By 小山 和志

　初日を全勝で駆け抜けた日本人プレイヤーは、ふたり。昨日観戦記事でご紹介した殿堂プレイヤー三原槙仁と、もう１人がグランプリ・静岡2014でトップ８入賞などの経験を持つ大阪の強豪、藤村和晃だ。

　藤村はアブザン・コントロール、チェン・チュウ/Chen, Quはアブザン・ミッドレンジを手にここまで上り詰めてきた。果たしてこのアブザン対決を制し、全勝街道を突き進むのはどちらのプレイヤーだろうか。

好調の藤村(写真右)が２日目も快進撃を狙う

ゲーム１

　藤村が《砂草原の城塞》２枚からゆったりとしたスタートに対し、チェンは《始まりの木の管理人》、《羊毛鬣のライオン》と順調なスタートを切る。藤村の《死霧の猛禽》を《アブザンの魔除け》で捌き、積極的なビートダウンを見せる。

　藤村はこのチェンの攻勢を前にひとまず《包囲サイ》で戦場を固めることに成功する。この巨大なサイを前に一時停止を余儀なくされたチェンは、《始まりの木の管理人》と《包囲サイ》を追加し、戦線を横に広げての突破を試みるが、藤村は《アブザンの魔除け》で《包囲サイ》を除去する。

　そして、返すターンに藤村が６マナをタップすると、チェンが「Elspeth...」とうめく。その言葉通り藤村は《太陽の勇者、エルズペス》を降り立たせ、兵士・トークンを増産していく。

　チェンはこの女傑を前にして、藤村から「Play fast」と促されるまで考えにふけるが、この白い勇者の生み出す忠実な僕を突破する術を見いだせない。なんとか《始まりの木の管理人》を育て上げ果敢にアタックしてみるものの、《太陽の勇者、エルズペス》の生み出すしもべたちに阻まれ、ダメージを与えることすらできない。

　結局、藤村が《棲み家の防御者》で《アブザンの魔除け》を回収しながら万全の態勢を整え、《太陽の勇者、エルズペス》の奥義を防げないと悟ったチェンは、大人しく土地を畳んだのだった。

藤村 1-0 チェン

《太陽の勇者、エルズペス》を手に１本目を先取した藤村

ゲーム２

　後手藤村がマリガン、ファーストアクションはチェンの《羊毛鬣のライオン》から。これを藤村は《異端の輝き》でいなし、チェンの《先頭に立つもの、アナフェンザ》には《包囲サイ》で対抗する。

　チェンは《英雄の破滅》で《包囲サイ》を葬り活路を開くが、《先頭に立つもの、アナフェンザ》が《異端の輝き》で除去され、戦場をいったんまっさらにされてしまう。

　攻勢を続けたいチェンは２体目の《先頭に立つもの、アナフェンザ》を降り立たせ、《自傷疵》で藤村の２体目となる《包囲サイ》を除去し、さらには変異を追加して手綱を緩めず攻め手を継続する。一方の藤村は防御網を構築することができず、ライフが５にまで追い込まれてしまう。

　なんとか引き込んだ《棲み家の防御者》を変異で召喚したターンエンド、チェンは《棲み家の防御者》を表にし、《英雄の破滅》を回収、この変異クリーチャーに対してキャストする。藤村も負けじと《棲み家の防御者》から《アブザンの魔除け》を回収し、《棲み家の防御者》を除去するものの、チェンが見せた最後の手札は《アブザンの魔除け》だった。

チェン 1-1 藤村

チェンは果敢に攻め続け２本目を取り返す

ゲーム３

　先手藤村がマリガン、お互いにタップインランドを置きあうスタート。みたびチェンからは《羊毛鬣のライオン》。これを藤村が《異端の輝き》で除去する立ち上がり。

　チェンが《先頭に立つもの、アナフェンザ》、藤村が《クルフィックスの狩猟者》と続け、チェンが《自傷疵》で《クルフィックスの狩猟者》を除去し、ダメージのプレッシャーをかけ続けていく。

　一方藤村は《棲み家の防御者》で《吹きさらしの荒野》を回収し、１ゲーム目の殊勲者、《太陽の勇者、エルズペス》を降臨させ、ふたたびトークン増産モードに入っていく。

　チェンは《棲み家の防御者》から《自傷疵》を回収し、手札にあったものと含めて２枚でなんとか兵士・トークンを潰しながら活路を見出していくが、藤村が生み出すクリーチャーの数には到底及ばない。

　藤村は２体目の《棲み家の防御者》から《異端の輝き》を回収し、チェンの《先頭に立つもの、アナフェンザ》を追放すると、一転攻勢。《太陽の勇者、エルズペス》の兵士たちでチェンのライフを削り取りにかかる。

　兵士の攻撃にさらされ続けたチェンはなんとか《風番いのロック》を召喚し、《ドロモカの命令》により強化することで藤村のライフを《包囲サイ》圏内まで落とし込むが、《太陽の勇者、エルズペス》を前に、残されたライフを削りきるには一手足りないのだった。

藤村 2-1 チェン

藤村Wins! 10勝0敗で全勝を継続！