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グランプリ・千葉2015

観戦記事

第8回戦:本田 興久(神奈川) vs. 石村 信太朗(埼玉)

By 伊藤 敦

 世界を相手に戦う舞台は、プロツアーだけに限らない。

 Magic Online(マジックオンライン)。リアルではなく、ネットでマジックの腕を競い合うゲームで、石村は世界最強の16人に名を連ねた。

 先日開催された、2014 Magic Online Championship。そこで"rizer" 石村は選ばれた16人の招待選手の中で7位と健闘を示したのだ。

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右胸に燦然と輝く"rizer"の文字は、マジックオンラインチャンピオンシップ招待選手の証だ。

 それ以前、2010 Magic Online Championshipにも出場したことがある石村は、まさしく電脳世界で最強の名をほしいままにしているわけだが、その石村が最も得意とするのがリミテッド、とりわけシールドデッキなのである。

 競技フォーマットの中でも運が絡む要素が大きいがゆえに確固たるセオリーが築きづらい、そんなシールドデッキというフォーマットで安定した勝率をキープできるというのは、一体どんな秘訣があるのか。

 このフィーチャーマッチで、その一端が垣間見えるかもしれない。

r8_honda_ishimura.jpg

ゲーム1

 先手は石村。7枚キープのはずだが、3ターン目まで《》《》《》と置きつつも動きがない。

 それもそのはず、本田が石村の先手4ターン目のドロー後に《ヴェンディリオン三人衆》をプレイして手札を覗き見ると、そこには......

石村 「フィーチャーされるとわかってたらこんなハンドキープしませんでしたよ(笑)」

 そう嘆きたくもなるほどの土地とスペルの噛み合わなさ具合。だが本田が《部族の炎》をライブラリボトムに送った代わりのドローで《》を引き込むと、《マトカの暴動者》を送り出し、何とかゲームはできそうだ。さらに《鎌切り》の返しで《森の報奨》をサイクリングし、《》をサーチしてマナベースの問題を完全に解消する。

 本田は《刻まれた大怪物》をキャストするものの、石村はなおも《ナーリッドの群れ》プレイから即座に「召集」で《種のばら撒き》し、さらにトークンを生け贄に《骨の粉砕》! 《ヴェンディリオン三人衆》の排除に成功する。

 だが、本田は《錆びた秘宝》から《錆びた秘宝》、さらに《金属ガエル》と攻め立てる。

 それでも石村は《ヘリウム噴射獣》で懸命にダメージレースを試みるが、《野生の末裔》を出して「移植」したところで、本田の《時間の把握》がもたらした《忘却の輪》に排除されて強制チャンプブロックになりそうと見るや、即座に投了を宣言。

 ......したのだが。

 実は石村のトップは《復讐に燃えた再誕》。このターンをチャンプでしのぎ、返しのドローで《森の報奨》を回収したら、ぴったり勝っていた。

石村 「今日は頭が寝てるなー......」

本田 1-0 石村

ゲーム2

 《突風掬い》から《鎌切り》とつなげる本田に対し、石村は4色の土地を並べながら動きがない。

 さらに《マイア鍛冶》と並んだところでようやくファーストアクションとなる《部族の炎》でクロックを下げようとするも、《使徒の祝福》でかわされてしまう。


本田 興久

 本田が《空狩人の散兵》を追加した時点で石村のライフは8点。盤面には8点クロック。

 やむなくほぼフルタップで《空に届くマンタ》を送り出すが、これに対して《蒸気の絡みつき》を撃たれてしまうと、《使徒の祝福》で守ろうにもファイレクシア・マナのせいで、撃とうが撃つまいが盤面で詰んでしまっているのだった。

本田 2-0 石村

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