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グランプリ・広州2016

観戦記事

準々決勝:川崎 慧太(大阪) vs. Wu, Kon Fai(香港)

By 矢吹 哲也

 また、この舞台に立てた。

 グランプリ・シンガポール2015でトップ8に入賞してからおよそ1年。川崎 慧太は決勝ラウンド独特の雰囲気を再び味わうことができた。

 試合開始の合図を待つ「ジャンド使い」川崎は、逸る気持ちを抑えて「バーン」デッキのウー・コン=ファイ/Wu, Kon Faiのデッキリストを眺めている。相性は決して良好ではないが、今大会、彼は2度「バーン」デッキを打ち破って決勝ラウンドに進出している。

 相性差は経験の差で覆せばいい。それだけの自信が彼にはある。

 もう一度手に入れたチャンスを活かすべく、世界にその名を知らしめるべく、川崎は準々決勝のフィーチャー・マッチに臨んだ。


川崎 vs. ウー。死力を尽くした戦いもいよいよ最終局面へ。

ゲーム展開

 先手のウーが《聖なる鋳造所》から《僧院の速槍》という理想的スタート。川崎はゆっくり息を吐くと、《樹木茂る山麓》を置いてターンを返す。

 ウーは《僧院の速槍》での攻撃後《大歓楽の幻霊》を展開。川崎はそれに対応して《稲妻》を放ち、《僧院の速槍》を除去した。

 返しに《タルモゴイフ》を繰り出した川崎は《大歓楽の幻霊》で2点のダメージを受け、これで残りライフ12点。ウーは《ゴブリンの先達》を戦線に加えたものの《タルモゴイフ》を前に攻撃に出られず、《裂け目の稲妻》を「待機」してターンを返した。

 「待機」の明けた《裂け目の稲妻》は川崎本体に撃ち込まれ、残りライフは9点に。ここでウーが2枚目の《大歓楽の幻霊》を繰り出すと、川崎はそれに対応して《終止》を撃ち込み、1体目の《大歓楽の幻霊》を退場させた。しかし2点のダメージは川崎を着実に蝕み、彼のライフはいよいよ危険域に入る。

 川崎は盤面を吟味し、《タルモゴイフ》での攻撃を決断した。ウーは《ゴブリンの先達》でこれをブロックし、川崎は残る《大歓楽の幻霊》も《コラガンの命令》で焼き払いにかかった。

 しかし再三にわたる《大歓楽の幻霊》の誘発で残りライフを5点まで減じた川崎は、返しのウーから放たれた火力に耐え切れなかった。


燃え盛る炎を自在に操り決勝ラウンドまで勝ち進んだウー。

 両者即キープで始まった第2ゲーム。ウーは再びショック・ランドをアンタップ状態でプレイし、今度は《ゴブリンの先達》で戦端を開いた。川崎はこれを《稲妻》で対処し、2ターン目に3/4の《タルモゴイフ》を展開。ウーは《大歓楽の幻霊》で川崎のライフを削りにかかるが、そこには《突然の衰微》が差し向けられた。


愛用の「ジャンド」デッキとともに初戴冠を狙う川崎。

 続く攻め手を考えたウーは《僧院の速槍》を繰り出し、続けて《ボロスの魔除け》も本体に撃ち込んで川崎に一挙6点のダメージを与えた。だが4/5にサイズを上げた《タルモゴイフ》の反撃を受けたウーの方にも余裕はない。川崎の盤面に《台所の嫌がらせ屋》が加わるとライフ・レースはさらに熾烈さを増したが......しかしウーは2枚目の《ボロスの魔除け》と《焼尽の猛火》、《稲妻》と立て続けに火力を撃ち込み、川崎のライフを削り切ることに成功したのだった。

川崎 0-2 ウー

ウー・コン=ファイ/Wu, Kon Faiが川崎 慧太を2連勝で下し、準決勝へ!
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