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The Finals 2019
第4回戦:松本 友樹(東京) vs. 仙波 恒太郎(千葉) ~勝負の鍵は爆発域~
松本 友樹((写真左) vs. 仙波 恒太郎(写真右) |
第4回戦の2勝1敗ラインで激突したのは、つい最近もThe Last Sun 2019を優勝したばかりでノリに乗っているマツモトユウキAこと松本友樹と、現シーズンのゴールド・プロである木原惇希が「一番マジック上手い」と信奉する古豪・仙波恒太郎である。
一方の松本が駆るのは「ラクドス・騎士」。騎士デッキと言えば、行弘賢がミシックチャンピオンシップⅤに持ち込んでトップ8に入賞したのが記憶にも鮮明だ。他方の仙波が持ち込んだのは王者「シミック・フラッシュ」。速攻性の高い騎士デッキと戦うには、先手後手も大事になってくる。が、ダイスロールの結果、先手を獲得したのは騎士・松本。この時点で一歩リードと言えるだろうか。
ゲーム1
両者1マリガンからスタートしたゲーム1。お互いに《血の墓所》、《繁殖池》をタップイン。次のターンも《沼》と《森》を置き合って、これは松本もしかして事故っているのかと思いきや、相手ターンエンドに繰り出されるのが《黒槍の模範》。
自分のターンが来ると《熱烈な勇者》を出して2体で攻撃し、絢爛しながら《ドリルビット》。急に盤面が賑やかになってきた。
なんだなんだ君たちは
これはたまらんと、対応して《成長のらせん》をキャストした仙波が公開したのは《世界を揺るがす者、ニッサ》が2枚に《夜群れの伏兵》を含んだ高カロリーハンド。松本は《夜群れの伏兵》を捨てさせる。
松本 友樹 |
続くターンに《どぶ骨》を追加した松本に対し、何と仙波は土地が4枚で止まってしまう。
プレイできない!
土地で足止めを受けている間にダメージを追加して相手ライフを残り2まで追い詰めた松本。ダメ押しの《朽ちゆくレギサウルス》をプレイするも、さすがにこれは《神秘の論争》で打ち消されてしまう。
そして仙波、待望の5枚目の土地を引き込むも――。
「よりにもよってお前かね!」(仙波)
仙波、アンタップインのライフ2点による自殺でゲーム1を締めくくるのだった。
松本「1ターン前だったらゲームになってましたね……」
ゲーム2
またも1マリガンスタートの松本に対し、7枚の手札をキープできた仙波。《神秘の神殿》のプレイから2ターン目に《楽園のドルイド》という、最高の立ち上がりを見せる。
しかし松本も手をこまねいているわけではない。1ターン目に《熱烈な勇者》を出して殴り、2ターン目に《熱烈な勇者》を出して殴り、5ターン目にも《熱烈な勇者》を出して殴る。
「いっぱい出てくるねえ!」(仙波)
もちろん《熱烈な勇者》だけしかいなかったわけではなく、3ターン目に仙波が出した《恋煩いの野獣》を《害悪な掌握》で処理したり、仙波が5マナに到達してニッサで世界を揺るがしはじめたので、《試合場》から《嵐拳の聖戦士》と《どぶ骨》を繰り出して盤面を作ったりしていた。
仙波側がニッサによってクリーチャー化した2体の土地と《楽園のドルイド》を立てるのに対して、松本側は合計で5体のクリーチャーが並んでいる。少し考えた後に、松本は全員攻撃を選択する。誘発した3体の《熱烈な勇者》の能力は《嵐拳の聖戦士》に注ぎ込んで5/2にする。
巧妙な攻撃である。能力で毎ターンライフを削ってくる《嵐拳の聖戦士》はうざったい上に、なんと威迫持ち。ここで相打ちを取ろうとすると最低2体のクリーチャーでブロックしなければならない。かといってスルーするには5点は大きすぎる。なんと言っても時すでに、仙波のライフは6まで追い込まれていたのであった……。
仙波 恒太郎 |
さすがに悩む仙波。最終的に、5/2になった《嵐拳の聖戦士》を土地と《楽園のドルイド》でブロック、《どぶ骨》を3/3の土地でブロックし、《熱烈な勇者》は素通しした。《熱烈な勇者》だけが生き残った戦場になった。
何も手が無ければ近いターンには死んでしまう劣勢。しかしながら、ここで仙波が繰り出してきたのがまさかの《爆発域》!
カウンター1個で即起動!
かくて1マナの勇者たちは、綺麗さっぱりいなくなるのであった。
ニッサこそ《害悪な掌握》で対処する松本であったが、死ぬ前にニッサが追加した3/3となった土地が2枚並び、6点クロックが形成される。松本のライフは12、実は猶予がほとんどない。
とはいえ、《豆の木の巨人》の出来事《肥沃な足跡》で土地とクリーチャーを追加する仙波の動きを前に、さすがの松本も投了を宣言する。
ゲーム3
マリガン無しで初手をキープした両プレイヤー。しかしながら、先手は「ラクドス・騎士」の松本である。まずはぶん周りが来ないことを祈るしかないところだが――。
ザ・ぶん回り
無抵抗で殴られているかのように見えた仙波の手札が《ドリルビット》で公開されると、《夜群れの伏兵》や《ハイドロイド混成体》が詰まった重苦しい陣容。
この局面をひっくり返すには今一度《爆発域》を引き込むしかない。が、そんな都合良いドローが引き込めるはずもなく。
黒赤のウィニーたちの軍門に仙波は下ることとなった。
松本 2-1 仙波
松本 win!
仙波「《爆発域》無いと勝てないんですよね~このマッチ。やっぱりマリガンしてでも探しに行くべきだったかな。《爆発域》で騎士を殺しにいったのに、むしろ殺されてしまった」
と呟く仙波のもとに、隣の席でフィーチャーされていて、すでに試合を終えていた八十岡がやってきた。
八十岡「さすがに《黒槍の模範》はカウンターしたほうがよかったんじゃない? あれ除去するとライフレースが結構違ったよ。あと狼構えとは言っても、メインで動いていかないと手数が足りなくなっちゃうよ。もし4マナが《エリマキ神秘家》だったら、絶対ケアしないからワンチャンはまったかもしれないけどね。ほぼ《夜群れの伏兵》としか思われていない」
いつものことながらめっちゃ見ていた。
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