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EVENT COVERAGE
日本選手権2018
第1回戦:石田 龍一郎(静岡) vs. 高野 駿斗(東京)
日本選手権2018開催
その年の日本王者を決する歴史ある大会は昨年、6年振りの復活を遂げた。
空白の6年の間にマジックを始め、プロシーン最前線で活躍する原根 健太の優勝という新時代の幕開けに相応しい大会となった。
そして2018年9月8日、今日。日本選手権2018、開催。
昨年に引き続いてツインメッセ静岡で開催される日本選手権には全国から800を超えるプレイヤーが集まった。
会場開場となる午前11時ごろ、通り雨が静岡に降り注いでいた。
大会参加者たちの熱気をもしずめかねない激しいものだったが、むしろ彼らが冷静に大舞台に立つための一助になったのかもしれない。
プレイヤー紹介・デッキ紹介
石田 龍一郎(写真、左)。
日本選手権2011、王者。
世界選手権2011国別対抗戦、王者。
「最後の日本王者」と6年間呼ばれた男は、熱意をもって戦場に現れた。
静岡で活動を続ける石田にとってみれば、ここは「地元」でもある。
デッキは「赤黒コントロール・タッチヴラスカ」。
コントロール寄りの「遅い」赤黒に《隠れた茂み》と《秘宝探究者、ヴラスカ》を組み合わせ、より強烈さを足した石田謹製のデッキだ。
除去コントロールとして振る舞うことで自分より「速い」ビートダウンには強烈な耐性を誇る。
半面、青いコントロールには苦手意識があるようだが、それもメインから《秘宝探究者、ヴラスカ》を通していく筋を持つことで相性は多少なりとも改善される。
対するは、高野 駿斗(写真、右)。
東京で活動をする高野もまた、赤黒を意識してアレンジを加えたデッキタイプを持ち込んだ。
ただし高野はタッチカラーによるアプローチではなく、黒を白に切り替えた。
「赤白ビートダウン」。
《ボーマットの急使》や《地揺すりのケンラ》といった赤く速いカードに《胆力の道》を組み合わせた「胆力の道アグロ」を軸に、《ベナリア史》や《黎明をもたらす者ライラ》といったしっかりと濃い白まで採用して、ロングゲームに備えている。
「サイド強くないと、普通の赤黒で良いですからね」と高野が語るように、サイドボード後では「赤黒」よりも広いゲームスピードに対応するのが特徴のようだ。
石田、高野ともに現行のスタンダードを象徴する「普通の赤黒」に対しての研究を進め、「より広域をカバーする」という方向を意識してチューンナップを図っていた。
試合展開
先手を取った高野が、《損魂魔道士》からの《地揺すりのケンラ》という赤単並みに素早い展開を仕掛ける。
高野 駿斗 |
対する石田のアクションは鈍く、《マグマのしぶき》と《木端 // 微塵》でクリーチャーを焼いたころには、既にライフは5だ。
高野の手札には《稲妻の一撃》が1枚握られており、残る「2点」を削るカードを引くまで待つのだが……果てしなく、来なかった。
6ターンほどだろうか。土地ばかりが伸びてゆく。
その間、石田が《栄光をもたらすもの》を展開し、3回のアタックを仕掛ける。そして《宝物の地図》の変身で生成した宝物・トークンから《微塵》X=8をプレイして20点とした。
続くゲーム2も、高野の展開を石田が御し続けた。
《再燃するフェニックス》のにらみ合いにもつれこんだところで盤面の均衡はいったん保たれたが、そこから石田が《死の権威、リリアナ》《栄光をもたらすもの》《秘宝探究者、ヴラスカ》とエンドカードを連打してゲームを締めた。
石田 2-0 高野
試合後
「先日RPTQ(プロツアー地域予選)を抜けた棚橋さん(棚橋 雅康)の赤黒フェニックス(参考)のリストを見たとき、良いなと思ったんです。そして、良い意味で『悠長だな』と思ったんです。《最古再誕》も悠長さが顕著なカードですね。だから、その方向に振り切ろうと思って。サイクリングランド(《隠れた茂み》)を足せばマナベースはカバーできそうで、決め手となるヴラスカ(《秘宝探究者、ヴラスカ》)を追加したんです」
試合後、今回の「赤黒コントロール・タッチ《秘宝探究者、ヴラスカ》」を選択した理由を語ってくれた石田。
事実、ゲーム2では《秘宝探究者、ヴラスカ》が高野の後続を牽制し続けることで盤面の優位を絶対のものとしていた。
「日本選手権は、やっぱり一番思い入れのある大会ですからね。高校野球における『甲子園』みたいな、そんな輝いてみえる大会になってほしいです。そのためにも、今回もできるかぎり頑張りたいです」
脈々と継がれてきた日本王者の冠を持つ1人として、石田は第1回戦目の勝利をもって2期目の王座を狙う。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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