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EVENT COVERAGE
チャンピオンズカップファイナル サイクル1
第8回戦:中村 修平(愛媛) vs. 平山 怜(東京)〜戦士たちは次の戦場へ〜
中村 修平(写真左) vs. 平山 怜(写真右) |
チャンピオンズカップファイナルの初日を突破したプレイヤーたちはたった一夜の休息に浸り、この2日目の戦場へと戻ってきた。プロツアーをかけた戦いは、ここからまた始まる。
この8回戦、唯一の全勝対決となったのが中村修平(愛媛)と平山 怜(東京)のマッチアップだ。
殿堂プレイヤーであり、ここに書ききれないほどの数多の輝かしい戦歴を持つ中村。先週行われた晴れる屋の神挑戦者決定戦 では「緑単信心」を手に頂点まで上り詰めた。惜しくも神決定戦では敗れることになったが、その勢いは衰えることなくこのイベントでも勝利を重ね続けている。
一方の平山は、最多勢力の「ラクドス・ミッドレンジ」を手に中村へ挑む。平山もまた、The Finals2019、プレイヤーズツアー・オンライン3で準優勝を果たすなど、最高峰の戦いで好成績を残してきた強豪プレイヤーだ。
大イベントのフィーチャーマッチとして申し分のない組み合わせ。果たして、この戦いを勝利し、唯一の全勝者となるのはどちらのプレイヤーか。
ゲーム1
中村がダブルマリガン。《ラノワールのエルフ》スタート。平山はここに逡巡なく《致命的な一押し》を突き刺す。
中村は《狼柳の安息所》でマナを伸ばし、《ニッサの誓い》2枚を連打すると、《森》と《ビヒモスを招く者、キオーラ》を手にし、ダブルマリガンながらも順調と言えるスタートを切った。
だが、後手ドローも換算すると都合3枚分のカードアドバンテージ差はいかんともしがたかった。平山の3ターン目《真っ白》により、中村の手札は、脅威を展開する前に空になってしまう。さらに平山は中村が引いてきた《ラノワールのエルフ》にも《踏みつけ》で応じ、5マナへの到達を許さない。
中村はターンを返すしかなく、平山は《死の飢えのタイタン、クロクサ》で再び中村の手札を空にし、《墓地の侵入者》でクロックを突きつける。
中村は《大いなる創造者、カーン》で後の反撃を伺うが、平山は《踏みつけ》と《墓地の侵入者》の攻撃で《大いなる創造者、カーン》の忠誠度を1とし、さらに《砕骨の巨人》を展開。
中村はドローを確認すると、軽やかな手つきでカードを畳みサイドボードに手を伸ばした。
平山 1-0 中村
このマッチアップは、メインデッキ戦が「緑単信心」、そして《絶滅の契機》《苦難の影》など対策カードが取れるサイドボーディング後は「ラクドス・ミッドレンジ」に分があるという、両者の共通認識だ。
その大事なメインデッキ戦を落とした中村だが、1分かからずにサイドボードを完了する。誰よりも豊富な経験を持つ中村が、その真価を発揮するのはここからだ。
中村 修平 |
ゲーム2
ゲームは後手平山の1ターン目《思考囲い》で幕を開ける。
《茨の騎兵》2枚
《老樹林のトロール》
《狼柳の安息所》
《森》
という中村の手札から、現状、彼の手札には土地が1枚しかなく展開にブレーキをかけられるであろうことを鑑み、《狼柳の安息所》を落とすと、「緑単信心」に対して有効な《苦難の影》を戦場に送り込む。
3マナ目を引き込んだ中村は《ビヒモスを招く者、キオーラ》を展開。
平山は再びの《思考囲い》。先ほどの手札に加え《収穫祭の襲撃》が見えるが、中村の手札に5枚目の土地はなく、唯一プレイできる《老樹林のトロール》を落とすのだが、続くドローステップで中村が《森》を引き込み5マナに到達し、淡々と《茨の騎兵》をプレイ。さらに、続くターンには2枚目の《茨の騎兵》、《老樹林のトロール》と一気に盤面を制圧しにかかる。
だが、戦前から懸案だったカードがこの圧倒的な盤面に突き刺さる。平山は《黙示録、シェオルドレッド》の展開から、《絶滅の契機》を奇数で解き放つ!
そして続く攻撃で《ビヒモスを招く者、キオーラ》を落としつつ中村のライフを一気に10まで落とし込む。
一気に苦しくなった中村は《収穫祭の襲撃》を唱えるも、戦場に出せるのは《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》という軽量級ばかり。手札のカードも《エルフの神秘家》と、押し込まれる展開から逃れられない。
平山はさらに《真っ白》で中村の手札を空にし、第1ゲームと同じく押し切り勝ちを狙うのだが、ここからのトップデッキ勝負に強いのも「緑単信心」の魅力だ。ここで、中村のライブラリートップからは《茨の騎兵》!
ここで、中村は慎重に計算を行う。《黙示録、シェオルドレッド》のライフルーズ効果を耐えられるのはあと1回。続くターンに《ハイドラの巣》の起動と《茨の騎兵》でリーサルまで持っていけるよう、《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》で攻撃し、平山のライフを13まで落とし込む。
平山は除去を引き込めず、《黙示録、シェオルドレッド》を失わないよう《苦難の影》だけで攻撃に向かう。中村はもちろん《エルフの神秘家》でチャンプブロック。結果としてここが分水嶺になってしまっただろうか。
中村はドローでライフが2になるが、《ハイドラの巣》をX=8で起動して、《茨の騎兵》と攻撃。《黙示録、シェオルドレッド》を強制的にブロックに回し、かつ突きつけられていたタイムリミットも解除する。
とはいえ、続くターンにブロッカーである《エルフの神秘家》を除去されてしまえば、《苦難の影》の攻撃が通ってしまう。中村は人事を尽くして天命を待つ。そして平山はこの《エルフの神秘家》を除去することができなかった。
平山 怜 |
中村がターンを迎えドローをすると、すぐさまサイドボードを確認したい旨を伝える。平山は悟ったように中村に声をかけた。
平山「《大いなる創造者、カーン》?(笑)」
中村「《大いなる創造者、カーン》ですねえ」
中村がその《大いなる創造者、カーン》の能力により《キランの真意号》をサイドボードから手にしこれをプレイすると、平山はドローを確認し、すぐさま敗北を宣言したのだった。
中村 1-1 平山
ゲーム3
またしてもゲームは平山の手札破壊、《強迫》からスタートする。
《ハイドラの巣》
《森》2枚
《老樹林のトロール》
《ニッサの誓い》
から唯一落とせる《ニッサの誓い》を墓地に送り、中村がプレイした《ラノワールのエルフ》を自身のメインフェイズに《踏みつけ》で除去し、序盤のマナ加速を許さない。
3ターン目、平山は《砕骨の巨人》を、中村は《老樹林のトロール》とここまではがっぷりよつの展開となるのだが、平山は4ターン目に戦力を追加することができず、マナをフルオープンで返すことになってしまう。
一方の中村は《大いなる創造者、カーン》からサイドボード《領事の旗艦、スカイソブリン》を手中に収める。この《大いなる創造者、カーン》自体は《バグベアの居住地》と《砕骨の巨人》の攻撃で盤面から葬り去ることができたのだが、ここから中村の《領事の旗艦、スカイソブリン》無双が始まることになる。
これにより《砕骨の巨人》を落とされた平山は、《反逆のるつぼ、霜剣山》のトークンでダメージレースを挑もうとするが、《領事の旗艦、スカイソブリン》の前では競争にすらならない。
中村の追加戦力《ラノワールのエルフ》《老樹林のトロール》こそ《絶滅の契機》で対処するが、《ハイドラの巣》が搭乗する《領事の旗艦、スカイソブリン》が全く止まらない。
なんとか2枚の《致命的な一押し》で《ハイドラの巣》と《老樹林のトロール》のトークンを除去し、一旦は搭乗者をゼロにすることができたのだが、いかんせんライフは残り2。
中村が2枚の《狼柳の安息所》を引き込み《領事の旗艦、スカイソブリン》の搭乗条件を満たすまでに、平山は中村のライフを削り切る手立てを用意することは叶わなかった。
中村 2-1 平山
中村修平が唯一の全勝者に!
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