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グランプリ・名古屋2014
第7回戦:湯浅 謙太郎(東京) vs. Kalim Oldziey(アメリカ)
By Masashi Koyama
第4回戦では竹林によるKing奪取の模様をお届けしたが、竹林は防衛することなく、「King」の座を奪われた。その新たなる「King」は第6回戦を防衛し、このラウンドもフィーチャーマッチに登場している。その男は湯浅 謙太郎(東京)。本日初となる「King」防衛を果たした今、全勝記録と共に防衛記録を伸ばせるか。
そして、「King」に少し遅れて登場した本ラウンドの挑戦者はカリム・オルジェイ/Kalim Oldziey(アメリカ)だ。もちろん、2日目進出に向けて一歩も譲る気などない。朝から長時間戦い続け、疲労の色も見えてくるころだが、「King」と挑戦者が火花を散らす。
ゲーム1
先手の湯浅がマリガンを選択、それを見たオルジェイは悩みながらも、流暢な日本語で「キープします」と宣言。湯浅は続く6枚の手札を見るも、その内容は厳しい。土地が5枚に《神託者の眼識》のみで、さらなる5枚に活路を見出す。結局この5枚でキープした。
先行したのは7枚でスタートできたオルジェイだった。第1ターンに《アクロスの十字軍》、2ターン目には《迷宮の霊魂》とビートダウンを決行する。さらに続くターンには《ニクス生まれの盾の仲間》を《アクロスの十字軍》に授与と、後手ながら申し分のない周りだ。《アクロスの十字軍》自体は《ニクス生まれの盾の仲間》に対応して《今わの際》されるが、トークンと《ニクス生まれの盾の仲間》が戦場に残り攻め手は切れない。
オルジェイの攻勢を受ける展開となった湯浅が召喚した最初のクリーチャーは《ヘリオッドの使者》で、サイズが心もとないオルジェイへの防御壁としてはひとまず合格点だ。だが、返しにオルジェイも《ヘリオッドの使者》。攻めている方が力を発揮できるカードだけに、湯浅が少し苦しそうな表情を見せる。
湯浅は《散兵の精鋭》を出し、2体のブロッカーを立て、何とかオルジェイが攻撃の手を休めることを祈るのだが、オルジェイはアンタップすると即座に全クリーチャーで攻撃してくる。オルジェイの《ヘリオッドの使者》が湯浅の《ヘリオッドの使者》をタップすると、湯浅は残る《散兵の精鋭》で《ヘリオッドの使者》をブロックする。これで相打ちが取れれば湯浅にとって万々歳な展開であったのだが、オルジェイは力強く《神々の思し召し》をキャストし、一方的に湯浅のブロッカーを討ち取る。
追加のブロッカーを出せない湯浅はこれ以上続けても殴りきられてしまうだけだと早々にサイドボードへと手を伸ばした。
非常にアグロなデッキを組んできたオルジェイに対し、湯浅の青白デッキでは速度は敵わないか。数枚のカードをサイドチェンジし、ゲームプランを入念に練って2ゲーム目で巻き返しを狙う。
湯浅 謙太郎 |
ゲーム2
湯浅は先手を選択し、今度は7枚でキープを宣言、オルジェイはまたも渋い顔をしながらの7枚キープでゲームがスタート。そして、また先に攻めたのはオルジェイだ。《オレスコスの太陽導き》に《ニクス生まれの盾の仲間》をエンチャントしアグロに攻めていく。湯浅も《散兵の精鋭》で攻撃していくが、オルジェイに毎ターン2点のライフ回復がある以上、このダメージレースは成立しない。
オルジェイの攻勢はまだ続く。2枚目の《ニクス生まれの盾の仲間》を授与し、パワーが4となった《オレスコスの太陽導き》で攻撃する。だが、今度はマリガン無しの湯浅は、《ニクス生まれの盾の仲間》の1枚を《解消の光》で破壊し、返しで《グリフィンの夢掴み》を召喚。簡単に「King」の座は渡さないと順調に盤面を作っていく。
一方、攻め続けないと勝機はないオルジェイは《レオニンの投網使い》で《グリフィンの夢掴み》をタップし無理矢理ダメージを通していく。さらにキャストした《レオニンの投網使い》に《恐るべき気質》をエンチャントし、細いながらも攻めを繋げていく。
湯浅は《天馬の乗り手》をブロッカーとして立てる。次のオルジェイの《レオニンの投網使い》による攻撃を、《天馬の乗り手》と《グリフィンの夢掴み》でブロックすると《定命の者の熱意》を使い、厄介な《恐るべき気質》をクリーチャーもろとも葬り去る。《天馬の乗り手》は墓地に送られるが、オルジェイの攻勢は確実に止まってきている。
そして、ここに来て湯浅は念願の6マナに到達すると、ずっと手札に温めていた《理想の調停者》をキャスト! これが攻撃し始めると、一気に天秤が傾き始める。勝利を何とか掴もうと、オルジェイは《オレスコスの太陽導き》で果敢にアタック。《定命の者の熱意》で、ブロックした《グリフィンの夢掴み》を排除し、何とかダメージレースを継続しようと試みる。
だが、このマナ域まで来れば手綱を握っているのは湯浅だ。《宿命的心酔》が《理想の調停者》をコピーし、《精神奪い》とレアを連打すると、必死に攻め続けたオルジェイとのダメージレースをあっさりと逆転したのだった。
カリム・オルジェイ/Kalim Oldziey |
ゲーム3
攻撃的なデッキのオルジェイにとっては待望の「プレイファースト」だ。だが、オルジェイは初手を見るやいなや顔をしかめてマリガン。これに湯浅もお付き合いし、一息つく。ほぼ同時に6枚をめくった2人は共に苦い顔をする。結局はお互いにキープしたが、二人の判断はどうでるか。
みたび先んじたのはオルジェイだ。いきなり《恩寵の重装歩兵》でスタートすると、3ターン目に《アナックスとサイミーディ》! ゲームが急加速する。
湯浅はブロッカーとして《波濤砕きのトリトン》を立てるも、当然これには2体でアタック。着々と湯浅のライフは減っていく。そして、オルジェイが続けざまに繰り出すのは《炎輪のフェニックス》! この強力レアの連打に湯浅は顔をしかめて長考する。
マナが伸びれば先ほどのように巻き返すプランも見えてくるだけに、《ニクス生まれの盾の仲間》を《波濤砕きのトリトン》にエンチャントし、《炎輪のフェニックス》を抑え込み、受けるダメージの抑制に努める。《アナックスとサイミーディ》に《ニクス生まれの盾の仲間》がエンチャントされて、オルジェイはアタックを継続する。
続くターン、《波濤砕きのトリトン》で《炎輪のフェニックス》を抑え込めなくなった湯浅は《アクロスの空護衛》を召喚し、何とか耐える盤面を築こうとする。
もちろん、オルジェイはフルアタックを敢行。《波濤砕きのトリトン》で《アナックスとサイミーディ》をブロックすると、そこに飛んでくるのは《戦識の武勇》。なんとか湯浅は《ニクス生まれの盾の仲間》を《解消の光》することで即死は免れるが、根本的に2枚のレアに対処ができていない。
結局《迷宮の霊魂》というレアまで追加したオルジェイを見て、湯浅は手札を公開して、投了の意を告げた。
湯浅 1-2 オルジェイ
カリム・オルジェイが勝利し、「King」奪取!
さて、湯浅にとっては残念な結果に終わったが、この試合で印象に残ったのは、彼の紳士的な振る舞いだった。対戦相手のオルジェイが《戦識の武勇》の占術を忘れそうになったり、知らないカードがあったりすると、懇切丁寧に指摘、説明する湯浅の姿は見ていて非常に気持ちのいいものだった。これで1敗となった湯浅だが、2日目進出のチャンスは十分だ。明日も彼のプレイを目にできればと願う。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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