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グランプリ・京都2017
グランプリ・京都2017 決勝ドラフト雑感
by Masashi Koyama
ついに8名まで絞られたグランプリ・京都2017。ここではトップ8プレイヤーそれぞれの決勝ドラフトの初手とカラーコンビネーションをまとめることとした。
席順は予選ラウンド1位のチーから時計回りに以下のとおりだ。
チー→矢田→ヤン→木原→フィンケル→ミュラー→ジェンセン→メイナード
果たして彼らのドラフトデッキはどのようなものになったのだろうか。
スイスラウンド1位 チー・ウェンタオ/Qi, Wentao(中国)
1パック目 1stピック
《砂かけ獣》
デッキの色
黒赤
実に4度目のグランプリトップ8進出となったチー・ウェンタオ。2度グランプリの決勝戦へ進出していながら、すんでのところで優勝を逃しており、「4度目の正直」なるか。
運命の決勝ドラフトで、上家のメイナードが緑白、下家の矢田が白黒タッチ緑青とポジションに恵まれたチーは初手の《砂かけ獣》のみならず《栄光をもたらすもの》《霰炎の責め苦》という爆弾レアを引き込み、「もちろん最高のデッキさ!」と言うほどには完成度の高いデッキだ。
並み居る強豪を突破し、《栄光をもたらすもの》がチーにトロフィーをもたらすか、要注目のデッキを作り上げた。
スイスラウンド2位 パスカル・メイナード/Pascal Maynard
1パック目 1stピック
《誇り高き君主》
デッキの色
緑白
「パックがとても弱く、苦労した」とはドラフト直後のメイナードの感想だ。上家のジェンセンが黒系のデッキで「(自分と違い)恐らくは強力なデッキだろう」と予想した。実際にジェンセンは緑黒のデッキを作り上げており、予想が的中している。
上手く初手の《誇り高き君主》から緑白に一直線で、コモンも充実したデッキのように見えるが、「卓のレベルを考えればそこそこのデッキだ」と述べており、まずは準々決勝を突破できるかに焦点が当たる。
スイスラウンド3位 マーティン・ミュラー/Martin Muller(デンマーク)
1パック目 1stピック
《砂漠の拘留》
デッキの色
白赤
ミュラーの感想は「2パック目が弱かったが堅実なデッキ」だ。「10点満点中6〜8点(6点と8点はかなり違うと思うのだが...)」とのことで、優勝も十分に狙えるまずまずのデッキと評している。
他の強豪たちと同じく自信満々とまではいかないものの、上家のフィンケル、下家のジェンセンとも色が大きく被らずピックをできたのはさすがという他ない。
ボムが無いながらも除去、コンバットトリックの充実したビートダウンを組み上げており、若さの勢いそのままに優勝トロフィー奪取も見えるデッキだ。
スイスラウンド4位 ウィリアム・ジェンセン/William Jensen(アメリカ)
1パック目 1stピック
《選別ワーム》
デッキの色
黒緑
メイナードが「強力だろう」と予想していたジェンセンのデッキだが、「特筆すべきことはないよ」と謙虚に語った。3パック目で《イフニルの魔神》をデッキに加えており、「特筆すべきことはない」と言うのは彼のようなスーパープロゆえの評価だろうか。
「平均の出来だから、優勝のためには運が必要だね」とのことだが、ジェンセンはそれを超越できるだけの実力を持っている。そして、デッキも強力レア、除去、シナジーと三拍子揃っており、本人の評価はともかく、間違いなく強いデッキと言えるだろう。
スイスラウンド5位 ロイ・ヤン/Roy Yang(カナダ)
1パック目 1stピック
《削剥》
デッキの色
赤緑タッチ青
「空いている色を素直にピックできた」というヤンのデッキは、赤緑タッチ《蝗の神》というボムありの構成となった。
普段あまりプレイをしないという彼だが、両隣としっかり棲み分けができたようだ。とはいえ、ここはスタープレイヤーが集まるトップ8。一筋縄でいくはずがない。果たして《蝗の神》がそんな強豪たちを蹴散らすか。
スイスラウンド6位 ジョン・フィンケル/Jon Finkel
1パック目 1stピック
《川ヤツガシラ》
デッキの色
青緑タッチ白
生ける伝説、ジョン・フィンケル。
ピックしたデッキは昨日のシールドデッキを思い起こさせる緑多色デッキだ。
「ビートダウンができない場合のオプション」としてしっかりコントロールを組み上げてきたフィンケル。「平均くらいだね」とは彼のドラフト後の感想であり、ジェンセンやメイナードから聞いた言葉な気がするが、トップ・プロたちは「平均」や「そこそこ」という言葉が好きなのだろうか。
それはともかくとして、「優勝できればいいね」というフィンケル。力が全く入っていないのが彼ならではというところだろうか。
スイスラウンド7位 木原 惇希(東京)
1パック目 1stピック
《見捨てられた石棺》
デッキの色
青黒
スイスラウンド1位のヤンとフィンケルに挟まれた格好の木原。「引きずられた」と決勝ドラフトを終えての感想では短いながらも不本意さをにじませている。
デッキの自信も「ない」とのことだが、ここで優勝すればシルバー・レベル到達と同時にプロツアー『破滅の刻』を含め3つのプロツアー出場権利を手に入れることとなる。
懸かっているものの大きさが圧倒的に大きい木原に、弱音を吐いている暇はない。
スイスラウンド8位 矢田 和樹(千葉)
1パック目 1stピック
《破滅の刻》
デッキの色
白黒タッチ青緑
初手で《破滅の刻》という赤の強力リセット呪文を手にした矢田だが、最終的にできたデッキは白黒ベースの4色となってしまった。
ドラフトを終えての感想も「このメンバーでドラフトが出来ただけで満足です」と早々に諦めムードを漂わせてしまっている。
とはいえ、トップ・プロがここまで多く集まったこのグランプリで勝ち残り、そして決勝ドラフトを戦ったことはきっと大きな糧になる。「(自信が)全くありません」と力なく回答した矢田だが、まだグランプリは終わっていない。ここからの巻き返し、そしてこの大会以後の活躍に期待したい。
ドラフト席順ごとのカラーコンビネーション
さて、最後にドラフト席順ごとに決勝ドラフトのカラーコンビネーションを付記しよう。
チー(黒赤)→矢田(白黒タッチ緑青)→ヤン(緑赤タッチ青)→木原(青黒)→フィンケル(青緑タッチ白黒)→ミュラー(白赤)→ジェンセン(黒緑)→メイナード(緑白)
本イベント決勝ラウンドの観戦記事のご参考にしていただければと思う。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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