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EVENT COVERAGE
グランプリ・クアラルンプール2016
グランプリ・クアラルンプール2016 2日目メタゲーム・ブレイクダウン
By 伊藤 敦
プロツアー『カラデシュ』から一週間。プロプレイヤーたちが形作ったスタンダード環境の勝者は、コントロールデッキだった。
それから一週間。東南アジア、マレーシアの地で開催されたグランプリで、スタンダード環境はどのような展開を見せたのか?
ここでは2日目に進出した245名のデッキをアーキタイプ別に分類した表をもとに環境を分析する、メタゲーム・ブレイクダウンをお届けしよう。
アーキタイプ | 使用者数 | 割合 |
---|---|---|
青白フラッシュ | 85 | 34.69% |
黒緑「昂揚」 | 33 | 13.47% |
赤白「機体」 | 27 | 11.02% |
赤白黒「機体」 | 26 | 10.61% |
ゾンビ「現出」 | 16 | 6.53% |
青赤コントロール | 10 | 4.08% |
赤緑エネルギー | 10 | 4.08% |
その他 | 38 | 15.51% |
合計 | 245 | 100 |
その他アーキタイプ内訳 | 使用者数 |
---|---|
黒赤アグロ | 6 |
グリクシス・コントロール | 4 |
ティムール《霊気池の驚異》 | 4 |
バント・ミッドレンジ | 3 |
スゥルタイ・コントロール | 3 |
ティムール「現出」 | 3 |
エスパー・コントロール | 2 |
青単エルドラージ | 2 |
赤白人間 | 3 |
赤白トークン | 2 |
青白コントロール | 1 |
赤白黒コントロール | 1 |
黒単エルドラージ | 1 |
緑単エルドラージ | 1 |
赤緑ランプ | 1 |
白緑アグロ | 1 |
合計 | 38 |
「青白フラッシュ」隆盛。
これほどまでに極端な結果になるとは、誰が予想できただろうか?
3割を超える圧倒的な割合となった「青白フラッシュ」は、後ほどデッキテク記事をお届けする予定だが、プロツアーのスタンダードラウンドで9勝1敗という好成績を収めた4人全員が使用していたアーキタイプでもある。
《無私の霊魂》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《大天使アヴァシン》という強力なラインナップに加え、《反射魔道士》によるビートダウン耐性と《呪文捕らえ》によるミッドレンジ・コントロール耐性の両方を併せ持つこのデッキは、その名のとおりインスタントのカードや瞬速を持つカードが数多く搭載されており、マナを立たせてターンを終えても行動に支障がないようデザインされている。逆に相手からしてみればどのような行動にも裏目が発生しうるため、不自由な選択を強いることができるのが強みだ。
2番手となったのは、信頼と安定の実績を誇る《密輸人の回転翼機》を主軸にした赤白もしくは赤白黒の「機体」ビートダウン。齋藤 友晴とLee Shi Tianがデザインした、《感動的な眺望所》《秘密の中庭》《尖塔断の運河》《霊気拠点》などアンタップインできる土地のみで構成された形も人気であった。
3番手は黒緑「昂揚」。プロツアーではあまりに多すぎる《霊気池の驚異》コンボを前に良い成績を残せなかったアーキタイプだが、《霊気池の驚異》コンボが激減し、「青白フラッシュ」が支配的となった現在のメタゲームにおいては、《闇の掌握》《最後の望み、リリアナ》《墓後家蜘蛛、イシュカナ》といったラインナップが「青白フラッシュ」に対して効果的に働くことから、今後はその勢力を増していきそうだ。
一方、プロツアーの決勝を戦った青赤系のコントロールは、かなりの苦戦を強いられていた。プロツアーで食い物にしていたコンボとビートダウンが減り、「青白フラッシュ」や「黒緑『昂揚』」をはじめとしたプレインズウォーカーを主軸にしたミッドレンジが台頭しはじめたことで、対応が難しくなってきているのかもしれない。
また、プロツアーのメタゲームを騒がせた《霊気池の驚異》コンボは、《呪文捕らえ》によってほとんど駆逐されてしまった。ここからの復権は、相性の良い黒緑「昂揚」の頑張り次第といったところだろう。
このように、スタンダード環境はプロツアーから一瞬にして塗り替わった。
一見盤石に見える「青白フラッシュ」の牙城を打ち崩すデッキを組み上げることはできるのか? それとも、「青白フラッシュ」を最終の解答と見定めてプレイングを磨き続けるべきなのか?
スタンダードを遊んで、ぜひこの難題に挑戦してみてほしい。
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