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グランプリ・神戸2014

観戦記事

準決勝:赤星 勇樹(大阪) vs. 後藤 祐征(愛知)

By 中村 修平

 市川の双子との準々決勝を勝ち抜いた親和、改め「タルモはさみ親和バーン」の後藤と、澤田の風景の変容を下した緑タッチ赤トロンの赤星。

 決勝へと進むのはどちらとなるか。

SF_akaboshi_gotou.jpg

ゲーム1

 先攻の権利を持つ、予選ラウンドの上位通過者は2位の後藤。本人いわく「7割マリガン」の試練は抜けられた模様で、7枚同士でゲームが開始される。

 後藤のファーストアクションは《空僻地》から《オパールのモックス》、《思考囲い》。ここで公開された手札は、

 ここから《探検の地図》を抜き取る。
 手札を覗かれた赤星は《ウルザの魔力炉》から《彩色の宝球》でターンを返す。

 そして後藤のターン。次のターンまで金属術を達成できる見込みがないのに早々と出した《オパールのモックス》の理由は、《空僻地》だけではなかった。
 突然、ただの《オパールのモックス》に魂がこもり5/5となる。あと15点。


後藤 祐征

 強烈な時間制限がついた赤星は、《彩色の宝球》で緑マナを出してから《古きものの活性》で打開策を探しにいく。選択肢が複数ある様子で、かなり悩んでいたが、意を決して選んだのは《解放された者、カーン》。

赤星「賭けてみることにします」
 《彩色の星》から《ウルザの鉱山》を出して終了。

「とかなんとかいっちゃって」とは後藤の言、解っているとはいえウルザトロンにリーチがかかっているのだから、気持ちはよく解る。
 とは言ってもやることは変わらない。5/5モックスでさらに5点を詰めて、《羽ばたき飛行機械》と《タルモゴイフ》を追加してターンを終える。

 ここまでで、後藤視点から見えていない赤星のカードは、ドローの2枚と《彩色の宝球》からの1枚。
 ここでトロンを揃えられてしまえば《解放された者、カーン》が舞い降りてしまい、かなりゲームが厳しくなってしまうのだが、赤星は引けなかったようだ。
 少し遅い《探検の地図》と2枚目の《ウルザの鉱山》のお返しに来るのは、モックスゴイフに《感電破》。

赤星 0-1 後藤

ゲーム2

 再びお互いにキープ。赤星が《ウルザの鉱山》から《探検の地図》を置いてターンを返すのに対し、今度は後藤が1ターン目の土地を置く前に長考。
 《羽ばたき飛行機械》、《オパールのモックス》、《ちらつき蛾の生息地》と置いてターンを返す。

 赤星の2ターン目に出てくるのはウルザの土地ではなく《燃え柳の木立ち》。そのままターンを返そうとする赤星に対して後藤は《ちらつき蛾の生息地》を起動、金属術を達成した《オパールのモックス》から《感電破》。

「《燃え柳の木立ち》から赤を出します」
「赤の方ですか」

 対応で《古えの遺恨》がモックスを襲う。
 金属術が解け、ダメージが4点から2点に下がり、返しのターンで今度は後藤が赤星の《探検の地図》に《古えの遺恨》を打ち込む。


赤星 勇樹

 お互いに相手を妨害するゆっくりとした立ち上がりになるのか?

 赤星としてはそれを望むところ。《森の占術》から《ウルザの塔》を持ってきて、《彩色の宝球》。
 それを後藤がマナのないうちにフラッシュバックで叩き割り、こちらは割られても安心な《彩色の星》を出してターンを返す。

 トロンは揃っているのか?

 後藤としてはそれを望まないところ。
 いや、揃ってはいなかった。《忘却石》と《彩色の宝球》でマナを使いきってターンが返ってくる。

 再び考える後藤、
「マジック難しいです」

 これは筆者が同意しよう。

 このターンに引いた《ダークスティールの城塞》ではなく《彩色の星》に《アーティファクトの魂込め》を付けて7点目。そう、《忘却石》もあるし「壊れない」に拘る時ではないのだが...

 あ、揃った。
 途端にマナに余裕ができる赤星。

 とりあえずで攻撃してきた《彩色の星》には《古えの遺恨》フラッシュバックで応え、《忘却石》をキープした状態でゲームを進める。

 《忘却石》を使ってほしい後藤は第2メイン・フェイズに《頭蓋囲い》。星が落ちた時に引いてきた《ちらつき蛾の生息地》2枚目を置いてターンを返す。

 あ、引いた。
 次に落ちてきたのは《ウギンの目》。

 これは少々困ったことになる後藤。なにせ赤星のマナはたくさんあるのだ。

 何がデッキに残っているかわからないが、とにかくマナを余らせてターンを返してはひどいことになってしまう。《ちらつき蛾の生息地》と強くなっている《羽ばたき飛行機械》で攻撃、これに《忘却石》が起動されて、対応して飛行機械を投げ捨てて《爆片破》。
 土地である《ちらつき蛾の生息地》は生き残り、この戦闘ダメージと合わせて6点で、残りが7点。《メムナイト》を追加してターンが赤星に。

 赤星はただ土地を追加して後藤のエンドフェイズに備える。今度こそは呼んでやる。

 そうはさせじ、このターンで勝負は決める、と最後の力を振り絞って後藤が2枚目の《アーティファクトの魂込め》を装着。

 盤面の戦力では赤星のライフを削りきれる。
 が、《ダークスティールの城塞》にではなく《アーティファクトの魂込め》に打ち込まれる《自然の要求》。
 後藤は手札を使い切り、赤星のライフは残る。ライブラリーから招集されるのは《ワームとぐろエンジン》。

 そのままターンを跨いで降り立つと、ウルザ土地のおかげで「おかわり」まで招集できる体制が整う。

 まだ《ちらつき蛾の生息地》が2枚あるとはいえさすがに後藤は苦しいか、祈るようにカードを引き、そのまま《ちらつき蛾の生息地》2体で攻撃してターン終了宣言。

SF_akaboshi_gotou_board.jpg

 赤星はその宣言を聞いたところで満を持して《ウギンの目》で追加招集......
 だが、後藤はそれを待っていた。マナをちょうど使い切ったところに、たった今引いてきた《感電破》!

 赤星のマナが潤沢といえど、《ワームとぐろエンジン》を出しつつ《ウギンの目》を起動して、かつ、赤星の手札に潜んでいた《自然の要求》を撃つには、あと1マナ足りなかったのだった。

赤星 0-2 後藤
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