By Tomohiro Kaji 　予選ラウンドが終わり、ここからはスイスではなくシングルエリミネーションの3回戦。 　勝てば賞金も1.5倍だが、負ければ退場という、今までとは1マッチに懸かっているものが全く違う。 　初日全勝からそのままTop8を確定させた佐藤が使うのは、「Deck Tech」でも紹介した白青ウィニーだ。 　対する田代は赤単を使っており、メインボード戦に関してはカード1枚の価値を劇的に上げる《清浄の名誉》が鍵を握るゲームとなりそうだ。 　また、初日全勝のリストも既に公開されているため、不公平にならないようにと8人のプレイヤーには対戦相手のデッキリストが与えられた。 　そこで判明したのは、田代の赤単に対して佐藤のサイドボードが「15枚入る」という事実。 　これは第1ゲームを何とかして田代は取らないと・・・マズい？

Game 1

田代 晃一

　先攻が大事だと話しながらダイスを振る両名。 　結局は佐藤の先攻となるのだが、さらに田代の1マリガンと、ゲームが始まる前から少し厳しい。 　しかし、先攻の佐藤が《清浄の名誉》スタートなのに対し、田代は1マリガンながらも《流城の貴族》から《燃え上がる憤怒の祭殿》を2枚連打と、ゲームが長引くことはありえないと思わせるパーマネントを構築した。 　だが、佐藤の唱えた3/3の《聖トラフトの霊》にアタッカーは止まってしまい、思っていたよりはダメージの入りが悪い。 　そこへ、佐藤がもう一枚の《清浄の名誉》を与えると、呪禁のブロッカーはいつの間にか強烈なダメージソースに変貌した！ 　攻撃時に誘発する天使・トークンも白いために、共にサイズの修正がかかり、佐藤の《聖トラフトの霊》の攻撃が10点！ 　返すターン、田代は《流城の貴族》でもう一度攻撃を通すものも、佐藤の残りライフはまだ17。 　さらに3枚目の《清浄の名誉》を唱えると、さすがに田代のゲームを続ける気力を削いでしまった。 佐藤 1-0 田代 　そして佐藤は、サイドボードのカードを取り出し15枚のカードをデッキに加える。

Game 2

佐藤 倫

　お互いに悩んでキープしたように見えたのだが、いざ実際のプレイはというと、先攻の田代の《無謀な浮浪者》へ、変身させまいと《ギデオンの法の番人》。 　そこへ《ショック》を打ち込みつつ、《流城の貴族》と、超軽量のカード交換が続く。 　さらにブロッカーとして《ギデオンの法の番人》を唱える佐藤に、田代は《感電破》を唱え、さらに《チャンドラのフェニックス》を加えて攻撃開始！ 　ライフも13へと落ち込み、第2ゲームは田代が取ったかと感じたのもつかの間、《機を見た援軍》でボードとライフ差を取り返す。 　そしてまたも《聖トラフトの霊》を呼び出すと、田代のダメージが止まってしまうばかりか、いつの間にかクロックで不利になってしまった。 　戦場に落ち着きを取り戻したら、満を持して呪禁のクリーチャーへ《天使の運命》をまとわせると、またもゲーム１と同じく2ターンでゲームオーバーな10点クロックで田代へと迫る。 　本体もトークンもにともに飛行を持っているためにチャンプブロックもほとんど許されない田代は、《チャンドラのフェニックス》を使って時間を稼ぎながら火力を佐藤めがけて放ち、暴力的な天使の攻撃よりも先に佐藤のライフを削りにかかるが、クリーチャーと火力のダメージ効率では田代にリソースが足りなくなるのは自明だった。 佐藤 2-0 田代