READING
翻訳記事その他
『イクサラン』のメカニズム
『イクサラン』のメカニズム
Matt Tabak
2017年8月28日
プレインズウォーカーの皆さん、グッド・ニュースです! 皆さんの旅路は、探検の世界イクサランへ至りました――空を覆うジャングル、悠々と流れる大河、そして大いなる宝が隠された世界へ。失われし黄金の都「オラーズカ」に眠るその宝には、想像も及ばないほどの力が込められているそうです。この世界はきっと、プレインズウォーカーの皆さんにとって最高のリゾート地となるでしょう――オラーズカの支配を巡る絶え間ない戦いさえなければ。まあ、ご心配なく。本日は、この非常に危険な楽園で生き残り、成功を手にするために必要な知識をお届けします。
太陽帝国(と激昂する恐竜たち!)
太陽帝国の戦士たちは、恐るべき恐竜を操るすべを身につけています。それを表すメカニズムが「激昂」です。激昂は、この能力を持った恐竜にダメージが与えられるたびに誘発します。恐竜を怒らせるなんて、とんでもないことですよね。
激昂を持つ恐竜にダメージを与えたいなら、対戦相手の小型クリーチャーに向けて突撃させるのが良いでしょう。恐竜にとっては、「小型クリーチャー」はありふれていますから。また今回のセットには、他にも恐竜を激昂させる賢い手段がありますので、お楽しみに。それから激昂能力は、その恐竜に致死ダメージが与えられた場合でも誘発します。ですがそこまでしなくても良いと思います。やっぱり生きている恐竜の方が強いですからね。つまりこの能力は、「ガオー!」ということです。
鉄面連合(と強襲する海賊たち!)
鉄面連合の海賊たちは、宝の山を探し回ります。それが海賊の仕事ですから。ですがその労力を減らす方法もあります――すでに宝を持っている者から奪えば良いのです。「強襲」は、海賊の無慈悲な攻撃性を表すメカニズムです。
強襲能力は、このターンにあなたがクリーチャーで攻撃しているかどうかを参照します。それぞれの効果は異なるので、内容をよく読んで、何が起きるのかを把握しておきましょう。《巧射艦隊の拷問者》のようなカードは、戦闘後の第2メイン・フェイズに唱える方が良いということですね。
強襲では、攻撃したクリーチャーの数は参照しません。4体で攻撃したのちに《巧射艦隊の拷問者》を唱えても、能力が誘発するのは1回だけです。それから、攻撃したクリーチャーがどうなったかも参照しません。戦闘で生き残っても死亡しても、手札に戻されても、あるいはコントローラーが変わっても(この裏切り者!)、攻撃を行ったなら強襲は機能するのです。
さて、皆さんこう思っていることでしょう。「まあ、攻撃は最高だよな。どんどん攻撃したいよ。でも......『宝、宝』って言うけど、一体どこにお宝があるっていうんだ?」 良い質問ですね。
「宝物」は無色のアーティファクトであり、それをタップして生け贄に捧げることで、好きな色1色のマナ1点に「換金」できます。宝物はそのトークンの名前であり、アーティファクト・タイプでもあります。このセットには宝物・トークンを生み出すカードがいくつかあり、対戦相手とのリソース差を広げるのに役立つことでしょう。つまりこの能力は、「ウオー!」ということです。
川守り(と神出鬼没のマーフォークたち!)
マーフォーク戦略の中心は、+1/+1カウンターによる成長とブロックが非常に難しいことです。特有のキーワード能力は用意されていないため本日のプレビュー・カードはありませんが、マーフォーク・ファンの皆さん、どうかご安心ください。素敵なマーフォークがたくさんいますから。水の中にね。
薄暮の軍団(と血に飢えた吸血鬼たち!)
マーフォークと同様、このセットの吸血鬼にも特有のキーワード能力はありません。吸血鬼戦略の中心は、ライフ操作です。あなたが薄暮の軍団に仕えるなら、ライフを犠牲に絶大な力を振るうことができるでしょう。減ったライフは絆魂やその他の能力で取り戻しましょう。最終的には、直接敵から奪ってしまえば良いのです。
探検に出発だ!
イクサランには探すべきものがたくさんあります。そこで「探検を行う」という新しいキーワード処理が、新天地の発見や軍勢の強化に役立つはずです。とはいえ、あなたが直接汗を流して探検する必要はありません。代わりにあなたのクリーチャーが行ってくれます。
あなたがコントロールするクリーチャーが探検を行う場合、あなたはライブラリーの一番上のカードを公開します。公開されたものが土地カードなら、あなたのクリーチャーは見事に新天地を発見したことになり、あなたはその土地カードを手札に加えることができます。土地でないカードの場合は、手ぶら(クリーチャーによっては翼ぶら、爪ぶら、前脚ぶらなど)で帰って来たことになりますが、それでも、得るものが何もなかったわけではありません。あなたは、そのクリーチャーへ+1/+1カウンターを1個置くことができるのです。その後、公開された土地でないカードは、そのままライブラリーの一番上に残すか墓地へ送るかを選択できます。
探検を行うクリーチャーのほとんどは、《ティシャーナの道探し》のように戦場に出たときに能力が誘発します。また、起動型能力として探検を行うクリーチャーもいます。どちらの場合も、能力の解決時にそのクリーチャーが戦場を離れていても、そのまま探検を行います。土地カードが公開されれば、あなたはそのカードを手札に加えます。ただし土地でないカードが公開された場合、戦場を離れているクリーチャーに+1/+1カウンターを置くことはできません。公開されたカードをライブラリーの一番上に残すか墓地へ送るかは選択できます。
それから、このセットには「あなたがコントロールしているクリーチャーが1体探検を行うたび」に誘発する能力を持つカードもいくつかあります。その能力も、クリーチャーが戦場を離れたのちに探検を行っても誘発します。探すべきものはたくさんありますから、急いで探検を始めましょう!
おーい、そこの船!
『イクサラン』では「機体」が再登場し、あなたの軍勢を勝利に導くための出航の準備ができています。
機体の挙動については、前回からの変更点はありません。「『カラデシュ』のメカニズム」記事で書いたので、そこから引用してちょっと編集したものを掲載しましょう。
機体も基本的には通常のアーティファクトと同じです。そう、可能性を秘めたアーティファクトですね。しかしこれらは、それ単体では機能せず攻撃に向かうこともできません。
カラデシュ次元イクサラン次元の技術はまだ、自動操縦の車海賊船を発明するまでは至っていないのです。機体はそれぞれ搭乗という能力を持っており、その効果でアーティファクト・クリーチャーになります。搭乗能力を起動するには、パワーの合計が搭乗能力に書かれた数字以上になるようにあなたのコントロールするクリーチャーをタップします。搭乗能力にはタップ・シンボルが用いられていないため、アンタップ状態であればどのクリーチャーでもタップすることができます。戦場に出たばかりのものでも問題ありません。それから、クリーチャー化した機体が、他の機体に搭乗することもできます。
新たな......面を発見せよ
『イクサラン』では両面カードも帰ってきます。ただしクリーチャーが他の形に「変身」することを表現していたこれまでと異なり、『イクサラン』の両面カードは「探検の物語と道具」を表現しています。
両面カードのルール自体に変更点はありません。以前の両面カードの挙動がわかっていれば、新しいものもすぐに使えるようになるでしょう。《宝物の地図》/《宝物の入り江》に見受けられるように、今回の新しい要素としては第2面が土地となっています。それだけでなく、地図をモチーフにした新しい豪華な枠の土地なのです。パーマネントが変身して土地になることは、土地をプレイすることと同じではありません。《宝物の入り江》は戦場に出るのではなく、そのターンの土地のプレイには含まれないのです。
またタップ状態のカードが変身しても、第2面はアンタップしないことを思い出してください。そのため、《宝物の地図》をタップしてその能力を起動し変身させた場合、《宝物の入り江》はタップ状態のままです。でもこれで宝物を得られますね!
両面カードが初めてだという方のために、簡単にご説明しましょう。両面カードには、第1面と第2面があります。『イクサラン』の両面カードでは、カードの左上にコンパスのアイコンが描かれている側が第1面です。その第1面をオモテにした状態が基本となります。そのパーマネントは、第1面をオモテにした状態で戦場に出ます。ある能力にそのパーマネントを「変身させる」よう指示があったら、それを裏返し、もう一方の面が見えるようにします。どちらの面にも、そのパーマネントが何なのか、またどのような能力を持っているかが書かれています。
『イクサラン』の両面カードはどれも、第2面をオモテにした状態でプレイすることはできません。両面カードが戦場以外にある場合、それは第1面の特性のみを持ちます。そのため、ライブラリーから土地・カードを探す呪文を唱えても、《宝物の地図》/《宝物の入り江》は探せません。ですがアーティファクト・カードを探す呪文なら探せます。
伝説のプレインズウォーカー
今回のセットに収録されるプレインズウォーカーはもうご覧になりましたか? ジェイスの姿をご覧あれ!
そして珍しいタイプ行にご注目ください!「伝説のプレインズウォーカー ― ジェイス」 たくさんの疑問が浮かんだに違いありません。その疑問をひとつずつ解消しましょう。
今回のセットより、過去、現在、そして未来におけるすべてのプレインズウォーカーが「伝説の」の特殊タイプを持つことになります。それらには「レジェンド・ルール」が適用され、「プレインズウォーカーの唯一性ルール」は廃止されます。つまりどういうことでしょう? 簡潔に言うなら、伝説のクリーチャーに起こることが伝説のプレインズウォーカーにも起こるということです。
この新たなルールの下では、プレイヤーが同じ名前の伝説のプレインズウォーカーを2枚以上コントロールしている場合、1つを除いてオーナーの墓地に置くことになります。つまり、《秘密の解明者、ジェイス》をコントロールしている状態で《狡猾な漂流者、ジェイス》を唱えても、両方のジェイスをあなたのコントロール下で戦場に残しておけるのです。
プレインズウォーカーは引き続き、(ジェイスやニッサ、ボーラスなど)プレインズウォーカー・タイプを持ちます。ただしそれらのサブタイプは、プレイヤーがそれをコントロールし続けられるかどうかを決定する際に参照しなくなります。なお《ジェイスの敗北》のようなカードでは、それらのサブタイプを参照します。
オラーズカが待っている!
恐竜。海賊。マーフォーク。吸血鬼。旅の仲間をうまく選べば、豊穣なるイクサランはあなたの手中に収まることでしょう。ぜひ友だちを連れて、プレリリースをお楽しみください。幸運を祈ります!
RANKING ランキング
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!ゴルガリ・ランプと『ファウンデーションズ』の注目カード(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
世話人型白単コントロール、『ファウンデーションズ』の注目カードは?(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
今週のCool Deck:イゼット厄介者で機織りの季節を楽しもう(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
広報室
年末はカジュアルにマジックを楽しもう!11月15日より特別なフレンドリーイベント&キャンペーン3種を開催|こちらマジック広報室!!
-
読み物
第50回:『ファウンデーションズ』統率者ピックアップ|クロタカの統率者図書館
NEWEST 最新の読み物
-
2024.11.21戦略記事
とことん!スタンダー道!難解パズルなカワウソ・コンボ(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.20戦略記事
緑単アグロ、原初の王者の帰還!(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.19戦略記事
ボロス・バーン:基本セットと火力の関係(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.18戦略記事
世話人型白単コントロール、『ファウンデーションズ』の注目カードは?(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.15戦略記事
今週のCool Deck:イゼット厄介者で機織りの季節を楽しもう(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.15お知らせ
MTGアリーナニュース(2024年11月11日)|お知らせ
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事