by Atsushi Ito 　長かったプロツアー・名古屋もいよいよスイス最終ラウンド。 　15回戦までのスタンディングでは36点が7名、34点が1名で他は33点以下。概ね上からペアリングされると仮定すると、36点同士が3卓IDするとして6人がトップ8確定、他に36点対34点の勝者と、33点対決の勝者でオポネント・マッチ・パーセンテージが最も高かった1名がトップ8に滑り込む計算となる。 　そしてこのタイミングでフィーチャーマッチエリアに呼ばれたThieleとDoughertyは、33点の中でオポネントが1位と2位。つまりこのマッチの勝者は高確率で8位でトップ8に入れる、というわけだ。 　御存知の通りYMG総帥にして殿堂入りプレイヤーのDoughertyに対し、初日でただ一人全勝だったThieleはまだプロツアー2回目の参加だというから驚きだ。 　果たしてトップ8への最後の切符を掴むのはどちらか。 　Thieleのデッキは赤単コントロール、Doughertyは《純鋼の聖騎士》をフィーチャーした白単装備ビートである。

Game 1

　先手はThiele。2ターン目に《太陽の宝球》をプレイすると、対するDoughertyはデッキの代名詞である《純鋼の聖騎士》をキャストする。 　これを放置するわけにいかないThieleは返しで《金屑の嵐》を合わせるが、Doughertyは2枚目の《純鋼の聖騎士》から《皮剥ぎの鞘》と展開し、早速アドバンテージを獲得。 　この2体目も《赤の太陽の頂点》で即座に除去されるが、Doughertyは《王の摂政、ケンバ》《ダークスティールの斧》と畳みかける。 Rob Dougherty 　さすがに3枚目の除去はないThieleは《槌のコス》をプレイして+1能力でDoughertyに4点を与えた後、《墨蛾の生息地》を立たせる。Doughertyは《ダークスティールの斧》を《王の摂政、ケンバ》に纏わせて《皮剥ぎの鞘》の細菌トークンとで《槌のコス》にアタックするが、《王の摂政、ケンバ》は予定調和で《墨蛾の生息地》のチャンプブロックに阻まれ、《槌のコス》を除去するには至らない。戦闘後に《皮剥ぎの鞘》を《王の摂政、ケンバ》に移し替えてターンエンド。 　一方《槌のコス》は守れたものの、このままでは《王の摂政、ケンバ》の毎ターン2体の2/2トークン生産を前に押しつぶされてしまうThieleは《カルドーサのフェニックス》をプレイ。《槌のコス》の+1能力と合わせてThieleに8点を叩きこみ、すれ違いのライフレースを仕掛ける。 　返しのターンで《槌のコス》は葬られるが、さらにThieleが2体目の《カルドーサのフェニックス》をプレイしてダブルアタックすると、既にライフが8のDoughertyは《墨蛾の生息地》2体でそれぞれチャンプブロックするしかない。 　Doughertyも3枚目の《ダークスティールの斧》をプレイしてThieleに一撃12点をお見舞いするのだが、返しの《カルドーサのフェニックス》6点アタックと《赤の太陽の頂点》が先にDoughertyを焼き切った。 　Thiele 1-0 Dougherty

Game 2

　《調和者隊の盾》から《きらめく鷹》を先手1ターン目にプレイ、さらに《迫撃鞘》《王の摂政、ケンバ》と展開するDoughertyに対し、Thieleは《燃え上がる憤怒の祭殿》設置から《太陽の宝球》とゆっくりとした立ち上がり。 　それでも《調和者隊の盾》が《王の摂政、ケンバ》に装備されると、これと《迫撃鞘》を《核への投入》で葬り、さらにDoughertyが《ダークスティールの斧》を纏わせると、《金屑の嵐》+《感電破》で盤面を一掃する。 Fabian Thiele 　ここまでの攻防によりThieleのライフを5まで削りはしたものの、ここで完全にクロックを失ってしまったDoughertyは、《カルドーサのフェニックス》を《急送》しつつ《墨蛾の生息地》での毒殺を狙う。 　だがThieleは委細構わず《槌のコス》をプレイ、+1能力を使用してから《山》はアタックせずに3マナ立たせて、10個カウンターの載った《燃え上がる憤怒の祭殿》を構えてエンド。Dougherty側に《墨蛾の生息地》1枚しかクロックがないため、紋章発動も視野に入る状況だ。 　それでもDoughertyはここで引きこんだサイドカードである《不退転の大天使》をプレイ。《墨蛾の生息地》を起動すればいつでも金属術は達成できるため、次のターンにはThieleをライフか毒のいずれかで殺せそうな盤面を作る。 　しかし、ここでThieleはおもむろにエンド前に《燃え上がる憤怒の祭殿》でDougherty本体に10点。ということは・・・ 　メインで《槌のコス》の-2能力が起動され。 　《赤の太陽の頂点》本体11点。 　「You!」 　Thiele 2-0 Dougherty