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EVENT COVERAGE
マジックフェスト・名古屋2020#1
ステージイベント スタッフインタビュー
マジックフェストでは、すっかり定番となった、ステージイベント。
デイリー・デッキの記事(「岩SHOWの「デイリー・デッキ」)でもお馴染みの岩Showさんを筆頭に、毎回、趣向を凝らし誰もが楽しめるこのイベントですが、そのステージの裏側には、あまり触れられてきませんでした。
というわけで、今回は、ステージイベントのスタッフの方々にインタビューをおこないました。
(写真左から)水口清志さん、岩Showさん、ぴかさん |
ステージイベント誕生秘話
――いつごろから、ステージイベントはやるようになったのでしょうか?
岩Show「BIG MAGICが主催でやった2回目のグランプリ(当時はイベント全体を示す名称がグランプリでした)。確か、2014年のグランプリ静岡だったと思いますね」
(当時の様子はこちらの記事で紹介されています。)
――そのときから皆さん一緒にやられてるんですか?
岩Show「そんときは、僕だけですね」
水口「僕は、そのときはまだ違う仕事してました。8構(8人フライト式の構築イベント)担当でしたね」
――なるほど。最初のステージイベントは、プロレスのリングのような場所でやっていたと思うのですが、どういったきっかけで、このステージイベントをやるようになったんでしょうか?
岩Show「BM(BIG MAGIC)の社長が会場を下見にいったときに、係の方が『ここプロレスとかでも使う会場なんですよ』って言ってくれて、社長が『おもしろそうですね』って言うと、オプションでリング借りられることがわかって、(静岡から)帰ってきた社長が僕んところに来て『グランプリ会場の真ん中にリング置いたから』って」(当時岩ShowさんはBIG MAGICのスタッフとして勤めていました)
――置いたからっ!?(笑)
岩Show「そう、置いたから。(社長に)『だから、リングでやること考えてっ!』って言われて、『はぁ?何を言うてますの?』って最初は思ったんですが、ステージイベントみたいな感じでやったら、お客さんがサイドイベントとは別に、カジュアルに遊べる場所があったらいいのかなぁ?って。『リアルモミールベーシック(※)』とか、僕らもやってみたかったし、実際やってみたところ、なかなか評判が良かったんです」
(※「Momir Vig, Simic Visionary Avatar」からランダムに出現するクリーチャー・トークンのみで戦うフォーマット。現在ではMTGアリーナでも、時折開催される人気のフォーマット。ランダム性の高さや必要となるカードの量的にデジタルならではのフォーマットだったが……。)
岩Show「かつ、ほんまにリング置くから、プロレスみたいなことしようやってなりまして。BIG MAGIC VS. 晴れる屋ってイベントをそんときにやったんです。3人タッグマッチのイベントやね。それがなかなかに好評でして、そんなにウケてしまったら、ステージ続けなアカンなって毎回ステージをやり続けて今にいたる感じですね」
――6年目ですかね? 結構長いですね。
岩Show「ありがたいことですね」
――ということは、何か企画を考えてステージイベントがはじまったわけじゃなくて、プロレスリングがあってしまったからステージイベントができたって感じですね。
岩Show「そーなんです(笑) 社長の無茶ぶりから。『なに言うてんねん、この人マジで』ってなったんですけど」
――そりゃ、なりますよね(笑)
岩Show「ただ、逆に、僕としてはそのリングの中は無法地帯じゃないですけど、僕の好きにしていいんだなって。ここまで続いてきたグランプリの中に『おれのエリア』が誕生するって気持ちもあり、すごく嬉しくなって色々考えたのもありますね。無茶ぶりもあったけど、喜びも大きかったですね」
ステージイベントの裏側
――その頃から、岩Showさんが主体でやってるんですか?
岩Show「僕と、今日は居ないんですが、もう1人の方が主にやってますね」
――企画は二人で立案されるんですか?
岩Show「そうですね。会議とかで案はみんなで出すんですけど、『それは実現不可能や』となりますね。あとは、BM内で社長も含めて話して、予算こんぐらいだとか会議で設定したり、サポートで来てもらう清志(水口さん)も今では会議に参加して案を出してもらったりしてますね」
――ちなみに、水口さんから通った企画ってありますか?
水口「僕が通した企画ってのは無くてですね。どちらかというと、裏方として、『それがほんまにできるのか?』とか考えたり、やりやすいように修正したりとかが多いですかね」
岩Show「会議中寝てる?」
水口「起きてる起きてる!(笑)大事な役。いっぱい出てる案の中から、実際できるのをチョイスしたりするのが僕の役になることが多いですね」
――良かったです、めっちゃ働いてました。ボツになった企画でやばかった案とかありますか?
岩Show「やばかった案ですか……。花火とかですね(笑)」
――花火っ!?
岩Show「花火。シューっとか、シャーンッて演出したら派手やし盛り上げでどうですか?って聞いたら『消防法的に無理』ってなりました」
――紙媒体と火は相性悪すぎますからね(笑)
岩Show「他にも、僕らが出したわけじゃないですけど、上からの命令みたいな感じで『マジック新喜劇やれ』って言われましたね」
――え!?
岩Show「『ステージイベントで新喜劇やったらええんちゃうん?』って一か月ぐらい言われて『無理です、無理です』ってつっぱね続けたことはありました」
――無茶ぶりがすごいっ! でも、ちょっとみてみたいですね。
岩Show「地獄ですよ? 稽古。僕らシロウトですからね(笑)」
印象に残っているステージイベントは?
――今までいろいろな企画をやってこられたと思いますが、その中でも印象に残っているものはありますか?
岩Show「今まで印象に残ってるやつですか……。何か楽しかったやつある?」
ぴか「フラフープですね。マジックの対戦中にフラフープ回してる間だけターンが進行できるイベントだったんですが、ぜんぜんフラフープ回せなくても、みんな頑張ってましたね」
岩Show「不思議なことに、みんなそんなできへんくてもフラフープ回したがるんですよ、ありがたいことに。それで、今まではマジック×フラフープのイベントやったんですが、今回はついにフラフープだけのイベントをやることになりました(笑) こういった感じで変化してるんですよ」
ステージイベントの変化
岩Show「今までステージイベントは、マジック+何かみたいな感じで、ゲームをプレイすることに絡めてたんです。マジックが関わっている何かみたいなことに囚われていたというか、縛られていたんですが、前回のマジックフェストのときに、ゲームプレイが一切関係のないスイカ割とか、アメ探しとかやってみたら、ウケて」
――それ、なんでやってなりますね(笑)
岩Show「こっちも、なんでやってなったんですけど。そーなんか!?みんながテレビでみたことあるけど、やったことが無いバラエティーのネタとかをやる場にしたら、もしかしたらいいのかなと(笑)」
水口「ネーミングだけでも、マジックと絡めて楽しんでもらえるようにとは思ってますね」
――ゲームをプレイする以外にもステージでのマジックの楽しみ方があるわけですね。では、今はウケている部分を伸ばしている感じですか?
岩Show「結局わりと、みんなお祭りにきてるから童心にかえっている部分があって、その童心の延長線上にあるもんがみんな楽しめるんかなって」
――なるほど。
岩Show「僕らがきっちり考えて、マジックのゲームと結びつけても、もとのゲームのおもしろさを超えることが難しくて、企画としてやるよりも、もっとお祭りとして盛り上げたほうがええのかなぁっと思って今回は用意しましたね」
――グランプリは、名称もマジックフェストに変わりましたし、お祭り(フェスト)は重要なファクターですね。
岩Show「もちろん、お絵描き選手権とか、がっつりとマジックに寄っている企画も残してますけどね」
(ステージイベントのお絵描き選手権については、こちら)
――意外な結果ですね。みんなゲームをプレイしにきてると思っていましたが、それ以外の楽しみ方を求めている方も多かったんですね。
岩Show「グランプリ本戦や、他のイベントでがっつりゲームをやっているから、ステージイベントとか、箸休め的なものはゲーム以外の方がいいのかなと思いました」
ステージイベントをやるうえで心がけていること
――老若男女問わずみんなが楽しめるステージイベントですが、運営するうえで何か心がけていることはありますか?
ぴか「シャイな方も多いので、楽しんで参加してもらえるように、盛り上げることは心がけてますね」
――確かに、シャイな方は多そうなイメージですね。
ぴか「だからこそ、うまく盛り上げてあげないとって思ってますね。挙手制のイベントが多いんですが、手を上げやすい雰囲気を作るとかですね」
岩Show「(ぴかさんは)シャイなお客さんをほぐしてあげるのがうまくて、今はレギュラーとしてやってもらってますね。また、清志(水口さん)は各サポートのスペシャリストですね。SSですわ」
――SS(サポートスペシャリスト)!?
水口「ありがとうございます。お客さんあってのイベントですので、皆さんに笑顔になっていただけたらなってのが最終目標なんですけども。僕は演者の方々がスムーズにイベント進行できるよう、段取りをしっかりやることを心がけていますね」
――なるほど。ありがとうございます。岩Showさんは何かありますか?
岩Show「マジックプレイヤーは意外とツッコミ待ちの人が多いんですよ。僕の経験上、そこは絶対ツッコむやろ!みたいなところが、ツッコまれてない人が結構いるから、そこをツッコんで笑いに持っていこうと頑張ってるんですけど」
――ボケるけど、誰もツッコんでない?
岩Show「そういうときもあるんですけど、ボケてる方もボケてるって気づいてないし、ボケられてる方も気づいてなくて、淡々とゲームをやってたりすることがあるんですよ。だから僕は、お客さんの天然と言いますか、そこは絶対おもしろいってところを拾っておいしくしてあげたいなっと頑張ってるんですけどね」
――わかるような、わからんような感じですね。たとえば何かありましたか?
ぴか「今日、カード名を当てるクイズがあったんですけど、『カード名わからんけど……』って言いながら手上げてる方がいて」
――えっ!?カード名当てクイズですよね?
岩Show「『え!? なんで』ってなりますよね? だから、当てるんですけど『やっぱりわかりません』ってなるんですよ。そういうところが面白いし、拾ってあげたいなって思ってるんですよね。ツッコみ待ちの人にちゃんとツッコんであげたいんですよ。そういうところが役目だと思ってやらして頂いてますね」
ステージイベントの楽しみとこれからの目標
岩Show「ほんまね、来てくれる人がみんな楽しんでくれるんですよ。だから、僕らも楽しんでステージイベントやれてるんですよね。相乗効果というか、シナジーですね。お客さんが楽しんでくれて、僕らも楽しいみたいなね」
――参加者だけでなく、運営側もみんなが楽しめるイベントが一番だと思います。ちなみに、これからの目標はありますか?
岩Show「そうですね。まだ、少ないんですけど、これを目当てにマジックフェストに来る人を増やせたらなって思いますね。子供たちも興味を持ってくれるようなことをして、マジックの裾野を広げられたらなって思いますね。だからフラフープとか、マジックがまだうまくプレイできなくても参加できるものを用意したりしてますね」
――確かに、年齢性別関係なく、多くの人がステージイベントに参加されていますよね。
岩Show「それこそ、50代から小学生まで、みんなが1つになれたらいいなぁって思ってます」
――素晴らしいお考えです!本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
なかなか触れる機会のないステージイベントの裏側。今回は3人のスタッフにお話を聞きました。
どうやって楽しんでもらうか? また、今までマジックフェストになかったもので、どう受け入れてもらうか? 裏側では非常に多くのことが考えられているのが見てとれました。
だからこそ、多くの人の心を引き付けるイベントが作られているのでしょう。
今後、どういったイベントが誕生するのか? これからのステージイベントも楽しみです。
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