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グランプリ・京都2017
『破滅の刻』シールド実践塾。教えて!マルシオ先生!
By Yohei Tomizawa
グランプリ・京都2017の初日フォーマットは、『破滅の刻』『アモンケット』を使ったシールドデッキ9回戦となっている。
発売から1週間という短期間で、環境を理解し、カードの強弱を見極め、適切な構築技術を身につけなければならない。一人だけの練習だけでは、限界がきてしまう。
そうなれば、頼れる男は一人しかいない。前年度「ドラフト・マスター」の称号を獲得し、現在、プレイヤー・オブ・ザ・イヤー・レースのトップをひた走る、マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalho。
『破滅の刻』環境のシールドについて、聞いてみよう。
教えて!マルシオ先生!
――先生!『破滅の刻』が入ったシールド戦で、まず確認すべきことを教えてください。
「まず確認すべきは、だね......
以上だ。」
そ、そんなぁ、先生。カードプールなんて贈りものですし、レアが必ず引けるとは限らないですよ。レアが引けなくても、何か勝つコツとかあるんじゃないんですか?
実際今日のプールは、どうなんですか。先生こそ、レア引けたんですか?
{W} | {U} | {B} |
1 《王神の信者》 1 《不屈のエイヴン》 1 《廃却するミイラ》 1 《不動の歩哨》 1 《尽きぬ希望のエイヴン》 1 《オケチラの従者》 1 《デジェルの決意》 2 《デジェルの拒絶》 1 《英雄的行動》 1 《オケチラの名のもとに》 1 《力強い跳躍》 1 《俗物の放棄》 1 《型破りな戦術》 |
1 《狡猾な生き残り》 1 《呪文織りの永遠衆》 1 《空からの導き手》 1 《ヘクマの歩哨》 1 《エイヴンの修練者》 1 《川蛇》 1 《縞カワヘビ》 1 《送還》 1 《検閲》 1 《抗えない主張》 1 《謎変化》 2 《悲劇的教訓》 1 《空想の脅威》 |
2 《ケンラの永遠衆》 1 《砂丘甲虫》 1 《廃墟ネズミ》 1 《不憫なラクダ》 1 《無法の斬骨鬼》 1 《屍肉の金切り声上げ》 1 《魂刺し》 1 《遺棄地の恐怖》 1 《魂のたかり屋》 1 《リリアナの敗北》 1 《大災厄》 1 《信者の確信》 1 《致死の一刺し》 1 《霰炎の責め苦》 |
{R} | {G} | 多色/無色 |
2 《果敢なケンラ》 1 《血怒りの喧嘩屋》 1 《火付け射手》 1 《捷刃のケンラ》 1 《熱烈の苦悶術師》 1 《ケンラの潰し屋》 1 《前線の壊滅者》 1 《心臓貫きのマンティコア》 1 《砂かけ獣》 1 《砂漠セロドン》 1 《火をつける怒り》 1 《暴力的な衝撃》 |
1 《苦刃の戦士》 1 《残忍な野猫》 2 《横這ナーガ》 1 《活力の信奉者》 1 《頭巾の喧嘩屋》 2 《大蜘蛛》 1 《オアシスの祭儀師》 1 《シェフェトのオオトカゲ》 1 《砂の下から》 |
2 《血水の化身》 1 《蠍の神》 1 《萍寄 // 雲遊》 1 《除根 // 翦草》 1 《驚天 // 動地》 1 《忘れられた王族の壁》 1 《来世への門》 1 《ルクサ川の祭殿》 1 《マナリス》 1 《熱烈の砂漠》 1 《周到の砂漠》 1 《信義の砂漠》 1 《イフニルの死界》 1 《イプヌの細流》 1 《色彩の断崖》 1 《生存者の野営地》 |
先生が見せてくれたのは、《蠍の神》を含む大量の強力レアが揃ったカードプール。この豪華なカードプールから、どうやって色を選定し、デッキを作るのだろうか。
6 《山》 6 《沼》 1 《熱烈の砂漠》 1 《イフニルの死界》 1 《色彩の断崖》 1 《生存者の野営地》 -土地(16)- 2 《ケンラの永遠衆》 1 《血怒りの喧嘩屋》 1 《廃墟ネズミ》 1 《忘れられた王族の壁》 1 《不憫なラクダ》 1 《熱烈の苦悶術師》 1 《ケンラの潰し屋》 1 《無法の斬骨鬼》 1 《屍肉の金切り声上げ》 1 《前線の壊滅者》 1 《心臓貫きのマンティコア》 1 《砂かけ獣》 1 《魂刺し》 1 《遺棄地の恐怖》 1 《蠍の神》 1 《砂漠セロドン》 -クリーチャー(17)- |
1 《マナリス》 1 《火をつける怒り》 1 《大災厄》 1 《致死の一刺し》 1 《霰炎の責め苦》 1 《翦草 // 除根》 1 《驚天 // 動地》 -呪文(7)- |
――先生!今回のプールはどうですか。
「素晴らしい、全くもって素晴らしいよ。見てくれよ、このレアの数々! 5枚あるし、いずれも強力レアで、かつ色が赤に固まっている。これほど強力なカードプールは、なかなかないね。」
――先ほどからレアと連呼されていますが、『破滅の刻』が入り、どう変わったんですか。
「『アモンケット』だけの環境に比べ督励を持つクリーチャーが減り、優良除去呪文や、防御面に優れたクリーチャーが増えたため、環境が遅くなったんだ。コントロール寄りの環境だから、決め手として良いレアカードを引くことが重要なんだ。」
――今回強力なレアがあるようですが、どうやってデッキは、組んだらいいのでしょうか。
「繰り返しになってしまうが、まずはレアを並べよう。次は、レアを含めた色の強弱を見るんだ。今回だとレア以外にも《熱烈の苦悶術師》や《砂かけ獣》といった優良アンコモンが赤色に揃っている。赤いカードを並べたら、マナ・カーブを見てみよう。2マナ域のカードが少ないといえるね。そこで他の色の2マナ域を確認すると、黒に《ケンラの永遠衆》など4枚も確認できる。《蠍の神》もあるし、マナ・カーブの穴埋めもでき、2色目としてぴったりといえるね。」
――コントロール寄りの環境だと定義されていましたが、クリーチャーのマナ・カーブも重要なんですか?
「少数でも、プールによってはアグロデッキを組まざるを得ないものがある。2マナから始まるビートダウンに対して、序盤のクリーチャーを入れないと、後半のレアが活躍するマナ域までライフが持たないんだ。だから2マナも重要視するんだよ。」
――環境が遅くても、相手に次第ということですね。ところで環境の色の強弱はどうなんですか。
「強い色から順に、赤、緑、白、青、黒だね。赤は《発射》や《穿刺の一撃》といった除去呪文が増え、3~5マナ域に優良クリーチャーも揃っている。間違いなく最強色だ。緑は、多色戦略を推奨しており《オアシスの祭儀師》によりダブルシンボルのカードを投入することが可能になっている。白や青はクリーチャーのサイズが小さく、黒も除去呪文こそあるが、クリーチャーは優れてはいない。赤と緑、この2色のいずれかをメインカラーに据えたいね。」
――とは言っても今回の強力なカードプールではなく、弱いプールを引いてしまうこともあるはずですよね。その場合どうやって構築すればいいのか、弱いプールでの打開策を教えてください。
「レアが全くないようなカードプールの場合、ウィニーによるビートダウンしかないね。先手で2マナからきっちりクリーチャーを展開して、相手が強力レアを使う前に削りきるしかない。幸いこの環境には、ビートダウンの完遂を助けるカードがいくつかあるからね。アンコモンの《結束の試練》や《超克》、コモンでも《オケチラの名のもとに》は隙を突いて大量ダメージを叩きだせるよ。」
――レアに恵まれなくても、アンコモンやコモンのパンプアップカードと整ったマナカーブから繰り出されるビートダウンなら、勝機を見出せるわけですね。早速、もらったプール見直してみます。先生、ありがとうございました!
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