシャーは当然「鱗親和」デッキでも強力で、盤面は一気に複雑さを増した。さらに続くターンには《活性機構》も添え、互いに攻めあぐねる泥臭い展開となっていく。
だが、こうなると飛び道具を持っている辻川が有利だ。徐々に増強されていく小林の戦線を腐肉の壁で押し留めつつ、《壌土からの生命》を繰り返し唱えて手札を増やす。墓地にある《燃焼》の数は十分で、小林のライフはゴリゴリと削られていった。
この状況を打開できるとしたら《歩行バリスタ》で辻川のライフを直接狙うのみ。しかし――
小林「……なんで引かないかねえ」
ドローは小林に応えず、辻川の業火が小林を飲み込むのだった。
小林 0-2 辻川
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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