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グランプリ・京都2017

観戦記事

準決勝:木原 惇希(東京) vs. Martin Muller(デンマーク)

By Sugiki, Takafumi

 グランプリ・京都2017も準決勝と決勝を残すのみ。トップ4に残ったプレイヤーに日本人は唯一、木原惇希。他の3人は、マーティン・ミュラー/Martin Muller、ウィリアム・ジェンセン/William Jensen、そして「ジョニー・マジック」ことジョン・フィンケル/Jon Finkel。もうここまで来ると、これら3人の過去の戦績の紹介すら要らないだろう。直近のプロツアーでトップ4に入賞したプレイヤー、殿堂顕彰者、そしてプロツアーのトップ8に16回入賞しているプレイヤーが残っている。ただそれだけのことだ。

 それらの高い壁に立ち向かうひとりの若者が、木原惇希だ。

 木原はデッキをシャッフルしながら、「あと2つか」とつぶやく。木原があと2つ......2つ勝てばシルバー・レベルへの到達により、今シーズンと来シーズンで1つずつ、2つのプロツアー権利を獲得できるのだ。木原にとっては、単なる優勝ではない、並み居る強豪を討ち果たしてのタイトルというだけでもない。大きな意味を持つグランプリ・京都2017での戴冠の二文字が、現実に見えるところまで来ている。

 木原が目指す頂へ、二人目の門番はマーティン・ミュラー。


木原 惇希 vs. マーティン・ミュラー
ゲーム1

 ミュラーが《束縛のミイラ》、木原が《呪文織りの永遠衆》でダメージレースをする立ち上がり。

 ミュラーは後続として《尽きぬ希望のエイヴン》をプレイし、《激情のカルトーシュ》をエンチャントしてダメージクロックを上げる。対する木原も《魂のたかり屋》をプレイし、絆魂でダメージレースを有利に運ぼうとする。

 木原が《叱責の風》で《尽きぬ希望のエイヴン》を戻して攻撃を仕掛ければ、ミュラーも《魂のたかり屋》に《感電》をプレイし、均衡を保とうとする。


マーティン・ミュラー

 しかし、ここから木原が一気にゲームを引き寄せる動きを見せる。《砂の撹拌》、《永遠の刻》と6ターン目、7ターン目にプレイし、2/2と4/4のゾンビ・トークンが大挙として押し寄せる。

 ゾンビの群れのプレッシャーに加え、さらに次のターンに木原が《釣りドレイク》をプレイしたところで、ミュラーは盤面を片付けた。

木原 1-0 ミュラー


ゲーム2

 木原が《呪文織りの永遠衆》、ミュラーが《レト一門の槍の達人》を攻撃させすれ違う立ち上がり。ミュラーが《燃えさし角のミノタウルス》を後続として出せば、木原も《敏捷な妨害術師》をプレイし、互いに同じ程のダメージクロック量を盤面に展開する。


木原 惇希

 木原は《廃墟ネズミ》を2体展開。これで相手の攻撃を阻害しつつ《敏捷な妨害術師》で空から殴り切る展開を狙うようだ。

 そのプランに応えるべく、《エイヴンの葦原忍び》や《呻きの壁》が木原の元に駆けつけ、空で殴り、地上は固め、かなり有利な盤面が出来上がっていく。

 《敏捷な妨害術師》と《エイヴンの葦原忍び》による5点のダメージクロックが確実にミュラーのライフを減らす中、それらへの解決策を引かなかったミュラーは、自分のライフが0になるであろう攻撃クリーチャーのレッドゾーンへの進出を確認すると、「ここまでか」といった表情で木原に右手を差し出した。

木原 2-0 ミュラー

 木原は、ミュラーと握手を交わしながら、「あとひとつ」とつぶやき、ミュラー越しに見えるフィンケルとジェンセンによるマッチの方に目をやる。

 ただひたすらに前だけを見据えてここまでやってきた。シルバーレベルまであと1点、あと1勝。木原の長い2日間もあと少し。

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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