- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- グランプリ・シンガポール2018
- >
- 準々決勝:Grzegorz Kowalski(ポーランド) vs. 岡本 亮(東京)
EVENT COVERAGE
グランプリ・シンガポール2018
準々決勝:Grzegorz Kowalski(ポーランド) vs. 岡本 亮(東京)
このグランプリ・シンガポール2018には、普段のアジアグランプリで見かけない欧州のプロプレイヤーが参戦していた。
グジェゴジェ・コワルスキ/Grzegorz Kowalski。
今期51点のプロ・ポイントを獲得しているポーランドの巨漢が悠々とトップ8進出を決め、日本の岡本亮の前に立ち塞がる。
その岡本は並み居る強豪を退け、このグランプリ・シンガポール2018の決勝ラウンドへ勝ち上がってきた。
ジャイアントキリング、とは使い古された言い回しだが、岡本は本当に190cmを越えようかという巨大な男を倒すべく準々決勝へ挑む。
ゲーム1
序盤からコワルスキの猛攻が火を噴く。
《地揺すりのケンラ》でダメージを通し、《ショック》を打ち込み、岡本のライフを全力で削っていく。
岡本は《喪心》と《致命的な一押し》でクリーチャーを捌き、《ウルザの後継、カーン》で構築物・トークンを生み出し守りを固める。
だが、コワルスキは《熱烈の神ハゾレト》を召喚、これがダメージを通し始め早くも岡本は致死圏内。
岡本は《機知の勇者》で守りを固めるも、コワルスキが《熱烈の神ハゾレト》の能力を起動し始めると、逆転する術は残されていなかった。
コワルスキ 1-0 岡本
ゲーム2
コワルスキが《損魂魔道士》から《地揺すりのケンラ》と後手ながら軽快なスタート。
これらを除去できない岡本に対し、コワルスキは《魔術師の稲妻》を本体へ打ち込んでいく。1ゲーム目と同じく岡本を焼き切るプランか。
岡本は《ヤヘンニの巧技》でこれらを処理するが、その隙に《稲妻の一撃》を打ち込まれ、《熱烈の神ハゾレト》が着地してしまう。岡本のライフは早くも7。
だが、岡本はこれに《ヴラスカの侮辱》を打つ込みライフを9に回復すると、《スカラベの神》!
コワルスキは《ギトゥの溶岩走り》を引き込み攻撃。《スカラベの神》がこれをブロックしたところで《削剥》を第2メイン・フェイズに打ち込む。終了ステップに《削剥》をプレイすれば《スカラベの神》が帰ってくるのは岡本のターン終了時であり、これではすぐに岡本の手札に舞い戻ってしまう。傍目からすれば反射的にプレイをしてしまったように見えた。
自身のターンに《スカラベの神》を再召喚することを許された岡本。このコワルスキの行動に違和感を覚えたのか少し悩む素振りを見せつつも、赤いデッキ相手には無類の強さを発揮するこのカードを再度プレイする。
コワルスキのこのプレイの理由はすぐに判明した。岡本がフルタップとなった、いや、おそらくコワルスキからフルタップにさせた隙に2体目の《熱烈の神ハゾレト》。
岡本は《スカラベの神》でチャンプブロックし、返す自身のターンで2枚目の《ヴラスカの侮辱》を《熱烈の神ハゾレト》に打ち込み、ライフを7まで回復するが、結果またコワルスキが自由に動けるターンを渡すこととなる。
コワルスキは《ボーマットの急使》《アン一門の壊し屋》と攻め手を途切れさせず、岡本のライフを3まで落とし込む。
だが、粘る岡本は3枚目の《ヴラスカの侮辱》で《アン一門の壊し屋》を処理し2点のライフを得ると、《ウルザの後継、カーン》でブロッカーを用意する。
あとわずか5点のライフを削り切るべく、コワルスキは2体目の《ボーマットの急使》をプレイし、攻撃を継続する。ここには岡本の《喪心》が飛び、片方の《ボーマットの急使》はトークンと相討ちに取られるが、《ゴブリンの鎖回し》で岡本のライフは4まで減少する。
なんとか攻防手を見つけたい岡本は《ウルザの後継、カーン》の[+1]能力を起動すると、公開されたのは《沼》と《中略》。ここでコワルスキは小考の後に、なんと《中略》を岡本の手札に加えることを選択する。
岡本の土地が6枚で止まったことを考慮し、《スカラベの神》を絡めた2アクションを嫌っての選択だ。
ここで岡本には《スカラベの神》再召喚しかなく、コワルスキは《地揺すりのケンラ》の「永遠」能力を起動し、《ゴブリンの鎖回し》と攻撃。《地揺すりのケンラ》は《スカラベの神》に葬られるが、ついに岡本の残りライフを1まで追い詰める。
そして、決着はそれからすぐのことだった。コワルスキの召喚した《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》を岡本は《致命的な一押し》で処理したのだが、ターン終了時に頭を抱えた。
残り5マナの状況。《スカラベの神》の能力を起動し、ターンを迎えることができれば戦況はグッと有利になる。
だが、ここでマナを使用してしまえば自身に火力呪文を撃ち込まれるかもしれない。
岡本は意を決して後者を選ぶ。コワルスキの手札はたったの1枚であり、生き残ることができれば大きなリターンを得ることができる。
対象を選び、マナを支払い……
コワルスキはしっかりと火力呪文を握っていた。
コワルスキ 2-0 岡本
グジェゴジェ・コワルスキが準決勝進出!
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2024.11.12観戦記事
The Week That Was: 熱烈な勇者の帰還|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.27観戦記事
第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権 決勝戦|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26トピック
第30回マジック世界選手権 トップ8プロフィールとデッキリスト|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26観戦記事
Magic World Championship 30 Day Two Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25観戦記事
Magic World Championship 30 Day One Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25戦略記事
The Spiciest Decklists of Magic World Championship 30|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権