By Masashi Koyama

　豪華絢爛。

　まるでプロたちの宝石箱のように、このグランプリ・京都2017には世界中からスタープレイヤーたちが集まっている。

　不戦勝が明け、ひとつ戦いをを終えたばかりの５回戦。フィーチャーマッチに集まった４組はその全てのプレイヤーが「スター」としか形容のしようがない選手ばかりだった。

• 行弘賢(プラチナ・プロ)　vs. マーティン・ジュザ(プラチナ・プロ)

　そして本記事でご紹介するパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ(殿堂顕彰者、プロツアー・サンファン2010王者) vs. エリック・フローリッヒ(殿堂顕彰者)。

　このマッチはフィーチャーマッチのプロたちを象徴するかのように豪華レアが乱舞する試合となった。ダモ・ダ・ロサは４枚ものレアを擁しており、「鬼に金棒」と言わんばかりのパフォーマンスを見せた。

　デッキはダモ・ダ・ロサが黒赤タッチ青、フローリッヒが青赤タッチ白の堅実なデッキでの対決となった。

ゲーム１

　ダモ・ダ・ロサが土地６枚に超爆弾レアである《栄光をもたらすもの》という手札をキープし、３ターン目には引き込んだ《呪われた者の王》で道を切り開く。

　フローリッヒは《アン一門の壊し屋》を送り込み、これがダモ・ダ・ロサの《呪われた者の王》と相討ち、さらにダモ・ダ・ロサが送り出した《ネフ一門の鉄球戦士》を《マグマのしぶき》で除去し、《無法の斬骨鬼》を《相殺の風》で打ち消す。さらにダモ・ダ・ロサが送り出した《砂かけ獣》を、フローリッヒは《感電》で除去。ダモ・ダ・ロサの攻撃を捌いていく。

　が、ダモ・ダ・ロサの手札には前述の通り《栄光をもたらすもの》が眠っている。この爆弾レアの効果を最大限発揮できる場面まで温存していたダモ・ダ・ロサはフローリッヒが《金色のセロドン》を送り出すと、待ってましたとばかりにこの強力なドラゴンで《金色のセロドン》を撃ち落とす。

　この《栄光をもたらすもの》はフローリッヒの２枚目の《感電》で退場するが、《スカラベの責め苦》から２枚目の爆弾レア、《霰炎の責め苦》！

　フローリッヒは苦笑いして文字通り更地となった盤面を片付けたのだった。

ダモ・ダ・ロサ 1-0 フローリッヒ

パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ

ゲーム２

　ダモ・ダ・ロサが《ネフ一門の鉄球戦士》、フローリッヒが《機知の勇者》という立ち上がり。ここからダモ・ダ・ロサが《激情の試練》で《機知の勇者》を除去し先制ダメージを叩き込む展開。

　しかし、ここから大きなアクションを起こさないダモ・ダ・ロサに対し、フローリッヒは《オケチラの碑》から、さらに《羊頭スフィンクスの君主、アネシ》！

　一方、手札にレアたちを抱えるダモ・ダ・ロサはまずこれを《栄光の刻》で追放すると、ゲームを決め得る《蠍の神》！

　......がフローリッヒはこれを《穿刺の一撃》で彼方に追いやると、クリーチャーを唱えるたびに《オケチラの碑》により戦士・トークンを増産していき、じわじわ盤面を支配していく。

　お互い除去の応酬という展開になるが、フローリッヒの盤面にはトークンが残り、アタックを継続していく。

　フローリッヒの《釣りドレイク》が唯一生き残っていたダモ・ダ・ロサの《ネフ一門の鉄球戦士》をバウンスすると、リソースが尽きたダモ・ダ・ロサは、トークンの軍団に蹂躙されてしまった。

ダモ・ダ・ロサ 1-1 フローリッヒ

エリック・フローリッヒ

ゲーム３

　ダモ・ダ・ロサが《不憫なラクダ》から《呪われた者の王》、これが《呪文織りの永遠衆》と相討つ序盤。

　ここからダモ・ダ・ロサが《ケンラの永遠衆》、フローリッヒが《アン一門の壊し屋》《空からの導き手》とスレ違いのダメージレースが展開される――

――と思われた矢先、ダモ・ダ・ロサは爆弾レアを叩きつける。

　《栄光をもたらすもの》が《アン一門の壊し屋》をいとも簡単に食い散らかし、フローリッヒを蹂躙する。

　追い打ちをかけるように《毒の責め苦》がフローリッヒの《空からの導き手》に降り注ぐ！

　ここに至り、盤面でもリソースでも差をつけられてしまったフローリッヒが取った行動は、手札からのカードのプレイではなく、ダモ・ダ・ロサを讃えるため握手を求める、というものだった。

ダモ・ダ・ロサ 2-1 フローリッヒ

パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ 勝利！