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グランプリ・シンガポール2018

観戦記事

準決勝:Andy Chan(香港) vs. 市川 ユウキ(東京)

小山 和志
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アンディ・チャン(写真左) vs. 市川 ユウキ(写真右)

 速度勝負

 日本が誇るゴールドレベル・プロの市川ユウキと、香港の国別選手権2017王者であるアンディ・チャン/Andy Chanの戦いは、3ゲームすべてを合わせても20分に満たない高速の戦いとなった。

 スタンダード環境最強のアグロデッキである「赤単」を駆るチャンに対し、市川が今大会選択したデッキは戦前のメタゲームの主要デッキではなかったコンボデッキ、「白青・王神の贈り物」。

 互いが全速力で駆け抜け、決勝戦への切符を賭けた戦いが繰り広げられた。

 
ゲーム1

 市川が《査問長官》から《アズカンタの探索》と順調に展開していく。

 後手のチャンが《査問長官》を《稲妻の一撃》で退け、《ゴブリンの鎖回し》でクロックを用意するが、市川の墓地には既に《王神の贈り物》がある。そして市川は4ターン目に《復元》!

市川が最速の動きを見せる
 

 これで《王神の贈り物》が戦場に舞い戻り、市川は《査問長官》《陽光鞭の勇者》と墓地に眠る、眠っていたはずのクリーチャーを次々に蘇らせていく。

 チャンは《反逆の先導者、チャンドラ》連打で蘇る市川の軍勢を処理するのだが、市川がドロー呪文を唱え、《機知の勇者》を墓地に送り込むのを見ると、すぐに土地を畳んだのだった。

チャン 0-1 市川

 
市川ユウキがゲーム1を鮮やかに先取し、サイドボードに手を伸ばす
 
ゲーム2

 チャンが《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》から《アン一門の壊し屋》《地揺すりのケンラ》と序盤から怒涛の攻め!

 市川は《アズカンタの探索》の初動から《王神の贈り物》を墓地に送り込むことには成功するが、4ターン目にドローを見ると……市川の取った行動は……

 

 投了!?

 環境最強のアグロの「ドブン」の前に、市川とチャンは「Very fast!」と時計を指差しながら大笑いし、サイドボードに手をかけた。

チャン 1-1 市川

 
高速勝負の最中でも、チャンはカメラに気づくと顔を向けてくれる
 
ゲーム3

 市川が《領事の権限》を1ターン目に置く、対赤アグロとしては最高のスタート。さらに2ターン目に《査問長官》、続いて《巧みな軍略》と順調に動き続ける。そして《査問長官》の能力で《王神の贈り物》を墓地に落とすと、4ターン目に《復元》!

ふたたびの最速《復元》&《王神の贈り物
 

 この最速の動きを見てチャンは笑顔で握手を求め、市川は「Sorry, I was lucky」と少し申し訳なさそうな顔で対戦相手の祝福に応じた。

チャン 1-2 市川

市川ユウキ、決勝進出!
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