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準々決勝: 藤田 剛史(大阪) vs. David Sharfman(アメリカ)
By 金民守
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決勝ドラフトに挑む藤田 剛史 |
藤田は1パック目の14ピック全てを使って赤白を主張した。
除去を流した。《》も《》も《》も流した。
愚直に、ただまっすぐ赤白を目指してドラフトを進める。ピックではない。藤田が行っているのは位置取りだ。
藤田がカードをピックするたびに伝わってくる。藤田の下家は角岡だ。
角岡よ。黒、緑、青のカードならばいくらでも流そう。だから、赤と白、赤と白だけは手を出さないでくれ。
角岡はそれに応えた。
しかし藤田は上家の強硬な赤主張の前に、2パック目に青白にシフトせざるを得なかった。
トップ8に二人の日本人。その二人が隣り合った席順で、藤田の取ったこの戦略は、どんな結末に繋がるのか。我々は見守ることしかできない。
Game 1
スイスラウンドの順位により先攻は藤田。
1ターン目《》から2ターン目には《》に繋ぎデッキの最速の周りを見せる。
Sharfmanが3ターン目に《》でブロッカーを用意すれば、《》でクロックを上げてそれに応える。
返すターン。Sharfmanは《》を追加するのみで有効な回答を提示できない。
藤田は《》に装備を付け替え、Sharfmanのライフがまた5点削られる。
Sharfmanの場には島と山が並ぶのみ。白マナがなくただの金属術要員の《》。そしてそこまでして出てくる金属術カードは《》。
藤田が漏らす。「あれ?もしかして相手のデッキも弱い?」
しかしSharfmanもグランプリチャンプ。装備のついた《》に《》を合わせて藤田に詰めよる。
藤田はキルターンを数え、チャンプブロッカーのマイアがカウンターされないことを確認してから小さくうなずく。
よし、自分のほうが1ターン早い。
2対5の殴り合いを決意して残る航空戦力でアタック。Sharfmanのライフが5まで落ち込む。
Sharfmanにターンが返る。Sharfmanが場とライフを確認してこれ以上安全確認ができないことを悟り、Sharfmanは藤田に《》の採用理由を明かしてみせた。
6枚の土地がタップされ《》が生贄に捧げられる。《》が藤田の場を壊滅させ、ゲーム1が幕を閉じた。
藤田 剛史 0-1 David Sharfman
Game 2

4マナスタートのハンドを渋い顔でキープする藤田に対して、Sharfmanは2ターン目の《》から《》につないで順調な回りを見せる。
流れに乗るSharfmanは、藤田のファーストアクションである《》を《》で除去してみせ、藤田のライフを容赦なく削る。
藤田もなんとか盤面を抑えようと《》から《》と展開し、《》を構えるのだが、Sharfmanが《》と《》で容赦なくブロッカーを排除すると、藤田にできることはもうなにもなかった。
藤田 剛史 0-2 David Sharfman
Game 3
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David Sharfman | |
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3ゲーム目は藤田がゲームをリードしてスタートした。
Sharfmanの3ターン目《》を《》で即座に破壊して3点ゲイン。
そしてSharfmanの地上戦力と藤田の航空戦力の、守りを捨てた殴り合いが始まる。
藤田の戦場には《》と《》。
Sharfmanの戦場には《》《》《》。
藤田はライフゲインした3点分で、この殴り合いを鼻差で制すことができる計算だ。
一度のアタックで双方がライフの1/4を削りあう苛烈な殴り合い。
Sharfmanが《》でテンポを逆転しようという試みにると藤田は同じく《》でテンポをイーブンに戻すという胃が痛くなるようなやりとりを挟んで、訪れるクライマックス。
藤田が《》を引いたことによって、唯一の飛行生物である《》が最終的にチャンプブロックに参加してSharfmanが逆転するというプランが不可能になったのだ。一進一退のゲーム展開を藤田が制すかに見えたその瞬間、返すターンでSharfmanがプレイしたのは《》だった。
藤田が欲した、血を流しながら求めた赤いカード、その赤いカードをかき集めることに成功したSharfmanが、リミテッドグランプリチャンプの力量を見せ付ける強さで準決勝に進出した!!
藤田 剛史 0-3 David Sharfman
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