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グランプリ・静岡2018(スタンダード)
日本代表インタビュー:森山 真秀 〜時間が許す限り練習をする〜
毎年様々なドラマが生まれる日本選手権。
その例に漏れず、今年の日本選手権2018において準決勝で行弘 賢を、決勝で難波 直也を破って優勝を果たしたのは、マジック経験はわずか2年、島根勢の元デュエマ (デュエル・マスターズ) プレイヤーだった。
森山 真秀。地方勢、かつマジックに関してはまだキャリアが浅い森山は、マジックというゲームとどのように向き合い、そして何を実現しようとしているのか。2週間後のワールド・マジック・カップに日本代表として出場する予定を控えたこの機会に、インタビューを試みた。
−−「森山さんは、もとはデュエル・マスターズをずっとやっていたと伺っていますが、いつごろ初めて、またいつごろどういったきっかけでマジックに移られたんでしょうか?」
森山「デュエマは1弾か2弾のあたりからやっているので、2002年くらいから14年ほどやっていました。マジックを始めたのは2017年の年初くらいですね。地元のショップの店長が、若いときにマジックをやっていらして、それで面白いよと勧められたんです」
−−「本当に最近ですね。長年遊んだゲームから新境地に踏み出すというのは勇気が要ることだと思うのですが、マジックのどういった要素に惹かれたんでしょうか?」
森山「何と言いますか、大きな舞台への憧れがあったんですよね。それにマジックは世界規模なので、今回のようにグランプリに出場すれば色々な国の人と仲良くなれたり対戦する機会があったりするのがとても魅力的です。あとやはり歴史が長いので、仕事上知り合った人とかが『昔やってたよ』って言ってくれて話の種になったりすることがあるのも良いですね」
−−「なるほど。ところで森山さんは島根在住とのことですが、島根におけるマジック事情はどうなんでしょうか?」
森山「苛酷な環境です(笑) PPTQも0件だったりしたので、県外に出ないと競技の大会はないですね。なので僕もいつも友人と一緒に広島とか岡山に遠征してます」
−−「それでいうと、プレインズウォーカーポイントが500点で出られた日本選手権2018はかなり出やすい大会だった感じですかね?」
森山「ですね、出やすくてありがたかったです。島根はショップの品揃えとかもまあまあ貧弱で、専門店とかももちろんなくて。たとえばもし『晴れる屋島根店』ができても、一瞬で潰れると思います(笑) もちろん頑張って取り扱っていただいてる地元のショップさんの存在は、とてもありがたいんですけどね」
−−「そういった環境で、森山さんはどういった方法で調整されているんでしょうか?」
森山「Magic Onlineをひたすらやるのと、地元の友人と相談してやる感じですね。『晴れる屋のデッキ検索にあがるデッキをひたすら全部見る』とかもやりました。とにかくマジック歴が浅くてキャリアが足りていないので、時間が許す限り練習をするというのが現状の解決法です(笑)」
−−「日本選手権2018のときは、どこかで勝てる予感みたいなのを感じたりしましたか?」
森山「いえ、そんなことはなかったですね。実は昨年の日本選手権2017では、スタンダードラウンドで6−0したんですよ。初日スタン4−0、初日ドラフト2−1で、2日目ドラフトは原根さんや行弘さん、八十岡さんと一緒の1番ポッドだったんです。ですがそこで0−3をかましてしまいまして……そこから、ドラフトを練習したんです。今年の結果は、その成果が出せて良かったなと思います」
−−「ドラフトはどういった部分が面白いと感じますか?」
森山「やりたくない色もやらざるをえないときがあるなど、ピック段階で駆け引きがあるのが面白いですね。ピックで自分の作品を作っていく感覚も楽しいです。といっても全然偉そうに言える腕じゃないので、正直誰かに通信教育でドラフトを教えて欲しいくらいです(笑) いいカモになりますよ(笑)」
−−「ドラフトはマジック歴がある程度ないとやり慣れないですよね」
森山「そうなんですよ。たとえば昔の〇〇の環境に似てるとか、再録されたカードがどれくらい強いかとか、昔からやってる人だけが共有できる感覚が多すぎて、マジック歴が浅い僕ではそういうのがわからないのがきついところですね」
−−「最後に、Hareruya Hopesというスポンサードプレイヤーとして、今後の目標などお聞かせいただければ」
森山「まだプロツアーに出たことはないので、プロツアーの権利を獲得して、より大きな舞台でスポンサーシャツを着た状態で結果を残すというのが目標です。2週間後のワールド・マジック・カップも含めて、ですね。そちらの方は、行弘さんと難波さんにはすでにデッキ選択に関して『僕はアグロしか使えません!』と伝えてありますが……リミテッドは、達人が2人もいれば何とかしてくれると思うので心配してません(笑)」
森山「スポンサードしていただいたことで、新しいつながりができたりしてマジックがしやすい環境になったことは間違いないので、その恩を返せるよう、見られる機会を増やしていきたいですね」
−−「ありがとうございました」
キャリアが浅いならば、努力の質と量で埋め合わせればいい。
地方在住、しかもマジックを始めてまだ2年という状態で森山が目指している位置に到達するためには、並大抵の努力では足りないかもしれない。だがそのために森山は、様々なコミュニティとのつながりを増やし、あるいはMagic Onlineで時間効率を追求するなど、使えるものならば何でも使って目的を成し遂げようとしている。
その強かな姿勢が、日本代表を優勝に導く原動力となるかもしれない。ワールド・マジック・カップでの森山の奮闘に期待しよう。
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