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サイクリングのデベロップ

Sam Stoddard / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru

2017年5月19日

原文はこちら

 こんにちは、そして「Latest Developments -デベロップ最先端-」へようこそ! サイクリングについては、『アモンケット』のサイクリング土地のプレビュー記事で少しお話ししましたが、このメカニズムについてお話しすることはもっと多くあります。

 サイクリング土地はそのうちの1つであり、エキサイティングですが、『アモンケット』には他にも多くのサイクリングを持つカードが収録されています。それらのカードはこれらの土地よりもバランスをとるのがとても困難でした。今週の「Latest Developments -デベロップ最先端-」では、我々がそれらのカードをデベロップしていたときに考えていたことについての、いくつかの洞察をお伝えします。

 サイクリングはこれまでの中で最良のメカニズムの1つです。カードに軽いコストをつけてカードをよく回転できるようにしたり、中ぐらいのコストをつけて興味深い選択を可能にさせたり、重いコストをつけてサイクリングで能力を誘発させたりすることができます。まさに驚異的な用途の広さです。

 このメカニズムは常盤木メカニズムにするには多分用途が少し多すぎるというのは面白いところです。我々はほとんどのセットにのカードを回転させるメカニズムを入れようとしますが、使うことのできるものの数には上限があり、そして私はサイクリングともう1つ何かがあると過剰なカードの回転ができてしまうと考えています。カード回転のための常盤木メカニズムを選ぶとき、我々は明確なカード回転のメカニズムを持たないセットでいくらかのカード回転があることを保証することができて、しかし他に何もいらないと感じるほどの強さではない、占術にすることにしました。

サイクリングのコストを決める

 サイクリングを持つカードを作る上で難しい部分の1つは、それらのコストを決める方法を考え出すことです。ある意味では、『ウルザズ・サーガ』はサイクリング・コストは{2}だけで、それを何につけるかだけの簡単な仕事でした。それは機能するかもしれませんが、我々が本当に求めているものではありません。我々は《粉砕》のようなカードに1マナ加えて《スクラップ》にするよりも、多くの調整箇所を求めています。

 カードにサイクリング・コストをつける方法を考えるとき、我々はいくつかの事柄に目を向けます。

  • サイクリングなしでのそのカードの強さ
  • そのカードをサイクリングする頻度
  • (そのカードをサイクリングしない場合の)そのカードをデッキに入れる機会費用
  • もう少し攻めたコスト設定をしたくなる何らかのメタゲーム上の理由

 これは完全なリストではなく、我々が考えていることについての一般的なガイドラインのようなものです。リミテッドのポイント付けなど、他にもこのような理由はたくさんありますが、それもまた議論の中に上がってきます。しかし、この手の規定はそのカードのメインの効果にどれだけコストをつけたくなるか、そしてサイクリング・コストをいくらにするかを判断する助けになります。

 もちろん、我々はそのカードの呪文としてのコストを多くする必要はなく、より用途を狭くするといった選択肢もあります。たとえば、《帰化》はスタンダードのサイドボードで使われるカードなので、我々が『アモンケット』でそれにサイクリングをつけたバージョンを作ろうとする場合、いくつかの選択肢があります――コストを{2}{G}にすることもできましたし、効果を少し違うものにすることもできました。我々は最終的にサイクリング・コストを{G}だけにできるように、アーティファクトだけを破壊するようにしました。

 《焼けつく双陽》はもう1つの例です――《神々の憤怒》は『テーロス』期のスタンダードで全くもって妥当なカードであり、{1}{R}{R}で3点ダメージだけでも恐らくスタンダードで使われるのに十分な強さです。それでも、我々にはこのカードを改良するいくらかの余地がありました。それから、我々は上記のポイントについて考えました。

1)サイクリングなしでのこのカードの強さは?

 スタンダードで使われるのに十分な強さです。

2)これがサイクリングされる頻度は?

 相手によって大きく左右されます。これが最も有用な早い試合なら多くサイクリングされることはありませんが、時間に余裕があるコントロールでは頻繁にサイクリングされます。

3)(そのカードをサイクリングしない場合の)そのカードをデッキに入れる機会費用は?

 普通。あなたがアグレッシブなデッキではないと仮定すれば、これはメタゲーム内の他のほとんど全てに対して有用です。恐らくコントロールやコンボ相手にこれを引きたいとは思わないでしょうが、少なくともサイドボードではこれをサイクリングせずに使う機会があります。

4)このカードにもう少し攻めたコストをしたくなるメタゲーム上の理由は?

 『アモンケット』に取り組んでいたとき、ゾンビ・デッキや白の人間デッキ、アーティファクト・アグロ・デッキのような強力なアグロ・デッキが多くありました。我々は遅いデッキが何らかの対抗策を持つようにしたいと考えました。白には《燻蒸》があり黒には多くの強力な単体除去があったので、赤には良い全体除去を入れる余地がありました。

 結局のところ、我々はサイクリング・コストを{3}に設定しました。これの強さのほとんど全てはメインのカードにあり、サイクリングは少しの恩恵をもたらします。

 では別のカード、《検閲》を見てみましょう。

1)サイクリングなしでのこのカードの強さは?

 とても弱いです。このカード以前に占術1がついた《阻まれた希望》がありましたが、そのカードは基本的に構築フォーマットでは使われずリミテッドでわずかに使われただけでした。

2)これがサイクリングされる頻度は?

 とても頻繁にされます。これは5ターン目より後ぐらいに気にせずにプレイするのが簡単なカードであり、そして対戦相手は土地をプレイして呪文を唱えるとき、たまたま完璧なマナ・カーブに沿わないだけで、サイクリングを頻繁に行うでしょう。

3)(そのカードをサイクリングしない場合の)そのカードをデッキに入れる機会費用は?

 高いです。これを最序盤に唱えない場合、これの有用性を引き出すのに苦労する確率はとても高くなります。

4)このカードにもう少し攻めたコストをしたくなるメタゲーム上の理由は?

 特に大きなものはありません。《呪文貫き》や《軽蔑的な一撃》のようなカードはメタゲームで重要な部分を担っていますが、そのカードそのものに大きな必要性はありません。何らかの方法でメタゲーム上で強く推そうとするなら、我々はそのカードをもっと強くしてより用途の狭いものにし、カードをサイクリングすることにもっと関連したものになるでしょう。

 最終的に、我々はそれ自体はとても弱いけれども{U}でサイクリングできると本当に面白いので、《検閲》のサイクリング・コストを{U}にしました。私はこのカードの立ち位置にとても満足しています――これは青いコントロール・デッキに序盤中盤の優れた回答を与えながら、土地事故を起こさない可能性を高くする非常に良い仕事をしています。これは長期戦で圧倒することなく、4ターン目のギデオンや《霊気池の驚異》に負けないようにする素晴らしい方法です。

 サイクリングを持つカードはそれぞれ、そのサイクリング・コストを適正なものにするために多くの議論が行われました。最終的に、1マナでカードを1枚引くのは超弱いものではないので、我々はそのコストを持つカードを多く入れすぎることはしませんでした。


《シェフェトのオオトカゲ/Shefet Monitor(AKH)》 アート:Viktor Titov

サイクリング誘発

 最も強力なサイクリングしたことで誘発する能力を持ったカードは、どちらも『オンスロート』にありました――《霊体の地滑り》と《稲妻の裂け目》です。これらはいずれかのプレイヤーがサイクリングすることを見るという大きな問題点(『アイスエイジ』の氷雪土地対策は大量にあるのに妥当な氷雪土地による恩恵がほとんどないのと同じく、奇妙な主張です)だけでなく、驚異的な強さの能力を持っていました。

 全体的に、強力な誘発型能力がある場合、我々はいくらかのマナの支払いをつけることを好みます。これはサイクリングを持つカードがより妥当なコストを持つ助けになります。《ドレイクの安息地》は1マナの支払いしなくてもいいようにできたカードの例ですが、そうすると我々は残りのサイクリングのカードをこれに合わせてバランスを取らなければならなくなりました。このカードはキューブやモダンでより面白いかもしれませんが、我々は全てのものをそれらのフォーマットで十分強くなるようにバランスを取りたいとは思いませんでした。

 我々は『アモンケット』にサイクリングすることで能力を誘発させるカードを求めていることは分かっていましたが、また我々は人々がそれを誘発させるためだけにほとんど使いみちのないサイクリングのカードでデッキを満たすことも求めていませんでした。私は我々がかなりいところをついていると思っています――そういうデッキに最も近いのは、デッキに入っているサイクリングを持ったカードのほとんどを唱える《新たな視点》デッキです。

 『オンスロート』はサイクリングでとても新しいことを行いました――驚くべきことに、我々が常盤木でないメカニズムをマジックの新しいブロックで再使用したのはこれが最初でした。我々はそこで新しいものだけでかなりうまくやってきましたが、デザイン空間の総量が小さくなるに伴い、本当に強力なキーワード能力を再使用することは素晴らしい選択肢になりました。

 結果的には、カードをサイクリングする人々に恩恵をもたらすために道を外れてしまいました。事実、《霊体の地滑り》と《稲妻の裂け目》は実際に取り掛かりメカニズムを再利用することを納得させたカードであり、それはその時点では良い戦略だったのですが、私はここでのサイクリングのエキサイティングな部分は、実際にこのメカニズムのついたカードであるべきだと考えています。我々は人々に前の年とやり取りするいくつかの報酬をもたらすカードよりも、このセットのカードの方でより多く興奮するようにしたいと思っています。

 今週はここまでです。来週は一問一答にお答えしていこうと思います。

 それではまた来週お会いしましょう。

サムより (@samstod)

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