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2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)
2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)1日目の注目の出来事
2019年10月18日
(編訳注:埋め込み動画およびツイートは英語版のものとなります。)
68名の選手たち。750,000ドルの賞金。『エルドレインの王権』が実装されたMTGアリーナで、ミシックチャンピオンシップ王者の座を懸けた戦いが始まる。この物語の結末を書けるのは、最後に残った1人だけだ。
「2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)」へようこそ。
この週末、現在のスタンダード環境における最強のプレイヤーを決するべく、アメリカ・カリフォルニア州ロングビーチにマジック・プロリーグ選手32名と挑戦者36名が集った。初日の競技では7回戦が行われ、上位24名(とMPLコア・スプリットにおけるディビジョン優勝者のセス・マンフィールド/Seth Manfield、リー・シー・ティエン/Lee Shi Tian、カルロス・ロマオ/Carlos Romao、ベン・スターク/Ben Stark)が2日目の競技に進出する。その中で選手たちは、(《エンバレスの宝剣》を含めあらゆる手段で速度を上げた)アグレッシブなデッキやゾンビの軍団、食べても食べても増え続ける食物(・トークン)を手に、開幕から激戦を繰り広げていった。
ここでは、初日に起きた注目のストーリーをお伝えしよう。
カヴァルテクの活躍が続く
ブレイクスルーを成し遂げた男の話をしよう。長年にわたって足踏みを続け苦しんでいたクリス・カヴァルテク/Chris Kvartekは、2019年に技術を磨き、それ以上に心を磨くことを決意した。その努力は報われ、彼は2019ミシックチャンピオンシップⅡ(ロンドン)にてトップ8入賞を果たすと、2019ミシックチャンピオンシップⅣ(バルセロナ)でも(トップ8入賞にあと一歩のところまで迫る)快走を見せ、「次に来るプレイヤー」としての評価を確固たるものとした。
そしてこの週末においても、彼はその実力を遺憾なく発揮している。
ミシックチャンピオンシップ予選ウィークエンドで今大会への参加権利を獲得したカヴァルテクは、この舞台でも淀みなく勝利を重ねた。開幕から前回MTGアリーナで行われた大会の覇者マティアス・レヴェラット/Matias Leverattoとのフィーチャーマッチに呼ばれると、彼を打ち倒し猛烈なスタートを切った。そして、その衝撃的な開幕戦も始まりに過ぎなかった。その後カヴァルテクは土付かずの5連勝で、(MPL選手のジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean Emmanuel-Deprazとともに)2日目進出一番乗りを果たしたのだ。
11 《森》 5 《島》 4 《繁殖池》 4 《神秘の神殿》 -土地(24)- 4 《金のガチョウ》 4 《マラリーフのピクシー》 4 《楽園のドルイド》 4 《厚かましい借り手》 4 《探索する獣》 4 《意地悪な狼》 1 《大食のハイドラ》 -クリーチャー(25)- |
4 《王冠泥棒、オーコ》 3 《アーク弓のレインジャー、ビビアン》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(11)- |
1 《エリマキ神秘家》 3 《大食のハイドラ》 1 《ハイドロイド混成体》 4 《軽蔑的な一撃》 3 《霊気の疾風》 3 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(15)- |
さらに、彼は《ハイドロイド混成体》を排した独自の「シミック・食物」で5連勝を成し遂げた。現環境最強カードの一角と目されてきた《ハイドロイド混成体》だが、ミシックチャンピオンシップの舞台では立ち位置が悪いことをカヴァルテクは正しく見抜いたのだ。
No Hydroid Krasis? No problem! @Kavartech - who went 5-0 today - tells us about the power of Brazen Borrower and his plan for Day 2!#MythicChampionshipV pic.twitter.com/ouAeMsBGAA
— Magic Esports (@MagicEsports) 2019年10月18日
《ハイドロイド混成体》なしでも大丈夫! 見事5連勝を果たした@Kavartech選手が《厚かましい借り手》の力と2日目の戦略を語ります!#MythicChampionshipV
『エルドレインの王権』の登場
エルドレインの世界ではよくおとぎ話の逆転が起きているが、「悪い狼」よりずっと凶悪な《意地悪な狼》以上に衝撃を与えているものはないだろう。
It’s time for spooOooOooky #MythicChampionshipV stories with @CalebDMTGpic.twitter.com/nTZ9SqHcV2
— Magic Esports (@MagicEsports) 2019年10月18日
@CalebDMTGとともに、 #MythicChampionshipVのこわ~~~~~~~い話をお届けします。
《意地悪な狼》は、『エルドレインの王権』で最も過小評価されていたカードの1つだろう。だが今大会では「シミック・食物」の一員としてその力を振るい、カヴァルテクをはじめとする選手を2日目進出に導く大きな活躍を見せた。《不屈の巡礼者、ゴロス》や《死者の原野》、《王冠泥棒、オーコ》が活躍することは誰もが予想していたが、今大会初日を通して何度も重要なゲームを決定づけたのは、《意地悪な狼》の存在なのだ。この腹を空かせた狼が(《王冠泥棒、オーコ》や《金のガチョウ》によって)安定した食物の供給を受けられれば、環境内のどんなクリーチャーでも足をすくませてしまう。
『エルドレインの王権』は強力なセットであるという評価をすぐに固め、《むかしむかし》のようなカードはさまざまなデッキで採用されている。だがこの週末最も予想外の活躍を見せたのは、恐らく《エンバレスの宝剣》だろう。行弘 賢は、「マルドゥ・騎士」で《エンバレスの宝剣》の凄まじい力を存分に活かした。そして今大会最もエキサイティングな瞬間を演出して見せたのだ。
このコンボは行弘を2日目へ導いた。彼は明日も、この燃え立つ剣を持つ恐竜でトップ8への道を切り開こうとしている。
5 《山》 3 《沼》 4 《血の墓所》 4 《聖なる鋳造所》 4 《神無き祭殿》 4 《試合場》 -土地(24)- 4 《熱烈な勇者》 4 《漆黒軍の騎士》 4 《黒槍の模範》 4 《鼓舞する古参》 4 《リムロックの騎士》 4 《評判高い挑戦者》 4 《朽ちゆくレギサウルス》 -クリーチャー(28)- |
4 《鋼爪の槍》 4 《エンバレスの宝剣》 -呪文(8)- |
4 《アングラスの暴力》 4 《軍団の最期》 4 《害悪な掌握》 3 《栄光の好機》 -サイドボード(15)- |
ドゥプラがゴロスとともに先頭をゆく
もちろん、《不屈の巡礼者、ゴロス》と《死者の原野》の「コンボ」も、大会前の「倒すべきデッキ第1位」の評判に恥じない大活躍を見せた。ゴロス・デッキを先導するのは、MPL選手のジャン=エマニュエル・ドゥプラだ。彼は開幕から5連勝で初日を走り切り、早々に2日目進出を決めたのだった。
After Round 5, @JEDepraz is one of two players to secure a spot on Day 2 of #MythicChampionshipV!
— Magic Esports (@MagicEsports) 2019年10月18日
What skills helped him go 5-0 on Day 1? pic.twitter.com/zleQAbGJuJ
第5回戦終了時点で、@JEDepraz選手が#MythicChampionshipV2日目進出を決めた2人のうちの1人になりました!
彼の5連勝を支えた技術とは?
2 《森》 1 《平地》 2 《島》 2 《繁殖池》 1 《神秘の神殿》 1 《茨森の滝》 1 《シミックのギルド門》 2 《寺院の庭》 1 《花咲く砂地》 1 《セレズニアのギルド門》 2 《神聖なる泉》 1 《平穏な入り江》 1 《アゾリウスのギルド門》 1 《疾病の神殿》 1 《オルゾフのギルド門》 1 《ボロスのギルド門》 1 《ヴァントレス城》 1 《調和の公有地》 2 《寓話の小道》 4 《死者の原野》 -土地(29)- 3 《樹上の草食獣》 4 《不屈の巡礼者、ゴロス》 2 《裏切りの工作員》 1 《豆の木の巨人》 1 《王国まといの巨人》 3 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(14)- |
4 《成長のらせん》 3 《むかしむかし》 4 《迂回路》 3 《時の一掃》 3 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(17)- |
1 《裏切りの工作員》 1 《王国まといの巨人》 1 《ハイドロイド混成体》 3 《夏の帳》 3 《霊気の疾風》 2 《敬虔な命令》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《ガラスの棺》 1 《神秘の論争》 -サイドボード(15)- |
とはいえこのデッキが強力であることは間違いないが、弱点がないわけでもない。オンドレイ・ストラスキー/Ondřej Stráskýに聞いてみよう。
We all have our approaches to#MythicChampionshipV @OndrejStrasky @MissMariapants pic.twitter.com/9EEDuUs5BX
— Magic Esports (@MagicEsports) 2019年10月18日
誰もが#MythicChampionshipVに備えて来ています。@OndrejStrasky @MissMariapants
ネルソンとジャガーノート、再び
実は今大会では、マジック界最強クラスの2人が意外にもライバル関係を発展させていた。「ジャーマン・ジャガーノート」こと生ける伝説カイ・ブッディ/Kai Buddeは、マジックの歴史に名を残す最強のプレイヤーだ。しかしその華々しい戦績の中には、ただ1つ大きな壁があった。
彼の前に立ちはだかっていたのは、「最強のスタンダード・プレイヤー」として名高いブラッド・ネルソン/Brad Nelsonだ。両者は7月の2019ミシックチャンピオンシップⅢ(MTGアリーナ)でともにトップ4まで駒を進め、2010年のプロツアー・アムステルダム以来となる準決勝での対戦に臨んだ。ネルソンは、改めて彼が「カイ殺し」であることを証明した――再び準決勝の舞台で彼を下したのだ。
そして今大会、2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)にて、彼らは再度対峙することになった。今度は、ついにブッディがリベンジを果たしたのだ。
Lost this round to @kaibudde.
— Brad Nelson (@fffreakmtg) October 18, 2019
..I know, I know.
2-2
テオに負け。
2-1
@kaibuddeに負け。
……うん、わかってる。
2-2
今大会は2日目進出とならなかったが、いつも愉快な「ネルソンとブラウン=デュイン」コンビは、この週末何度も注目を集めることだろう。
そして馴染みの顔と対戦することになったのは、ブッディとネルソンだけではない。
The classic travel 22h for an event to get paired round1 against local friend who happens to be the opponent I faced the most on my DCI history. GL @lucaparroz_
— Lucas Berthoud (@bertuuuu) October 18, 2019
22時間の旅を経て遠くのイベントに参加してるのに、1回戦から一番顔を合わせている地元の友人と対戦することになるとはね。グッドラック、@lucaparroz_
いざ2日目へ
MPLの各ディビジョン優勝者4名――リー・シー・ティエン、セス・マンフィールド、カルロス・ロマオ、ベン・スタークは、今大会を迎える前に2日目へのシード権を得ており、初日の上位24名に加わって明日の競技に臨む。初日の成績とタイブレークはリセットされ、改めてトップ8を決するための7回戦が行われるのだ。
2日目の舞台に上がる選手の中には、多くのファンを持ちチーム「Solo Mid」のメンバーである「NumottheNummy」ことケンジ・エガシラ/Kenji Egashiraの姿もある。「勝てば初日突破」の最終ラウンドを制した彼は、興奮のあまり配信スタッフの待機部屋に乗り込み、ハイタッチを求めて回ったのだった。
A victorious @NumotTheNummy DEMANDS HIGH FIVES!#MythicChampionshipV pic.twitter.com/4LRWopjybd
— Magic Esports (@MagicEsports) October 19, 2019
勝利した@NumotTheNummyがハイタッチを求めてやって来ました!#MythicChampionshipV
初日のまとめは以上だ。28名の素晴らしいプレイヤーたちは明日、2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)のトップ8入賞を懸けた戦いに挑む。2日目の競技の模様は、初日と同様 twitch.tv/magic にて午前9時(日本時間20日午前1時)よりお届けするので、お楽しみに。
(Tr. Tetsuya Yabuki)
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