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グランプリ・北京2016

観戦記事

準々決勝:井上 徹(福岡) vs. 菅谷 裕信(千葉)

By Masashi Koyama

 グランプリ・北京2016に日本勢は、トップ8のうち過半数を超える5人ものプレイヤーを送り込むこととなった。ということは、すなわち準々決勝で日本人同士の激突が必ず発生してしまうということだ。

 組み合わせの結果、2テーブルで日本人同士の対戦となった。

 ここでご紹介するのは菅谷裕信と井上徹の一戦だ。

 菅谷はかつてグランプリ・マニラ2008で初のグランプリトップ8入賞から一気に優勝を果たし、その後も継続的に活躍を続けているプレイヤーだ。グランプリトップ8入賞は実に5度目となり、2度目の戴冠を目指す。

 一方の井上徹はグランプリ入賞経験こそ無いものの、The Limitsでの優勝経験を持ち、リミテッドの腕前は間違いなく超一級品だ。

 菅谷がドラフトしたのは強力な黒赤マッドネス・ビートダウンで、井上は《ドラグスコルの騎兵》を擁する4色デッキだ。

 ここまで来れば、勝ちたいのはどちらも同じ。果たして、準決勝へ進むのはどちらの日本勢か。


井上(写真左)と菅谷(写真右)の日本人対決が幕を開ける
ゲーム1

 スイスラウンド上位の菅谷が先手でスタート。《》《》から《貪欲な求血者》を召喚、そしてマッドネスで《血狂いの吸血鬼》と絶好のスタートを切る。

 井上は《霊体の羊飼い》を召喚し《血狂いの吸血鬼》と相討つが、菅谷の手からは追加の《血狂いの吸血鬼》が。

 井上は《罪を誘うもの》をブロッカーに立たせるが、菅谷は《燃えさし眼の狼》からの全軍突撃、そして《罪を誘うもの》が《血狂いの吸血鬼》をブロックしたところで《ステンシア仮面舞踏会》!

 これには井上も「デッキ強すぎる!」と苦笑い。

 そうは言ってもこの状況をなんとかしなければいけない井上は《巣網から見張るもの》を召喚するも、これが1ターンを稼ぐのみで退場。さらに後続を追加する菅谷を見ると、土地を速やかに畳んだのだった。

井上 0-1 菅谷


井上は菅谷の強力なビートダウンを前に1本目を落とす

 サイドボードの最中、遠くでフリープレイをしているプレイヤーたちから大声が上がる。

 両者共に「いつも通りだね」と肩をすくめてお互いをみやり、笑い合う。

 だが、ここはいつもと違うグランプリのプレイオフ。

 サイドボードを終えると2人からは笑顔が消え、2ゲーム目が開始された。

ゲーム2

 先手の井上がマリガン。菅谷がまたも2ターン目に《貪欲な求血者》スタートを切る。

 これを見た井上は少し考えた後、《霊体の羊飼い》をプレイする。

 菅谷は土地が2枚で止まってしまい、《癇しゃく》で《霊体の羊飼い》を除去するものの、《石の宣告》で《貪欲な求血者》を失ってしまう。しかし手掛かりを生け贄に捧げ土地を引き込み始め、《傲慢な新生子》を召喚し、《ステンシア仮面舞踏会》へと繋げる。

 一方の井上は《荒原のカカシ》を唱えるのみ。一度《傲慢な新生子》の攻撃が通り、+1/+1カウンターが乗せられる。


菅谷は強力なビートダウンで井上を追い詰める

 井上はX=2の《もう一人の自分》を《荒原のカカシ》のコピーとし守りを固めるが、攻勢に転じるにはいささか心許ない。

 菅谷は《殺人者の斧》を《傲慢な新生子》に装備し、4/4までサイズアップさせアタック。この攻撃が通り井上のライフは11。

 井上は《審問官の雄牛》を召喚し、何とか守りを整えようとするが、菅谷は《床下から》で戦線を横へと伸ばしていく。

 井上は強力レアである《ドラグスコルの騎兵》をフルタップで降り立たせるが、菅谷は構わずフルアタック。

 井上はこのアタックに対し、《傲慢な新生子》とゾンビ・トークンの攻撃を通す決断をするが、菅谷が叩きつけたのは...

 一挙16点ものダメージが井上を襲い、井上は「デッキつえー!」と天を仰いだのだった。

井上 0-2 菅谷

菅谷 裕信が準決勝進出!

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