読み物
Round 9: 伊藤 光英(埼玉) vs. 八十岡 翔太(東京)
by Atsushi Ito
2nd Draftを終えての3回戦。その1回戦目は2敗ラインでの日本人対決をお届けしよう。
6番ポッドでは日本人が3人・・・伊藤 光英(埼玉)、井川 良彦(東京)、八十岡 翔太(東京)が同卓となり、しかもピックはこの順で上家下家の席の並びとなった。
伊藤のデッキは青白金属術ビートダウン。1パック目初手で《》を流してまで《》をピックしての決め打ちとの話だ。
間の井川がそのレアを受け取って緑黒感染に走ったため、上家方面に青白緑黒を抑えられた形の八十岡は赤黒の除去単となっている。
協調という意味ではさすがプロというべきか、3人でこれ以上ないほどに色とアーキタイプの住み分けができているが、八十岡は3パック目でカードの出に恵まれず《》ばかりピックする羽目になっていたのが気になるところだ。
1st Draft2-1の伊藤と3-0の八十岡。ドラフト巧者同士がそれぞれ完成されたアーキタイプを手に火花を散らす。
Game 1
先手は伊藤、八十岡がワンマリガンで幕を開ける。
《》《》《》とロケットスタートの伊藤に対し、ダブルマリガンはできず《》1枚と3マナの除去でキープした八十岡は《》1枚こそすぐ引けたものの3マナ目が引けず、3点と5点を受けて12点までライフを落とす。
それでも4ターン目には何とか土地を引きこんで、まずは《》で《》を除去する。
他方、伊藤も4マナで土地が止まった上に展開できるパーマネントがないのか、《》での飛行アタックを繰り返すのみ。
この隙に《》から《》、さらに《》と持ち直した八十岡。ライフはわずか4だが盤面は完全に逆転している。
だがここでようやく5枚目の土地を引きこんだ伊藤がプレイしたのは《》!!

八十岡も何とか《》までつなげるべく耐えようとするのだが、伊藤がトップした《》で八十岡のライフを0以下まで押し込んだ。
伊藤 1-0 八十岡
Game 2
先手は八十岡。土地4枚に《》とプランが見える7枚を文句なくキープ。
対する伊藤も《》《》《》と順調にデッキを回転させていく。
《》が《》の餌食となった後、《》をブロッカーに立たせて相手の展開を誘う八十岡。その目論み通りに、伊藤は《》《》と展開を緩めない。
八十岡も《》で適当に《》を除去して相手の消耗を誘う。伊藤はさらに《》まで並べつつ《》で《》を除去、八十岡はドローと場の《》を見て、まるで「土地ばかり引いて何もやることがないかのように」ターンエンドする。
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八十岡 翔太 |
伊藤のデッキが凡庸な青白ビートダウンだったなら、おそらくこのまま八十岡の術中に嵌って《》で1対6くらいの交換を強いられていたことだろう。
だが、伊藤のデッキは並大抵の強さではなかった。伊藤がプレイした《》を見て八十岡の顔色が変わる。
《》で何対何交換をとっても《》1枚でリソースが取り戻されてしまう。かといってこのまま何もしなければライフが危ない。結局八十岡は当初の予定とは異なり、撃たされる形で《》をプレイすることとなる。
伊藤も驚きはするものの、《》のおかげでリソースにはまだ余裕がある。すぐさま2体目の《》を場に出し、2マナを構える。
八十岡はフィニッシャー(?)の《》をプレイするが、伊藤はさらにエンド前に3/3トークン生産からアタック後に《》を召喚。ライフは伊藤12対八十岡8、傍目で見ても絶望的な状況だ。
だが八十岡はエンド前に《》に《》をプレイ、《》のアタック後にフルタップで《》《》と展開。八十岡の手札は残り1枚。
伊藤は《》を3/3トークンに装備させて《》と2体でアタック。《》がチャンプしてライフは伊藤9対八十岡3。八十岡が何も引かなければ守勢にまわらざるをえなくなり、《》で負けてしまう。
しかしここで八十岡のドローは値千金の《》!!
前のターンから抱えていた最後の手札=2枚目の《》を《》に撃ちこみ、さらに増殖で《》を葬ってから《》で《》のついた3/3トークンを屠ると、3体いた伊藤のクリーチャーが一瞬にして綺麗に消え去った。
そのまま無人の荒野を駆ける《》(と《》)が伊藤を介錯した。
伊藤 1-1 八十岡
Game 3
先手の伊藤がマリガンするが、《》《》と圧倒的なクロックを形成する。
八十岡も《》を起動、ドローを進めて除去を求めるがデッキが応えず、相打ち要因として《》を召喚するに留まる。
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伊藤 光英 |
だが返すターンに伊藤が叩きつけるようにプレイしたのは《》!! 《》とは注文通りの相打ちだが、3点と6点をもらい八十岡のライフは既に11。
ここで八十岡は《》をトップし伊藤のクロックをスローダウンさせようと目論むが、なおも伊藤はフルタップで《》を展開。
八十岡はようやく駆けつけた《》で《》を葬るが、伊藤が《》を追加すると、残り少ないライフを飛行クリーチャー2体により削りきられてしまった。
伊藤 2-1 八十岡
八十岡 「《》に《》×2まで入ってて3ターン目に引かねーし」
伊藤 「3枚入ってて引かれなかったのはこっちが相当ツイてましたね」
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